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2019.12.27発 タンザニア・キャンプ・セレンゲティ 10日間

2019年末、タンザニア北部にキャンピング・ツアーに行ってきました!

キャンピング・ツアーこそ、まさに『サファリ』の原点。自然の環境の中でテントを張って寝泊まりしながら、野生動物を観察する旅です。快適なロッジに滞在するのも魅力的ですが、サファリの醍醐味を味わうにはキャンプの旅が一番です。キャンプの一番の魅力は、なんといってもアフリカの大自然を身近に感じることが出来るという事。これに尽きます。

風の音、草の匂い、動物の声、満天の星空、野生動物が生きている地平と、今自分が居る場所が地続きで同じ世界であることが、まざまざと体感できます。

なかなか、写真と文章だけでは、そのキャンプの魅力のすべてを伝えるのは難しいかもしれませんが、少しでも感じて頂けたらありがたく思います。

まずは日本からの長距離フライト。エチオピア航空にて、タンザニア北部のキリマンジャロ空港に到着!
その後、アフリカ大陸で5番目に高いメルー山の麓のロッジに宿泊。長旅の疲れを癒します。
翌朝にははっきりとメルー山を見る事が出来ました。高さ4,562メートル。なかなかの迫力です。

サファリの初日、まずはタンザニア北部の要所アルーシャの街にて、キャンプに必要な食料や飲み物などを買い出し。その後、ケニアから続く大地溝帯(グレートリフトバレー)の麓を目指します。まず到着したのは、大地溝帯の断崖の下に位置するムトワンブという小さな街。北のナトロン湖と南のマニャラ湖と2つの湖に挟まれていることから、水源が豊富にあり、農作物の栽培に適した街です。本日はこの街の外れのキャンプ場にテントを張ります。

ムトワンブの街の風景。小さな町ですが、ここはバナナの一大産地として名を馳せています。
名物の赤バナナ。ムトワンブで清算されるバナナには、赤バナナ、黄バナナ、緑バナナと3種類があります。
道端にも、バナナのたたき売り?のおばちゃんたちがズラリと並びます。
せっかくなのでバナナ農園を見学させてもらいました。
みんなでバナナ農園の中を散策。甘い果物用バナナと。甘くない野菜用バナナが栽培されています。
農家のお兄ちゃんがバナナの育て方を解説してくれました。バナナの樹は一生に1回!しか実を付けないそうです。そんなに貴重だったなんて。
隠れた名産品がこちら。MBEGEと呼ばれるバナナ・ビールです。ミレットのポリッジとバナナジュースを混ぜて造るお酒です。味はぼちぼち。

午後は街の南側、マニャラ湖国立公園へと向かいます。大きな湖を中心に周囲に森林が広がります。公園内は湧水が豊富で、森林、草地、湿原などの自然環境も豊かで、隠れた名公園です。木登りライオンが最初に発見されたのは、このマニャラ湖とも言われています。会えるかな…。

まずは公園入口の広場で腹ごしらえ。キャンプツアーの楽しみは何と言っても食事。同行してくれるコックさんたちが、毎回腕によりをかけて、私達の為だけに料理してくれます。
夕暮れ時に臨む雄大なマニャラ湖。合計で400種類を超える鳥類が生息していると言われています。
インパラの家族。ハレムと呼ばれ、立派な角を持つ一匹の雄が多くの雌や子供たちを率います。
バブーンの家族。なごむ風景です。
ムトワンブの街に戻り、テントに荷物を運びます。サファリドライブ中にコックさんが設営してくれていました。
大きなキャンバス地のテントです。中は、大人の男性が経っても十分に余裕のある高さがあります。
テント設営に、毎度の食事にと大活躍してくれるコックさんのコンビ。2人組体制でばっちり旅をサポートしてくれました。

残念ながら、マニャラ湖では木登りライオンには会えませんでしたが、気を取り直して次へと向かいます。大地溝帯の崖を登り、ンゴロンゴロ自然保護区へ。世界で6番目に大きいと言われるカルデラ(火口原)でのクレーター・サファリが有名ですが、それ以外の外輪部にも広大な大地が広がります。『人類発祥の地』と言われるオルドバイ峡谷があるのもここです。この日の目的地はこのンゴロンゴロ自然保護区を抜けたもっと先にある「セレンゲティ国立公園」長い移動の1日です。

