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2018.5.16発 ケニア・タンザニア5大公園 15日間

先日、ケニアとタンザニアの2ケ国に渡って約2週間超という長いサファリ旅行に出かけてきました。国立公園・保護区を全部で計5ケ所。ここ数年はお休みしていた同ツアーだったのですが、現在はタンザニアの入り口キリマンジャロ空港とケニアの玄関ナイロビ空港の両方に飛んでいる飛行機も増えたことから、以前に比べてより効率よく回れるような内容が組めました。サファリの回数はたっぷり15回!東アフリカのサバンナを舞台にしたサファリツアーの決定版ともいえる内容になったと思います。

日本から20時間超、長い旅路をエチオピア航空でやって来ました。
北部タンザニアの街アルーシャで1泊し、早速セレンゲティ国立公園へと向かいます。
長い移動です。お腹が空いてきました。路上の果物屋さん。手前に見えるのは珍しい『赤いバナナ』です。
味は濃厚!アフリカのフルーツはいつも美味しいので、小腹が空いたときにはお勧めです!
セレンゲティに行くためには、ンゴロンゴロ自然保護区を通過します。展望台の上からクレーターを望みます。双眼鏡で遠くにクロサイが見えました!
ンゴロンゴロは緑が豊かで、アスピリアの黄色い花がきれいに咲いています。
ウシ渋滞です。ンゴロンゴロは『保護区』なのでマサイの人達の居住が認められています。
約7時間の移動を経て、やっとセレンゲティに到着!マサイ語で「果てしなく広がる平原」という意味があります。
セレンゲティでは中央部の『セロネラ地区』にあるロッジに宿泊。コピエと呼ばれる岩丘群を利用した造りになっています。
レストラン、BARもうまくコピエと組み合わさっていて雰囲気があります。

セレンゲティ国立公園では、たっぷり3日間、雨季の終わりかけのサファリを楽しみました。もちろん野生動物に会う事も出来ましたが、何より豊かだったのは、雨季のサバンナの瑞々しい美しさです。『雨季』という字は「雨の季節」と書きますが、現地ではこの季節の事を『グリーン・シーズン(=緑の季節)』と呼びます。文字通り、サバンナの緑が本当に濃く、特に早朝のゲームドライブは格別でした。サバンナがまだ朝靄に包まれる夜明け、樹々や草花、シンと張り詰めた空気の息遣いまで聞こえるような静寂の中、焦らず、急がず、騒がず、じっくりと動物との出会いを求めて車を走らせます。

朝の瑞々しい空気の中、キリンも穏やかな顔をしていました。
緑や花がきれいだと、いつも怖い顔のライオンも何だか穏やかそうです。
地面の虫を探して草原の散歩中のヘビクイワシ
草丈が高く、小柄な動物は緑の中に埋もれてしまうのですが、それもまたよし。
食事を終えて満足そうなチーター
セレンゲティの中にある塩湖(マガディ湖)にはフラミンゴの姿も。
だいぶ年老いたバッファロー。群れから離れて一頭で佇んでいました。
カバのけんか。
毎日長時間走り回ってくれたドライバーの2人。ホッと一息食事中。
ライオンの子供たち。お兄ちゃんは小さなタテガミも生やし始めています。
ソーセージツリー
近づいてみてみると、ライラックニシブッポソウが休んでいました。緑の季節は鳥がとてもきれいです。
緑が生い茂っていると、森の忍者・ヒョウも姿を隠しやすいようです。見つかってしまいましたが。

毎日お弁当片手にセレンゲティをあちこち走りました。忙しいシーズンの時期に比べるとサファリカーの姿も少ない為か、次から次へと野生動物を追いかけて走る、と言うよりものんびり、じっくり丁寧に動物を観察する場面が多かったように思います。
一つ気になったのは、ヌーとシマウマの大きな群れが、セレンゲティの南の入り口ナービゲからンドゥトゥ地区へと向かっていった事です。もう6月になろうという時期に、まだこんな場所に大きな群れが居るという事は、今年は随分マイグレーションの動きが遅いような気がします。中央部のセロネラ地区も草丈がまだまだ高く生い茂っているという事は、まだそのあたりまでは群れの本隊はやって来ていないのでしょうか。不思議です。
さて、ここから今度はンゴロンゴロ自然保護区へと戻り、今度はクレーターの中へ降りてじっくりとサファリします。

