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2018.9.7発 ケニア・サファリ・プレミアム 9日間

2018年9月、ケニアの『マサイ・マラ国立保護区』へのサファリツアーへ行って来ました。
おそらくは、アフリカのサファリツアーの中で最も訪問客が多い、まさにサファリの代名詞とも言える場所です。豊富な動物相とその数、サファリと言えばまずはマサイ・マラ。世界中の人が野生動物に会いにやってくる、超が付くほどメジャーな場所です。
弊社も今年で40周年、長い間本当に数多くのお客さんの訪問を受け入れ続けてくれたのが、この『マサイ・マラ国立保護区』です。改めてこのサバンナの深いところまで行ってみたい、そんな風に考えて企画したツアーでした。
まず、簡単にマサイ・マラ国立保護区の紹介。
ケニアの南西部、タンザニアとの国境沿いに位置し、そのままタンザニア側の『セレンゲティ国立公園』へと繋がり、2つの国に跨る巨大な1つの生態系を有しています。その風景は、これこそ『サバンナ』。それほど背丈の高くない草原がどこまでも続く風景の中に、アカシアの樹が点在し、その中で多くの種類の野生動物が生きています。『サファリ』という言葉を耳にして、何となくイメージされる風景そのものと言っていいでしょう。

マサイ・マラの大草原
夕陽に溶けるようなアカシアの樹

ほぼ中心を南北に『マラ川』が流れ、大きく東と西に分かれます。東にはBURUNGAT PLAINSと呼ばれる大平原が広がり、殆ど多くの方がこのエリアでサファリドライブを楽しみます。マラ川を挟んだ西側は、MARA TRIANGLE(マラ・トライアングル)と呼ばれ、北西部分に聳えるオロロロの丘、湿原地帯、草原全体が見渡せる丘陵地帯など、東側に比べてバラエティに富んだ地形になっています。

今回のサファリで訪問したルート地図

今回のサファリツアーでは、まずマサイ・マラの北西部『オロロロの丘』を目指し、そこから西側のトライアングル地区を南下、タンザニアとの国境沿い『サンドリバー地区』を通過し、東側から抜けて行くというルートを取りました。滞在期間は約1週間。マサイ・マラを大きくぐるっと一回りするような内容です。

ナロックの街を通り過ぎてからマサイ・マラ北部に属する幾つかの私営保護区を抜けます。
ENONKISHU保護区~Ol CHORO保護区~LEMEK保護区~MARA NORTH保護区と抜けて行く。この辺りは、人間の居住エリアと混在している為、野生動物がいる環境の中に集落が点在しています。
遠くに聳えるのが最初の目的地『オロロロの丘』
マラ・ノース保護区の中を流れる『マラ川』を渡ります。
ナイロビから6時間走って到着!『マラ・トライアングル』エリアの入り口ゲートです。
バッファローやゾウの骨がいっぱい。

今回のサファリツアーを案内してくれるドライバーは、フリーランスで活躍するアントニーさん。多くの動物写真家たちからの信頼も厚い、経験豊富な腕利きドライバーです。彼が自分自身で整備した、自前の専用サファリカーで全行程を案内してくれました。

サファリドライバーのMr.アントニー
四輪駆動TOYOTAランドクルーザーを改造したサファリカー

早速、西側の『マラ・トライアングル』でサファリドライブ開始。
乾季とはいえ、数日雨も降っていたようで、まだ草丈がまだ高く生い茂り、動物が観察しづらい場面もありましたが、豊富に水を享受していた動物たちは動きも活発で元気な様子でした。

片方の牙だけ立派なお母さんゾウ
長々と観察していたら、子ゾウさんに怒られました。すんません。
早速レアものクロサイにも会えました。
しっとり水分を含んだ草のベッドが気持ちよさそうです。
インパラのハレム(群れ)。
水場に集まるシマウマ
ゾウの家族が散歩
Strangler Figtreeと呼ばれる大きな樹の下で休憩。
キクユ人の間で『Muguru』と呼ばれ、聖なる樹として自然崇拝の対象になっています。
キクユ人であるMrアントニーにとっても大切な樹だそうです。
樹の下でお弁当タイム
お弁当はこんな感じ。お肉、野菜、フルーツとバランスが取れています。
毛並みのきれいなウォーターバック
マサイ・マラに多いトピ。緑が残っていると草食動物が元気です。
1日の終わり。オロロロの丘に夕日が沈んでいきます。

最初の宿泊地は西側に聳える『オロロロの丘』の上にある『キリマ・キャンプ』に宿泊しました。丘の上からマサイ・マラの大草原が見渡せるのが魅力です。この丘にも野生動物がいるため、敷地内でばったりシマウマに出会ったりすることも。

全部で12張り。大きく作られたテント型。
内部はクラシックな雰囲気でシンプルにまとめられています。
テントの奥にあるバスルームはこんな感じ。
ロッジのレセプション(受付)
レストラン、リビングは大きなテントを活用して、広くゆったり作られています。
ロッジからの景色はマサイ・マラが一望できます。
レストラン。ビュッフェ形式ではなく、コース料理です。
メインはお肉や魚、野菜料理から選びます。量も味も◎

この『キリマ・キャンプ』は、国立保護区の外側に位置します。そのため、実はサファリドライブに限らない、自由なサファリが楽しめるのが特徴です。ウォーキングサファリや夜間のナイトサファリドライブ、何より目玉は『乗馬サファリ』です。よく訓練された元競走馬に乗って、馬上から野生動物を観察することが出来ます。