ンゴロンゴロの公園入口には50台以上のサファリカーが連なっていました。クリスマス休暇でたくさんの観光客が訪れています。
ゲートをくぐって、いよいよンゴロンゴロへ。
カルデラ(火口原)を見下ろすクレーターも人でいっぱい。また数日後にここに戻ってきます。
本日は移動日。『セレンゲティ国立公園』を目指します。
途中でオルドバイ峡谷を見学。アウストラロピテクス・ボイセイとホモ・ハビリスの化石が発見された場所で『人類発祥の地』とされています。
そして、再び楽しみなのは昼食。味気ないランチボックスとは一味違います。
いただきます!コックが同行するキャンプツアーならではの贅沢な時間です。
走りに走って、ようやくセレンゲティに到着。Serengeti shall never die, 『セレンゲティは滅びず』です。
ンゴロンゴロとセレンゲティの境界線エリアは『ンドゥトゥ』と呼ばれ、背の低い草原と花が咲き乱れます。
雨季の始まりにヌーやシマウマの群れがケニアからやって来ました。これから始まる『大移動』を予感させます。
雨季は草食動物がとても活動的です。嬉しそうなグラントガゼル。
セレンゲティの中央部に着くころには、もはや夕暮れ時。大きなアカシアの樹に何かが居るのを発見。
おお、こんなところに木登りライオン。さっそくマニャラ湖の借り(?)を返しました!
ようやくセレンゲティ国立公園のキャンプサイトに到着しました。キャンプ場とフィールドに境はありません。夜は動物がやってくることも!

セレンゲティ国立公園はタンザニアで、いやアフリカ大陸で最も有名な国立公園と言ってもいいでしょう。マサイの人の言葉で『果てしない平原』という意味の名を持ちます。まさに草の海。四国ぐらいの広さがある国立公園ですが、サファリドライバーに言わせると、そのすべてを見て回るには2ケ月以上かかるそうです。今回キャンピングするのはその中心地のセロネラ・エリア。このセロネラから南の方にかけて大きく広がる大平原地帯を中心に3日間のサファリです。野生動物の生息する大草原の真っ只中に位置する場所にテントを張るという、なんとも言えない贅沢な時間。夜、真っ暗なテントの中で耳を澄ませていると、様々な野生動物の声が聞こえてきます。キャッキャッと甲高いジャッカルの遠吠え、ウヒヒと聞こえるハイエナの高笑いのような声、そしてテントがびりびり震えるようなライオンの咆哮。薄いテントの布の外が、まごう事の無い野生の世界である事を実感します。全身を耳にして野生の声に耳を傾けながら眠りにつく、本当に贅沢で特別な時間です。

雨季は草の背が高いのがちょっと難点。チーターも草の海に隠れてしまいます。
しかし、草食動物たちは活動的。ハーテビーストの家族。
インパラの家族。瑞々しい緑一面の平原の中で、やっぱり嬉しそうです。
草食動物の中のアイドル、ディクディクも飛び跳ねていました。
緑の中でたたずむ若い雄ライオン。年齢を見分けるには、鼻に注目です。まだ鼻先がピンク色だと、ボーイです。
サファリに夢中になっていると、ゾウの家族に囲まれました。
カバものんびり浮かんでいます。
サファリの合間の食事も楽しみ。贅沢なブッシュランチです。
昼間はライオンンものんびりしたもんです。
大自然の営み。静かにこっそり観察していたのですが、見つかってしまいました。
昼過ぎ、キャンプサイトに戻ってきました。テントもすっかりホームです。
落ち着いてキャンプサイトでの囲む食事も楽しみな時間。
晴れた日の午後は、テントにこもって昼寝するのもオツなもんです。
カラっと腫れた午後には、サファリのホコリも洗濯しましょう。
キャンピングの風景。空と大地とテントと…。
なんとコックさんが魚も焼いてくれました。ティラピアの炭火焼き
セレンゲティでお正月を迎えました。大草原の初日の出。
お正月はいつもより気球の数が多かった気がします。
ハネムーン用のハート形気球。ちょっとシュールです。
2020年最初に出会った動物は雄ライオン。金色のタテガミがセレンゲティらしい若獅子です。
朝の新鮮な草を食べるマサイキリン
背中にはウシツツキが止まって、虫をついばんでいました。
セレンゲティでは鳥類もたくさん。ウシハタオリの姿はよく見かけます。
ちょっと遠かったですが、キエリボタンインコ。カラフルで可愛い鳥です。
サバンナを優雅に歩くヘビクイワシ。
こちらも良く見かける鳥ですが、やっぱりきれいです。ライラックニシブッポウソウ。
もちろん、この人も鳥の仲間です。首を長くしてこっちを見ています。ダチョウ。
セレンゲティを後にして、来た道を戻ります。草の海に点在するコピエ(岩山)。セレンゲティらしい景色です。
丸3日間、本当にたくさんのシーンに出会えました。さようならセレンゲティ。

さて、セレンゲティを後にして、最後の訪問地ンゴロンゴロへ自然保護区と再び戻ります。ですが、その前にちょっとだけ“特別な場所”へ寄り道します。雨季のこの時機だけの楽園があります。それはセレンゲティとンゴロンゴロの境界線に広がるエリア『ンドゥトゥ』です。実は今回のセレンゲティでは2種類の動物にだけ全く出会いませんでした。それは、ヌーとシマウマです。はたして、彼らはどこにいるのか?