戻ってきましたンゴロンゴロ。相変わらず花がきれいに咲いています。この黄色いアスピリアの花は草食動物も一切食べないそうです。
高低差500mの崖を駆け降りてクレーターの中をドライブ。動物達ものんびりしていて、とても距離が近いのがンゴロンゴロの特徴です。
ホオジロカンムリヅルとイボイノシシ。なにやら内密な話をしています。
シマウマが生き生きと走っていました。緑の季節は草食動物が喜んでいるのが傍目にもよくわかります。
寝起きのジャッカル
遠くの方にクロサイが見えました。ここでは最年長57歳!の雌のサイが保護されています。
ンゴロンゴロでは、あまりたくさんの動物に会う事は出来なかったのですが、美しい景色の中をドライブするのはそれだけで贅沢なひと時でした。

ンゴロンゴロ自然保護区でのサファリを終え、これにてタンザニアでのサファリを終えます。2ケ所の国立公園でたっぷりとサバンナの中での時間を過ごすことが出来ました。
いよいよ北上して国境を越えます。約1週間、お世話になったドライバーさんに別れを告げて2ケ国目のケニアに突入です。

お世話になったドライバーさんともお別れです。また会いましょう!
ケニア側ではサファリカーを乗り換えます。今まで、4名乗りのランドクルーザーを2台だったのですが、6名乗りの1台になります。この車体の長さ!大きさ!
ケニアで最初の国立公園はアンボセリ国立公園。国境のナマンガから程近い場所にあります。
アンボセリと言えばゾウです。
おしっこしています。
そして、やっぱりキリマンジャロ。雨季は冠氷がきれいです。
アンボセリでは、あまり大きな動物には出会えなかったのですが、その代わり、いろんな鳥をたくさん見かけました。African Fish-Eagle, サンショクウミワシ
Little Bee-eater/ヒメハチクイ。空中でミツバチを起用にキャッチして食べていました。
African Hoopoe/アフリカヤツガシラ。「戴勝」と書きます。「勝を戴く」なんて縁起のいい名前ですね。イスラエルの国鳥でもあります。
Yellow-billed Stork/アフリカトキコウ。成鳥はもっと真っ白ですが、幼鳥は灰褐色です。
Red-winged Pratincole/ツバメチドリ。日本や中国にもいますね。東アフリカでは意外とレアモノ。
Marsh Sandpiper / コアオアシシギ。泥の近くが好き。分かりにくいですが、脚が黄緑色です。
Black-winged Stilt / セイタカシギ。何だかジェントルメンな佇まいです。
Grey-headed Kingfisher/ハイガシラショウビン。差し色のコバルトブルーがきれいです。ケニアにはカワセミの仲間が15種類いるそうです。
Hamerkop / シュモクドリ。魚を狙っています。
Kori Bustard / アフリカオオノガン。草むらから首だけ。飛べる鳥で一番重い。
Lilac-breasted Roller / ライラックニシブッポウソウ。夕暮れ時で凛々しく見えました。
Helmeted Guineafowl / ホロホロチョウ。スワヒリ語ではカンガと言います。
スズメ…かな。すみません。どなたか教えてください。

ケニアでは王道の3ケ所。アンボセリ国立公園→ナクル湖国立公園→マサイ・マラ国立保護区と回ります。次なるナクル湖では、タンザニアでは遠目にしか見る事の出来なかったサイを狙います。

