今年は秋のシルバーウィークにマサイマラ・キャンプツアーへ行ってきました。
マサイマラはこの1週間ほど雨が降っていないようで、かなり乾燥して埃っぽくなっていました。強い風が雲を吹き飛ばし、お陰で夜になると満天の星空が見事でした。
さっそくサファリドライブへ出発です。
期待していたヌーの大移動群は西へ移動してしまったので見かけませんが、キリンやゾウなどの大型動物たちが悠々と生活しています。もちろんライオンやチーターも何度も色々な場所で見かけます。ほとんどの肉食動物たちがお腹いっぱいで休息していました。マサイマラの動物相の豊かさを象徴しています。
さらに半日サファリではタンザニア国境付近まで足を伸ばし、探し回った結果、念願のヒョウを観察することができました。しかもペアで日中デートをしていたのでかなり貴重な観察です。
9月のいいところは8月ほど観光客がいないので、のんびり観察できるのが魅力ですね。
ツアーでは動物観察だけでなく、マサイの人たちとの交流も用意してあります。
今回マサイの村には4時間も滞在し、普段の村訪問では紹介してもらえない水汲み場の川へ案内してくれたり、家畜を販売するために消毒する施設も見学させてくれたりしました。
案内してくれたマサイの若者グループは学校へ通い携帯電話も持っていて、お客様とフェイスブックの友達申請していました。今では女性たちも携帯電話を所有しているそうです。便利なものは取り入れても自分たちの生活習慣は変えないところに彼らの伝統への誇りを感じます。
マサイと一緒にキャンプ場周辺も歩きます。
車の中から動物を眺めるのと、自分で歩きながら動物に対面するのは一味違います。さすがマサイ、逸早く動物を探し出して教えてくれます。木々の上から顔を出すキリンも観察できました。
道中、ゾウの群れに行く手を阻まれてしまったときはマサイの表情が変わり、彼らの的確な誘導によって危険を回避できました。彼らの背中が非常に頼もしく感じました。
さ らに足元の動物の足跡や糞を教えてもらったり、薬として利用している植物を紹介してくれたりします。マサイ語で「オセギ」と呼ばれる樹木の葉は硬くてザラザラしているのですが、マサイはこれをやすりに使って杖や棍棒を研磨します。この葉を使って女性参加者たちは爪を磨いてもらい大喜びです。
マサイマラ滞在後半になると雨が降り出し、季節の変わり目を感じました。
いよいよ最終日、私たちはヌーの大移動群を追って長距離サファリへ出かけます。しかしマラ川周辺にはほとんど動物の姿がありません。今年は「ヌーの川渡りは観られないのか」と諦めていたところ、何処からか2~3百頭の少数群がやってきて突然川渡りを始めたのです!
急いで現場へ接近すると、すでに1頭のヌーが大きなワニに捕まっていました。そのヌーを横目に仲間たちが慌てながら泳ぎ過ぎていきます。腹を噛まれてしまったヌーはまだ脚が自由に動くので、何度も必死に岸へ上がろうとします。しかし最後には力尽きて、水の中へ引きずり込まれていきました。
私たちは野生で生きることの過酷さと、最後まで諦めなかったヌーの逞しさに感動しました。
連泊5日間の思い出はまだまだ書ききれません。キャンプ場も快適でしたし、料理も毎回美味しくて大満足でした。マサイマラは何度訪れても期待を裏切らない最高の動物保護区だと思います。また次のお客様を連れて訪問できる日が待ち遠しいです!
加藤直邦