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2010.08.07発 ウガンダ・ゴリラトレッキングとサファリ 10日間 その3

マウンテンゴリラ。現在、その個体が確認出来るのは、ウガンダ、ルワンダ、コンゴ民主共和国で700頭余りのみ。その風貌ゆえに人間から恐れられ攻撃され、また密猟のターゲットになり、おまけに近隣諸国の内戦でとんだとばっちりの被害を受けてきた。昨今、多くの保護活動により生息数は徐々に増加しているが、絶滅危惧種として今もなおその生存の危機が懸念されている。

そんな森の民の約半数は、ここウガンダのブィンディ原生国立公園に生息しています。マウンテンゴリラと言うと、彼らをモデルにした映画やゲームの凶暴的なキャラクターイメージがとかく先行しがちですが、本来は森の奥深くで家族や仲間と共に穏やかに暮らす平和主義者。そんな彼らの生活の一コマを見せてもらおうと、少しの不安とたくさんの期待を胸に森の中へ、いざ出発です。添乗員は許可証の発行数の関係で森の入口で皆さんを見送ることになりますが、ゴリラに詳しい専門のガイドと、荷物を持ってくれたり、急勾配な道で手助けしてくれるポーターがいるので大丈夫。

今回のトレッキングは思ったよりもハードでした。ガイドを先頭に、足元はもちろん、頭上や周囲の木の枝、棘のある草などに気をつけながら、けもの道を進んでいきます。途中何度か小休憩を取りながらも、歩けど歩けどゴリラはいずこに。疲れて遅れをとるメンバーを皆で励まし合いながら、2時間半経過した頃、ようやくゴリラのグループとご対面できました~。

大人4頭、赤ちゃん1頭のグループ。赤ちゃんは生後2ヶ月。
こちらもきっかり1時間で観察終了。いつも一生懸命、黙々と草を食べ続けているゴリラ達。基本的にはベジタリアンで、アザミ、イラクサ、セロリなどが大好物です。こうして観察していると、なんだか人間を受け入れてくれているように錯覚してしまいますが、とても警戒心が強く、ストレスや伝染病に敏感に反応します。よって観察時には非常に多くの約束事が設けられています。
その1 ゴリラのストレスになることは一切禁止。
その2 写真を撮る際はフラッシュは厳禁。大声を出すのももちろんダメ。
その3 ゴリラの1グループに会える人間は1日8人まで、かつ1時間限定。
その4 ゴリラに出会ったら、7m以上の距離を保つこと。
その5 病原菌をもたらす可能性は一切排除。風邪やインフルエンザなどで体調が悪い時は参加不可。
などなど・・・。

人間に守られながら、自分達の生活の一部を見せてくれるゴリラ達。彼らは「トレッキングツアー」という代償と引き換えに、彼らの森を維持し、伐採、密猟、森に潜むゲリラから身を守るために必要な人件費、諸経費を自ら稼いでいます。1日1時間、彼らに会うために必要な金額、なんと1人・US500ドル(2010年現在)
1人1時間、5万円って・・・。六本木や歌舞伎町の売れっ子ホストやキャバ嬢も顔負けですね~
でも、ゴリラに会う前の注意事項等のミーティングで聞いたガイドの言葉。「あなた達がルールを守ることを前提に、遠くウガンダまでマウンテンゴリラに会いに来てくれ、こうしてお金を落としてくれることが、彼らの生活を守る何よりの基盤になっている。だから国に帰ったら、マウンテンゴリラの素晴らしさを伝えて欲しい。」
とても心に残りました。
滞在しているロッジからマウンテンゴリラが住んでいる森を眺めていると、日本の田舎の山の風景を彷彿させるものがあります。DNAレベルでも人間と97%同じと言われているマウンテンゴリラ。なんだか勝手に親近感を抱いてしまいます。これからも彼らが安心して生活できる環境を整えるために、少しでも役に立ちたい。そんなことを思った旅でした。
*写真はツアーご参加の古結智之様、動画は萩原正宏様より提供していただきました。ありがとうございました。
今野

道祖神