2019年9月13日出発の「タンザニア・サファリ・ハイライト10日間」に参加された今枝良隆様からのレポートです。
「行ける時がベスト・シーズン」ということで、また、働き方改革関連法のおかげで休暇が取り易くなったので、シルバーウィークを利用して、マニャラ湖、ンゴロンゴロ、セレンゲティー及びタランギレの4つの国立公園でサファリを楽しんできました。「タンザニアはネコ科動物の生息密度が高い」、「ドライバーの腕が良い」、「運が良かった」のか分かりませんが、期待以上に大型ネコ科動物と出会い、大満足のツアーでした。
成田を出発して、ドーハ経由で、キリマンジャロ空港に到着。サファリカーにてアルーシャに移動し、ホテル泊。夕食はコース料理で、家内はビーフ、私は魚をチョイス。魚はテラピアやナイルパーチではなく、鰆だったので少々驚きでした。
朝食後、マニャラ湖国立公園へ向かいました。道路は極めて良好で、日曜日であった(クリスチャンの人が多く教会に行っている)ので、渋滞は全くありませんでした。2時間程でマニャラ湖に到着し、サバンナヒヒの出迎えを受けました。哺乳類はカバ、ゾウ、キリン、シマウマ程度でしたが、鳥類は数・種類共に多く、チェックリストに記載の水鳥に加え、ミナミジサイチョウ、サンコウチョウ、シュモクドリ等が撮影できました。すごい数のフラミンゴがいたのですが、いかんせん非常に遠く、写真に撮ると、ピンクのモヤモヤでした。公園内のロッジで少々遅めの昼食(ビュッフェスタイル)をとった後、ンゴロンゴロに向かいました。ロッジに向かう途中、展望台に寄り、クレーターの様子を見ました。長いレンズを持った外国人が、サイがいるというので、写真を撮りました。拡大してみると、サイと思って見ればサイですが、単なる黒い塊とも言えます。ンゴロンゴロのロッジは野生動物の生息域の中にあり、敷地内にゾウのフンが落ちています。また、部屋のテラスの前の手が届きそうなところにウォーターバックがやってきました。スタッフはフレンドリーで、ハード・ソフト共に最高でした。想像以上に寒く、ロッジにはスチーム・ヒーターがありました。ビュッフェの夕食の後、ロッジが用意してくれた湯たんぽを入れて寝ました。
ンゴロンゴロのクレーターの底に下りて直ぐに、2頭のメスライオン(ドライバーによればシマウマを狙っている)に会いました。次いで、プライド(群れ)を持たない2頭の若オスと、1頭のオス(ボス)に率いられたプライドに遭遇しました。若オスを見つけたボスが早速威嚇に現れました。ボスライオンのタテガミは若オスと違って色が濃く立派です。人馴れしているのか、サファリカーには全然動じません。若オスは群れを乗っ取る気が無く寝ているのを確認したボスはプライドに戻りました。草食動物については、ここでは珍しいとされるエランドを観察できました。鳥類は、ハタオリドリ(ミナミメンガタハタオリドリだと思います)やツキノワテリムクの常連さんに加え、ヤツガシラとシュモクドリの写真を撮影できました。
観光客の弁当を狙うトンビが飛び回るトイレ完備の休憩所で昼食をとりました。トイレは、他の国立公園も同様ですが、水洗で、トイレットペーパー完備でした。昼食後、同じ場所に戻ったところ、満腹のためか、ライオンは寝たままでした。ロッジに戻って休息後、コース料理の夕食(サラダはビュッフェ式)を食べ、湯たんぽを入れて就寝。
オルドバイ渓谷(現地では、マサイ語で野生のサイザル植物を指すオルドパイ(Oldupai)が間違って発音されるようになったとの説明を受けた)にてアウストラロピテクスの復元骨格標本他を見た後、セレンゲティーに向かいました。セレンゲティーの入口にて入園手続き(我々はNaabi Hillにて周辺を見渡した)後、午後のサファリを開始しました。入園後、「ハーテビースト」、「トピ」に次いで、木の下で寝ているメスライオン(至近だが草が邪魔)、小山の上にいる2頭のメスライオン(遠い)、小山の上にいる3頭のメスライオン(やや遠い)に次いで、木の下で寝ているオスライオン(レンズからフレームアウトするくらい近い)に出会いました。その後、本ツアーでは初めてヒョウに遭遇しました。本日のハイライトです。ヒョウが、狩に成功して獲物(ガゼル?)を草むらで引きずっています。なぜか獲物を放してしまったのですが、口の周りの血が生々しいです。木の上に獲物を上げる筈なので待っていましたが、草むらに隠れたままで、根負けして退散しました。ヒョウの次に、生まれて始めて、野生のサーバルキャットに出会いました。ドライバーが見つけたので、どこ(Where)と聞いたら、あそこ(Over there)と答えたのにはまいりましたが、カメラに収めることができました(草に隠れ背中だけです)。「次はチーターを見たい」とドライバーに話しました。どうなることでしょうか。本日から同じロッジに3連泊です。ロッジにはレインボウアガマがたくさんいました。このトカゲのオスの配色がスパイダーマンそっくりで、出会った外国人観光客が一様に「スパイダーマン」と言っていました。ビュッフェ式の夕食をとった後、就寝。
