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2019.2.8発 チュニジア ラクダと歩く砂漠旅 10日間

2018-2019シーズンから久々に復活した、「チュニジア ラクダと歩く砂漠旅 10日間」、スペシャル版としてチュニス近郊の観光も加えた、2月8日出発のツアーに同行させていただきました。チュニジアといえば『アラブの春』の口火を切ったジャスミン革命、そしてバルドー博物館のテロ事件等、国内の治安状況が不安定な時期が続いていましたが、2017年末にそろそろ落ち着いてきた、という現地からの情報を得て、やっと今期復活させることができた、道祖神らしい内容のツアーです。

「砂漠の船」とも呼ばれるラクダ、この不思議な家畜とともに砂漠を歩きます
歩くペースは早め、最初は先行するのですが、すぐにラクダに置いて行かれます
午前中に1日の行程の3分の2を歩いてランチ休憩
ランチはサラダ&パン。見た目は普通ですが、抜群に美味しく、大好評でした

内容は至ってシンプル。首都チュニスから、ホメロスの『オデュッセイア』にロートファゴイ(ハス食い人)の島として登場するジェルバ島まで空路で移動し、そこからさらに陸路でチュニジア南部の砂漠観光の拠点の一つドゥーズまで移動、このドゥーズからグラン・エルグ・オリエンタル(東方大砂丘群)の砂漠約100kmを、もう一方の砂漠観光の拠点クサール・ギレンまで、かつてのキャラバンのようにラクダとともに歩き、同じルートでジェルバ島、チュニスと帰路に就く、というもの。

人とともにラクダも休憩をとります
夕方早くキャンプ地に到着、テント設営
テントはワンタッチ式、撤収にコツが要りますが扱いは簡単です

「砂漠を何日間もラクダと歩いて、何が面白いんですか?」と、ネガティブ寄りの質問をいただくこともありますが、実は添乗員として同行した私にもよくわかりません。ただ、旅を終えて帰ってくると、「ああ、面白い旅だったな・・・」とジワーっと実感がわくという、不思議なツアーです。ご参加された皆様も同様にお感じになられたようでした。砂漠とはいえ2月のチュニジアは夕方から朝にかけてかなり冷え込み、日中も気温はさほど上がらず、といっても日差しは強烈で、日焼け止めを塗らないとひどく日に焼けます。砂地は足をとられて歩きにくく、砂が入らないように対策していても、細かい砂が靴の中に入り込み、歩きづらさを倍増させます。それでも、1頭が200kgを超える荷物を背に載せ、文句(を言っている)とも受け取れる鳴き声を上げつつ黙々と歩く砂漠の船ラクダの後をついて一歩一歩、歩みを進めていくと、頭が空っぽになって、青い空と褐色の砂漠と少しだけの緑が目の前に広がり、感じるのは吹き抜けていく風だけ、という何とも言えないシンプルな世界に没頭できます。

ベドウィンパンの調理中
こねたパンを熱した砂の上に広げます
そして、炭をかぶせて待つこと15分で完成
ラクダとともに眺めるサンセット
砂漠でこれほど絵になる動物は他にはいません

1日の行程を終え、テントを張り、ラクダ使い達におこしてもらった火を囲んでシンプルな食事をいただき、温かいお茶をすすった後は、砂漠の男たちの歌声と太鼓の音が鳴り響く、静かな砂漠。見上げれば満天の星。こういうとひどくロマンチックですが、実際そこまで素敵で、格好いいものでもなく、汗まみれ砂まみれ、疲れてくたくたになってぐっすり眠る、という毎日なのですが、砂漠トレッキング最終日に眼前にオアシスと砂丘の風景が広がるさまを見た時の達成感は、この100km歩き通した人でなければ分からないと思います。

草のまばらに生えたエリアの他、もちろん砂丘地帯もあります
砂丘地帯を歩くのはしんどいですが、テンションは上がります
空の蒼と砂のベージュだけの世界
ゴールが近づいてくると、砂漠の一軒家ならぬ、カフェにも出会います
ローマ時代の遺跡が残る、クサール・ギレンが砂漠旅のゴール

最終日に復路のジェルバ島からチュニスへの国内線フライトがキャンセルとなり、南部から首都への長い陸路での移動に急遽差し替え、というアクシデントが発生。特別版ツアーたる所以だった、シディ・ブ・サイドとカルタゴの観光は、簡単に車窓から済ませることになってしまいましたが、思いがけず南部の海・山岳風景から中部の豊かな穀倉地帯を経て、人口密集地の首都チュニスへという、小さい国ながらもはっきりわかる自然環境と人々の暮らしの変化も見ることができました。
2019-2020シーズンも引き続き企画しますので、ちょっと変わった砂漠のツアーに参加してみたい、登山は苦手だけど達成感を味わえるツアーに参加してみたい、そんな方にお勧めのこのツアー。ぜひ参加をご検討ください!
◆チュニジア ラクダと歩く砂漠旅 10日間
羽鳥

道祖神