『ナミブ砂漠』この茜色の大砂丘に惹かれて、いったい何万人の旅行者がこの地を訪れたのでしょうか。アフリカの砂漠と言えば、誰しもが、『サハラ』を思い浮かべますが、荒涼としたサハラの景観に比べて、ナミブの砂丘は幻想的な美しさに満ちています。朝陽に照らされ、砂丘の連なりに浮かび上がる影は、時の経過や、気まぐれな風によって姿を変え、観る者を幻惑します。ナミブ砂丘は高低差が世界一と言われ、朝食前のハードな時間帯ですが、砂に足を取られながらも砂丘の頂上を目指します。
砂丘の頂上から見渡す絶景と青空には、早朝の眠気も一瞬で吹き飛びます。
砂丘を降りて、砂漠の中でテーブルを広げてオープンサンドの朝食。何とも贅沢な一時を過ごした後は、四駆のジープに乗り換え、砂丘群の奥を目指します。
途中からは車両も入れない砂丘群ですので、徒歩でデッドフライまで向かいます。だいぶ陽も高くなってきているので、汗だくになってしまいますが、砂丘の合間に立ち枯れしている樹はなんとも幻想的で、世界の果ての景色を垣間見たような気分でした。
ゲートの脇で昼食を取った後は、キャニオンに向かい、約30分のウォーキング。
大きなものではありませんので、食後の運動にはちょうど良かったかも。
今回の旅の最初のハイライト、『ナミブ砂漠』を丸1日かけて、すっかり堪能した後はロッジへ戻り、朝早かった疲れを癒します。そろそろオーバーランドの旅も3分の1が過ぎた頃ですので、翌日からは大西洋沿岸の街スワコプムントで2日間、小休止です。ナミブ砂漠からスワコプムントまでの道のりは、荒涼とした、ああナミビアらしいな、という風景が続きます。時たま砂丘の連なりが顔を出す事もありますが、多くは乾燥した荒野を走り続けているイメージです。南回帰線を越えてスワコプムントへ到着。
さて、スワコプムントの街では、到着日と、翌日の丸1日フリータイムがありますので、様々なオプショナルツアーを楽しんで頂く事が出来ます。スワコプムントは海も砂丘も楽しめる街ですので、スカイダイビング、釣り、ドルフィン・クルーズ、サンド・バギー、などアクティブなオプショナルツアーが沢山揃っています。早速、翌日は朝からサンドバギーを駆りに出発した方々がいらっしゃいました。文化系の方は、タウンシップツアーも。また、ご夫婦で参加の方は、お2人だけでゆっくりとした休日を。
私はと言えば、午前中はドライバーのお手伝い、車の整備を手伝ったり(…と言っても、メカニックな事はさっぱりなので、力仕事のタイヤ交換のみ)明日からの食糧の買出しに行ったり、それなりに忙しかったのですが、夕方には空き時間も出来たので、大西洋からの涼しい風が吹く街並みを、のんびり散歩できました。ちょうど週末にあたる2日間、皆さん、思い思いの休日を過ごされて満足されたようでした。
長旅ですので、ツアーの合間に自由な時間が持てるのは、心身共にいいリフレッシュになったようです。さて、翌朝からは、いよいよ旅を再開です。
南部アフリカの地図を眺めながら、次なる目的地に思いを馳せます。
ケープタウンから始まって、大西洋岸を北上するように進んで来た旅も、ここから内陸部へと入っていきます。今まで肌寒い日々が続いていましたが、内陸の山岳地帯ダマラランドに入るに連れて、ぐんぐん気温は上昇し、汗ばむ陽気を通り越し、灼熱のようになってきました。
この日の宿泊地はブランドべルグ。ここは、ナミブ砂漠の北部の岩石砂漠から連なる、花崗岩の山塊です。その威容から、『炎の山』と呼ばれ、古くからサンの人々の聖地だった土地です。ここには、標高2,573mのナミビア最高峰もこの地域に位置します。サンの人々の貴重な刻画(岩絵)が残るトゥワイフェルフォンテンなど、見所もありますが、とにかく急に暑くなった気候に、皆さん本日はダメージを受けてしまったようでした。
翌日も、灼熱&乾燥の大地を走ります。この日はブランドベルグから一気に北上し、ヒンバの人達が暮らすカマンヤップ近郊まで向かいます。途中、横に長い特徴的な帽子が可愛い、ヘレロのおばさんたちに出会いました。彼らは自分達の民俗衣装を着た人形を売り歩いており、こちらも可愛げがあってお奨めです。
本日の宿泊地カマンヤップの宿に到着。いかにも旅人の宿といった風情で、街中の味気ないホテルと違い、雰囲気もあるいい宿でした。
夕方からは若干涼しくなってきたので、ヒンバさん達の村を訪問。
純粋な村と言うわけではなく農場主の白人の方とヒンバの女性リーダーが立ちあげた孤児院のような施設で、血縁の大人たちが子供の面倒を見ています。実際のヒンバさんの村のような作りになっていて、昔ながらの暮らしぶりを続けているので、住居の中や、普段のヒンバさんの生活スタイルなど、興味深い訪問になりました。
カマンヤップを出発後、翌日からの2日間はナミビアのもう1つのハイライト、エトーシャ国立公園です。ナミビア北部の、エトーシャ・パンと呼ばれる乾いたソーダ湖を中心に22,270㎢という広大な面積を持つアフリカでも有数の公園です。様々な環境の変化に富んでいて、ドライブをしながら移り変わる風景だけでも楽しめます。
パンの外側には草原が広がり、時折深いブッシュもあります。また、特筆すべきは、自然の水場がたくさんあるので、そこに集まる動物達の観察も出来ます。宿泊ロッジは、これまた広大な敷地の中にキャンプサイトも併設しており、その中にも水場があり、夜間の動物をライトアップして観察する事が出来るようになっています。有料のオプショナルになりますが、早朝/夜間には、4駆のジープに乗り換えてのサファリを楽しむ事も出来ます。今回、特にナイトサファリは評判が良く、ハイエナが獲物の骨を噛み砕く音が、金属音のように聞こえて来たとか。夜は冷えるので、防寒対策をしっかりしなくてはなりませんが、ナイトサファリはなかなかお奨めです。
エトーシャ国立公園の後は、ナミビアの首都ウイントフックへ。とうとうナミビアの旅も終わりです。ウイントフックのBBQレストランで、もりもりとお肉を平らげ、最後の晩餐を堪能しました。
翌日は、雲一つない透き通るような青空!!まさに旅日和です。
途中、オープンランチで休憩しながらも、午後にはボツワナへ入国しました。いよいよ南部アフリカ4ヶ国の旅も、3ヶ国目へ突入です。
その3へつづく
生野