Categories: 南部アフリカ

2017.9.16発 ボツワナ・カラハリ・トランスフロンティア公園でキャンプ 9日間

ボツワナのカラハリ・トランスフロンティア公園のキャンプツアーに同行させていただきました。ボツワナは、言わずとしれた、オカバンゴやチョベ国立公園を抱えた、動物大国です。今回訪問したカラハリ・トランスフロンティアは、ボツワナと南アフリカが管理している、アフリカ初の越境保護区として、2000年に開園しました(それ以前、南アフリカ側は、1931年にゲムズボック国立公園として設立)。保護区は、カラハリ砂漠の南部に位置しているため、極度に乾燥したエリアで、水が潤沢なオカバンゴやチョベ川周辺とは、全く環境が異なります。

カラハリ・トランスフロンティア公園(マブアシュベエリア)
公園内のトラックは深い砂地になっています

そのため、ここに生息する動植物は、乾燥に適応したもののみ。ゾウやカバ、キリンなどは生息していません(厳密に言うと、キリンについては、今回訪問したエリアには生息していません)。代わりに、ミーアキャット、オオミミギツネ、ケープギツネ、ワイルドキャット、ラーテルやヤマアラシなどの小型の食肉類が多く生息しています。

草から顔を出すかわいらしいオオミミギツネ
立ち姿がかわいいミーアキャット
餌を一所懸命に探すジリス
猛禽類も多く生息しています

なかなか写真に収めるのは難しいですが、今回は多くの種類に出会う事が出来ました。また、その小型のほ乳類を狙う猛禽類も多く生息しています。
特筆すべき動物として、この地域にしか生息していないカラハリライオンがいます。通常のライオンと比べて平均的に個体が大きく、またオスのライオンは黒いタテガミを持ちます。今回のツアーの目的の一つでしたが、何とか達成する事が出来ました(少し距離がありましたが)。

遠目にも大きさが良く分かるカラハリライオンのオス

また、キャンプサイトの軒下で、将来立派なオスになるであろう2~3歳の兄弟ライオンや、メスのプライドを間近でじっくりと観察する事が出来ました。

人のいないキャンプサイトで休んでいたカラハリライオンの兄弟1
人のいないキャンプサイトで休んでいたカラハリライオンの兄弟2
大きくても仕草はネコそのもの1
大きくても仕草はネコそのもの2
大きくても仕草はネコそのもの3
キャンプサイトの水場で乾きを潤す子ども達1
キャンプサイトの水場で乾きを潤す子ども達2
木陰で休むカラハリライオンのプライド

決して動物の数は多くはないものの、金色の草原に立つ動物達は、格別の美しさを持っていました。

金色の草原に立つオリックス
毛並みが美しいクドゥ
日中の強い日差しを避けて木陰で休むスプリンボックの群れ1
日中の強い日差しを避けて木陰で休むスプリンボックの群れ2
飛翔すると大迫力のアフリカオオノガン
こちらの様子を伺うセグロジャッカル
食事の後で顔が血に染まっているチーター
夕暮れ時は動物がさらに美しく輝きます

ボツワナは、実は、スイカの起源になりますが、公園内には、野生のスイカ(現地では、TSAMMA MELONと呼ばれています)が自生していました。
紀元前からこの地に暮らす、サン(ブッシュマン)の人達は、古くから、貴重な水がめとして利用してきましたが、これは、この地に暮らす動物達にとっても同じで、オリックスなどの草食動物や、鳥達も喉を潤していました(ライオンは食べないそうです)。

一帯に自生する野生スイカ
食べるとニガウリのような苦みがあります

今回はキャンプツアーでしたので、公園内のキャンプサイトにテントを張って滞在しました。
ボツワナは動物との距離が近い事も特徴の一つですが、夜には、我々の食事の匂いにつられて、ブラウンハイエナがサイトにやってきました。ブラウンハイエナは南部のカラハリ砂漠周辺のみに生息する希少種です。
また、別の日には、メスライオンが私のテント横5mの所で寝ていたようです(私は気が付きませんでしたが、明け方ガイドが教えてくれました)。

日除けの矢倉以外何もないワイルドなキャンプサイト1
日除けの矢倉以外何もないワイルドなキャンプサイト2
穴掘り式ですが、快適に使用出来るように工夫されたトイレ1
穴掘り式ですが、快適に使用出来るように工夫されたトイレ2
シャワーブースも設置してもらいました
キャンプ中の食事も大きな楽しみの一つです
キャンプサイトでおこぼれを狙うイエローマングース
同じくおこぼれに目を光らすキバシコサイチョウ

よくそんなに近い距離で危険はないのですが?というご質問をいただきますが、動物の生態を知り尽くしたガイドが説明してくれる基本的なルールを守っていただければ、過度に心配いただく必要はありません。
多くの動物事故は、人間が彼らの領域に踏み込みすぎたり、基本的なルールを守れない人達によって、引き起こされています。
もちろん、野生動物を相手に絶対はありませんが、彼らのフィールドにお邪魔して、少し観察をさせて貰うという謙虚な気持ちを持っていただければ、きっとより充実したサファリを満喫していただけるものと思います。
より身近に大自然を感じられたい方には、キャンプツアーはお勧めです!
荒木
■ボツワナのツアー一覧はこちら

道祖神