12~3月の雨期の時期、ヌーとシマウマの大群は、遠く北のケニアからこのンドトゥに向けて長い旅をして戻ってきます。それは、出産そして子育てのために戻ってくるのです。はるか昔、ンゴロンゴロの火山の爆発により大地にミネラルが多く堆積したため、そこに育つ栄養価が高く柔らかい草を食するために戻ってくると言われています。多くの雨が降ったあとの緑鮮やかな大地へ、ヌーとシマウマの群れに出会えるかどうか期待大です。

いました!一面の緑の中に、セレンゲティでは出会わなかったヌーとシマウマがたくさんいます。
あれだけ居なかったシマウマにもたくさん出会います。
せっかくなので、スピードを落としてゆっくりと観察するようにドライブ。
砂地で背中を掻くシマウマ。気持ちよさそうですね。
ヌー渋滞。
ヌーは1km以上先に降っている雨の匂いを嗅ぎつけて移動します。本当にたくさん出会いました。
草原の合間の泥地にまみれて気持ちよさそうなハイエナ。
産まれたばかりの子も元気そうに飛び回っています。
ンゴロンゴロ方面に向かうにつれ、また花がきれいに咲いていました。
相変わらず無表情なヌーですが、どことなく心地よさそうにしています。
ンドゥトゥで大満足のサファリ中もやっぱり道中の食事が楽しみです。
ドライバーさんたちもお疲れ様です!

思わぬサプライズでしたが、狙い通りばっちりンドゥトゥ・エリアでヌーとシマウマの群れを見る事が出来ました。実はお客さんには内緒にしていたのですが、数日前からドライバーさんたちが熱心に情報収集をしてくれていました。「今ンドゥトゥにヌーが来ているぞ。」「いや、それは3日前の情報だ。」「シマウマの群れがナービヒルの丘の上から確認出来た。」「ンドゥトゥ湖付近に2日前から大雨が降り続いているぞ。」「シンバヒルのあたりをチーターの家族が南に移動していった。」「既にンゴロンゴロの北部には第3の群れが来ている。」すれ違う車のドライバーさん同士、色々な情報が飛び交います。私は助手席に座って黙って聞いているだけなのですが、プロの職人の仕事ぶりを見ているようで、こんな時が一番「サファリをしているなあ」とワクワクします。

最後のンゴロンゴロのキャンプ場に到着。サファリカーも随分と走ってきました。
キャンピング泊もいよいよ最後の夜かと思うと名残惜しいです。
最後の夜の宴の後。
この度をサポートしてくれたコックさん、ドライバーさん、皆さんで記念写真。パチリ。
さて、カルデラ(火口原)に500mの崖を降りて最後のクレーター・サファリです。
クレーターの中に様々な野生動物が一緒に生きている。世界でもここだけの特別な場所です。
そして、ンゴロンゴロは野生動物への距離が近いのが特徴です。
飛ぶ鳥の中では最も大きいなアフリカオオノガン。
躍動的なトムソンガゼル。ンゴロンゴロも草が豊富で嬉しそうでした。
食事中は面白い顔です。下あごを左右に動かしてすり潰すようにして食べます。
ゾウの親子。クレーター内のレライの森はゾウ達の家です。
ドライバーもスタッフもお客さんも、皆のチームワークで作り上げるのがキャンピング・サファリ!

雨季の始まりを迎える北部タンザニアの大自然をたっぷりと満喫できた旅でした。キャンピングのいいところは、昼間のサファリと夜のテント生活との間に、境目がない事です。夜にテント越しに聞くライオンの声は、昼間に出会ったあのライオンの声かもしれない。そんな風に、自分もこの野生の世界の一部であることを実感させてくれる、この体験こそがキャンピングの一番の魅力です。次回は、乾季の8月にまた北部タンザニアのキャンピング・ツアーを企画しています。『サファリ』を全身で体感できるチャンスはそうそうありません。是非お待ちしています。

■タンザニア・キャンプ・セレンゲティ 10日間

生野

道祖神