全部で6頭。よく訓練された馬が飼育されています。
実は引退した元競走馬。ナイロビのホースレースで活躍した馬だけあって、みんな立派な体躯です。
いざ出発!
シマウマやキリンを馬上から観察するのはまた違った楽しみ。
熟練のリードライダーが、全体をコントロールしてくれるので安心です。
フレンドリーなキャンプのスタッフたち。お世話になりました!
再び、マサイ・マラへ。途中に、マサイの人達の村も訪問しました。
火起こし
マサイのお母さんたち

『マラ川』を渡って東側へ。そのまま南下して、いよいよマサイ・マラの最深部ともいえるエリア、タンザニアとの国境沿いの『サンドリバー・エリア』へ向かいます。

『マラ川』ヌーの大移動の季節には、『川渡り』が有名です。
現在はサファリカーも安心して渡れる立派な橋が架けられています。
『サンドリバー・エリア』に向かう途中で14頭のライオンのプライド(家族)を発見。
この家族は一頭のオスが率いていました。
と思ったら、「彼女がボスだ。」とドライバーが教えてくれました。確かに一頭だけ身体つきが全く違います。ライオン社会も女性が活躍する時代なんですね。
む、あの背中の模様は!
ヒョウを発見しました。大物ですね。
ちょっと他のサファリカーから離れたところに車を停めて観察。
すると、こっちに向かって真っすぐ歩いてきてくれました。我らがサファリドライバーのMrアントニーのお手柄。抜群のポジション取りです。

『サンドリバー・エリア』は、平原部から奥まったところにあり、1920年代からサファリの拠点として名の知られた場所です。当時はまだ『サファリ』が狩猟であった時代で、その為、灌木のブッシュが多いこのエリアがハンティングに向いていたのでしょう。立て続けに肉食動物2種類に出会ったのも偶然ではないのかもしれません。
実は、平原部に比べると動物との遭遇率はそれほど高くないため、あまり多くの観光客が訪れる場所ではありません。ですが、乾季のこのピークシーズンでもサファリカーの数が少なく、落ち着いてじっくりとサファリが楽しめるのがこのエリア。隠れ家的な魅力を持つその名も『サンドリバー・キャンプ』滞在そのものもお勧めです。

かつてのサファリの拠点『サンドリバー・キャンプ』
ブッシュの中にひっそりと建つ隠れ家といった佇まいです。
ですが、各テントはかなり大きなもので、ゆうに2部屋分以上の広さがあります。
テントの中の家具はクラシックなデザインで統一されています。
大きなバスタブまであります。
お昼ご飯はケニアのローカル料理プレート。ムキモ、カチュンバリ、ピラウ、チャパティといった地元の料理が並びます。
夕食はフルコース。何だかお洒落な前菜です。
メインは3種類ぐらいから選べます。迷います。
デザート!

いよいよ後半戦。サンド・リバーからは、マサイ・マラ東部の平原部分へもアクセスすることが出来、状況に応じて様々な地形でのサファリが楽しめます。
また、こちらはオプショナルの参加となりますが、大草原を味わう醍醐味の一つ『気球サファリ』にも参加できます。

まだ日が昇る前にキャンプを出発。火を入れている気球へと向かいます。
空から眺めるサバンナは格別。
朝焼けに染まる草原を風に乗って進みます。意外にスピードも出ています。
到着後は草原の中で朝食。
シャンパンサービス。

朝食を終えるころ、サファリドライバーに迎えに来てもらい、引き続きサファリドライブを楽しみながら、キャンプへと帰ります。専用のサファリカーでドライブする事の利点は、1回のツアーの中で、日を重ねていく毎に1つのストーリーが出来ることです。後半戦はそれまでに余り見ていなかった動物やシーンを狙っていきました。例えば野生動物の子供たち。

イボイノシシの子供。
セグロジャッカルの子供。
バブーンの子供。
ライオンの子供。
キリンの子供。
トムソンガゼルの子供。
もちろんこの季節はヌーの群れにも会えるのですが、今回は数万頭単位のような大きな群れには会えなかったですね。
雨を追って、マサイ・マラとセレンゲティを行ったり来たり。国境を超えて移動します。
このヌーの群れを追って、肉食動物達も集まってきます。リラックスしながらも獲物を見つめるチーター。
ガブリ。狩りの成功です。
色鮮やかな鳥たちも見逃せません。
サンドリバー・エリアの隠れスポット。サラーの丘です。遥か南のタンザニア方面まで見渡せます。
セレンゲティ国立公園の方には雨が降っています。(写真の右の方)
サバンナに昇る朝日。

1週間じっくりと滞在したマサイ・マラ国立保護区。今までに何度も訪れたことがある場所なのに、全く知らなかった場所や景色がまだまだ数多くあることに気付かされました。ありがたい事に、今までの添乗業務で、いろんな国の素晴らしい国立公園の数々を訪問させていただく機会に恵まれました。ですが、今回は「サファリ」を初めて教わった原点の場所へ帰ってきたような思いです。まだまだ尽きぬ魅力に溢れた場所であることを再確認することが出来ました。
「サファリツアー」が初めての方でも、様々な国立公園でサファリ経験のある方でも、誰もが満足して頂ける場所です。これからも、是非多くの方にマサイ・マラの魅力を知って欲しいと思います。

また来年!

◆ケニア・サファリ・プレミアム~サバンナを駆ける 9日間~
生野

道祖神