朝食後、8時にロッジを出発。1時間半位走った後、少々距離がありましたが、2頭のオスに率いられた、数頭の仔ライオンを含む、10頭程度のプライドがゆっくりと移動していく様子をじっくりと観察できました。次に、兄弟と思われる2頭のチーターに出会いました。あまり動かなかったですが、1頭が木にマーキングをしていました。初めてチーターのマーキングを見ました。次に、幸運があり、前日と異なり、サーバルキャットを至近距離で撮影できました(顔が写っていないのは残念至極ですが)。幸運は更に続き、今度は、至近距離でヒョウを見ました。1枚目は我々の前にいる2台のサファリカーの前を横切ったヒョウで、2枚目は同じヒョウが獲物を狙っているシーンです。ヒョウの狩を見るために待機しているサファリカーもたくさんありましたが、我々は別の出会いを求めて移動しました。すると、感動のシーン(チーターの狩)を見る機会に恵まれました。狩は失敗で、ガゼルがターンして逃げたシーンは他のサファリカーの陰になって見えませんでしたが、すごいシーンにめぐり会いました。贅沢な話しですが、息を殺して待つのに疲れました。チーターの狩の手順は以下のとおりです。写真をご覧下さい(一番下の写真に、表紙の写真が続きます)。
ここでランチタイムです。昼食時に、ハイラックスに出会いました。このハイラックス、逃げる気配が全くありませんでした。午後、ライオンに2回会いました。2回目に会ったライオンには調査用の発信機が付いていました。ロッジにてコース料理を食べて就寝。
弁当を持って6時にロッジを出発。日の出と同時頃の時刻に、ガゼルを見つめるチーター(写真)に出会いましたが、やはり待ちきれず、出発。約4時間、他を回って、ライオンを2回見て戻ってくると、チーターが狩に成功して、ガゼルを貪り食っていました。この間、約4時間。狩りをする方も、見る方も忍耐が必要です。
この日も、幸運が続き、以上に続いて、岩の上で休むライオン、岩陰で休むライオン、及び食べ終わったバッファローの横で寝ているライオンと確認・撮影できました。
2時にホテルに戻って遅い昼食。野鳥に興味のない方には申し訳ないのですが、本日は、アボセット(セイタカソリハシシギ)が撮影できました。ある意味一番嬉しかった1枚です。夕食(ビュッフェ式)を食べて、就寝。
セレンゲティーを出発して、タランギレに向かいました。タランギレに到着後、ドライバーから、チェックインするか、サファリに行くか聞かれ、サファリと即答。次いで、何時までサファリをするかと聞かれたので、長時間の運転で疲れているであろうドライバーには申し訳なかったのですが、「日暮れまで」と答えました。最初は、哺乳類はヌー、バッファロー、ゾウ、シマウマ、キリン等の草食動物のみ、鳥類はハゲワシのみでしたが、ライオンもチーターもシッカリと見ることができました。バオバブの木は沢山ありましたが、ボツワナの「ベインズのバオバブ」に相当する様なものは無い様です。
タランギレ宿はシャワーとトイレを備えたテント・ロッジ(ドライバーの言うLuxury Tent)でした。夜間は電気が供給され、また、太陽光電池と蓄電池を備えたライトが常時使用可能でした。ロッジは高台にあり、ワインやウイスキーを飲みながらタランギレの景色と動物を眺められるようになっており、ワインを飲みながら眺めたタランギレの景色は最高でした。ビュッフェスタイルの夕食を取り就寝。一晩中、動物の動く音と、鳴き声が聞こえていました。
予定表にありませんでしたが、好きなものをボックスに入れる方式のランチボックスを持ってロッジを出発。ロッジからゲートまで、残念ながら、猛獣との出会いはありませんでした。土産物店でマサラティーを買い、ザンジバルコーヒー(ジンジャー・コーヒー)を飲んでからキリマンジャロ空港に向かいました。ダルエスサラーム(機内で1時間待機)、ドーハ(乗り継ぎ時間2時間)を経由して、成田に予定通り到着しました。
幸運に恵まれ、非常に楽しい10日間でした。帰国後確認したら、ピンボケもありますが、2,500枚以上写真を撮っていました。次回はタンザニア南部に行こうかとも考えていますが、今回のような幸運は無いのかも・・・・。
拙い文章と写真ですが、私達の感動が伝われば、幸甚です。
最後になりましたが、道祖神のご担当の皆様、現地のドライバーさん、有難うございました。
■タンザニア・サファリ・ハイライト 10日間