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2013.04.27発 ボツワナ・キャンプ 塩湖と砂漠 10日間

このゴールデンウィーク、ボツワナのカラハリ砂漠でキャンピング&サファリをしてきました。
ボツワナは、日本の国土の1.5倍、南アフリカの北側に隣接する内陸の国です。
実は、世界中に流通するダイヤモンドの1/3はボツワナ原産。縦3つ、ダイヤが並んだネックレスの一粒は、ボツワナ産とも言われます。
また、手付かずの大自然には多くの野生動物が生息し、国土の38%は国立公園や自然保護区に指定されています。
“高水準・少人数”の観光政策で自然保護に積極的に取り組むことで、ありのままの大自然はそのまま、人間による環境破壊を徹底的に防ぎ、数少ない観光客は、質の高いスタッフ、設備でサファリができる。ボツワナ・サファリの魅力はそこに尽きるのではないでしょうか?
そして、大自然をより肌身で感じるには、キャンピングが一番。
毎日、雲一つない快晴。眩い太陽とどこまでも続く大地、満天の星空に心が洗われました。
カラハリの玄関、マウンから軽飛行機に乗って移動。飛び立ってすぐにこんな風景に。もう人家は見当たりません。

ツアーのスタートは、中央カラハリ野生動物保護区のデセプション・バレー。デンマークやスイスより広い面積を誇るこの保護区内で、野生動物が比較的多い北部に80kmに渡って広がる渓谷です。黄金色の草原が果てしなく広がり、所々に低木の緑が散らばります。元々は干上がった広大な川床跡だったのですが、その乾いた表面は、そばに近づくまで水を湛えたように見えたことから、デセプション=あざむき バレー=谷 と呼ばれるようになりました。
一日の始まりは、毎日この朝焼けから。

軽く朝食を取ったら、サファリへ出発です。この保護区内には同種でも乾燥に強い動物が多く生息しています。
しかし、カラハリのライオンって本当に美しい。金色の目に吸い込まれそうです。

サファリの途中、ティータイムで軽く休憩。清々しい景色の中でのお茶はまた格別です。

キャンピングって聞くと、「不便が多く大変そう・・・。」と危惧されるかもしれませんが、実際、シャワー、トイレを含む必要なものは全てスタッフが整えてくれ、テント設営、撤収作業のサポートも万全、キャンピングが初めての方でも気軽にご参加いただけます。大自然をより身近で感じたい!!という気持ちと、少しの準備だけで十分です。ボツワナのキャンピングは、テント、寝具、食事、スタッフ全てが最上級だと実感しています。
今回はかなり大きなテントを用意してくれていました。テント内に人が立った状態でも天井に頭が付きません。写真は身長約165cmの女性です。ツアーにより、またその時々でご用意できるものは多少異なりますが、それでも、広い空間が確保できることは間違いありません。

心地よい風を感じながら、出来立ての食事をいただくのもキャンピングの醍醐味です。毎食、専属のコックさんが、私たちのためだけに考え用意してくれる、ある意味とても贅沢なひと時です。また、ゆったりとくつろげる午後のティータイムも至福の時です。

私たちがサファリを楽しんでいる間、スタッフが食事の準備や、時にはアイロンがけまでこなします。

そして1日の締めくくりはこちら。キャンプ・ファイヤーを囲みながら、今日のサファリについて、動物について、いつも話が弾みます。頭上には溢れんばかりの星々が・・・。空一面に散りばめられた星の瞬くその美しさに、ただただ圧倒されるばかりです。

ナイパン国立公園は、どこまでも続く黄金色の草原が印象的な場所です。「風の谷のナウシカ」の世界を彷彿とさせます。

ここでチーターの親子に出会いました。ナイパンでチーターに遭えるのは、珍しいのです。

水辺には、スプリングボックやゾウ、ダチョウなど多くの動物が集まり、喉を潤します。
夕暮れ時のシルエットは、しばし言葉を失います。

ナイパンから隣接するマガディカディ・パンへかけて、平坦な乾燥した荒野が広がりますが、そこには、たくましい生命力で生き抜くバオバブの巨木が点在します。数キロメートル先からも発見できるであろうこの巨木は、19世紀にこの地を旅した探検家にとってのランドマークであり、そこには今なお、当時と変わらない光景が広がります。これらのバオバブにはベインズ、グリーンズ、チャップマンと探検家などの名前が付いておりますが・・・、人間のすることといったら、昔から変わらないのですね。

グリーンズ・バオバブ(名前と年代が彫られています)

しかし、正確な地図が無い時代、その後に続く探検家、貿易商、旅行者たちが、これらのバオバブを頼りに旅をしたのは言うまでもありません。だって、これだけ大きいのですから。

チャップマンズ・バオバブ

ベインズ・バオバブ(群)

ベインズ・バオバブの一つ

グリーンズ・バオバブ

チャップマンズ・バオバブ

こうしてみると、それぞれに特徴がありますね。
そして、ツアーの最後に訪れたのは、マガディカディ・パン(群)。その中でも最大規模のパンの内部へと足を踏み入れました。
度々登場する“パン”とは、古代の湖底で今は干上がった平らな土地のことです。降雨と蒸発を繰り返し塩度の濃くなった表面は、塩の塊で真っ白になります。
360度、地平線まで続く大地の“白”と空の“青”しかない世界。果てしなく続く2色の世界に、自分たちだけがポツンと取り残されたような不思議な感覚です。雨季に多少雨が降った後は、フラミンゴなどの鳥類が飛来します。それもまたこの目で見てみたいものです。


動物王国のケニアやタンザニアに比べると、動物の種類や数は少ないですが、カラハリ砂漠には、人の介入を拒み続けてきた厳しい自然が作り上げる地球の姿が残っています。
キャンプをしている間、サファリをしている間、他の観光客はもちろん、地元の人々に出くわすこともさほどなく、突如として大自然のど真ん中に置かれた自分自身の存在のちっぽけさに、日常の悩みもストレスも大したことなく思えてくるでしょう。
ボツワナというと、野生の動物・鳥類の楽園、オカバンゴ・デルタが有名ですが、そちらとはまた違った魅力を持つ“カラハリ砂漠”。
来年のこの時期も変わらぬ姿で、また私たちを迎え入れてくれることでしょう。

今野

道祖神