ナクル湖のシロサイ。意外とあっさり会えました。ナクル湖のシロサイは、ミナミシロサイと言い、かつては20頭ほど迄数が激減しましたが、南アフリカ共和国から移入されてきて繁殖保護され、現在は2万頭まで回復しています。亜種であるキタシロサイは2018年の3月に最後のオスが無くなり、現存するのはメスが2頭のみです。
ナクル湖と言えばロスチャイルドキリン。セレンゲティやマサイ・マラで合えるマサイキリンとは別の種です。ひざ下が白くて靴下を履いているみたいです。
バブーン(ヒヒ)も多くいます。足の匂いを嗅いでいるように見えます。
ナクル湖の後はナイバシャ湖に立ち寄り、ボートサファリ!
アフリカコビトウ。陸では、よたよた歩いていてかわいいのですが、とっても泳ぎが上手いです。
コシベニペリカンです。じーっと魚を狙っているのでしょうか。よく見かけるモモイロペリカンに比べると、小柄で眼の周りの皮膚が地味な色なので見分けやすいです。
サンショクウミワシが魚をキャッチ!鋭い爪です。
カバです。ナイバシャ湖のボートサファリも色々盛沢山でした。
一度大きな幹線道路に戻り、いよいよ最後のマサイ・マラ国立保護区へと向かいます。しかし、すごい荷物です。
マサイ・マラ国立保護区に到着!随分走り抜けてきました。
マサイ・マラではずっと天気が良く、殆ど雨に降られませんでした。ですが、今年2018年は2月~5月まで過去40年間で最大雨量という雨がケニアで降っていました。その為か随分と草丈は高かったです。
小型の動物はやっぱり姿がすぐに隠れてしまいます。
ゾウの赤ちゃんがおっぱいを飲んでいます。授乳している間は他の大人のゾウ達が自然と赤ちゃんの周りを囲うように守ります。ゾウのおっぱいは人間と同じように胸のあたりにあるんですね。
こっちはもう少し大きいお兄さん。元気な盛りで走り回っていました。
マサイ・マラでは様々な『サファリ』が楽しめます。マサイのナチュラリストと一緒にウォーキングサファリ!何かを見つけました。
ライオンの足跡です。宿泊したロッジからそう遠くない場所です。
フンコロガシ!車のサファリでは見逃してしまうような小さな生き物に会えるのがウォーキングの魅力です。
マサイ・マラと言えばやっぱり名物の気球サファリ!いいお値段はしますが、サバンナを空から眺めるなんて一生ものの体験です。
本当に晴天続きでしたので、やっぱりライオンも喉が渇いたのでしょう。
車を走らせていると、狩りを終えたばかりでしょうか。インパラの雌を仕留めたヒョウに遭遇しました。
そのままアカシアの樹の上に運んでいきます。凄いアゴの力です。最終日にして、今回の15日間のハイライトともいえるシーンでした。
そうこうしている間にたくさんの車が集まってきました。これではヒョウも落ち着いて食事が出来なさそうです。気の毒なので、我々はこの辺で退散。
昼寝中です。こういうシーンはこちらもホッとします。
あくび。

タンザニア~ケニアへと全5ケ所の国立公園・保護区を巡る旅もいよいよ終わりです。
サバンナのピーク時期と言われる『乾季』にサファリ経験のある方はお分かりかと思いますが、あの季節の早朝ゲームドライブの出発時は、何十台ものサファリカーが次々に砂煙りを上げながら先を競って走り出し、まるで鉄火場のような迫力があります。あの朝っぱらからの喧騒にガツンと気合が入り、あれはあれで個人的には大好きなのですが、それとはまったく異なる、静かで丁寧なサファリが「緑の季節」のサファリの魅力です。
食動物たちの家族の風景、風にたなびく緑の中で気持ちよさそうに転寝をするライオン、色彩が豊かな草花、また空気が澄んでいる為に鮮やかな色合いを見せてくれる鳥たちの姿も魅力です。『乾季』に比べると出会うことの出来る動物の絶対数が少ない為、一つ一つの出会いを大切に、丁寧に観察する上質なサファリを楽しむことが出来ました。
15日間という長めの日程の為、一年を通して常に企画しているようなツアーではありませんが、サバンナの隠れた魅力に出会えるような季節を厳選して、ピンポイントで募集を続けています。次回はまた11月の秋口や3月の春先など、ピークの時期を外して企画予定です。是非、密かなサバンナの魅力に出会える季節をお楽しみに!

2週間、たっぷりとサバンナを走り回りました。また戻って来ます!

■ケニア・タンザニア 5大公園 15日間

道祖神