サファリには色々なタイプがありますが、宿泊先によって、旅程のみならず、見られる景色や野生動物との距離も大分変わってきます。そして、動物や自然との距離が近く、現地により融け込む事の出来る旅が、キャンピングではないでしょうか。
今回の目的地は、タンザニアの北部サーキット。有名な野生動物保護区が多いエリアですが、それらをマニヤラ湖国立公園、セレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ自然保護区の順で周ります。今回はどんな体験ができるのでしょうか?
サファリ初日、まずはキャンプで必要な物品の買い出しです。といっても、水や食料は事前に準備がしてあるので、個人で必要なお菓子やジュース、炭酸飲料などを買い込みます。アルーシャの街のスーパーで、日数を計算しながらのお買い物です。
買い出しが終わると、意気揚々とサファリに出発です。この日は、まずマニャラ湖国立公園の手前で、昼食前に町の散策に出かけました。ローカルな裏道を歩きながら、畑やバナナ農園、家やお店等を見学します。
午後はマニャラ湖国立公園でサファリです。こちらは大地溝帯にあるマニャラ湖を中心として広がる保護区で、水辺に集まる鳥類やカバ、そして木登りライオンが見られる保護区として名が知られています。今回木登りライオンは見られませんでしたが、湖で水浴びをし、林を闊歩するゾウを間近でたくさん見ることができました。迫力があって、参加者の皆さんも大興奮でした。
宿泊はマニャラ湖と大地溝帯が見渡せる高台のキャンプサイトで。残念ながら、曇り空で綺麗な朝日は見られませんでしたが、それでも、美しい景色を楽しむ事ができました。
今日はマニャラ湖を出発し、ンゴロンゴロ自然保護区経由でセレンゲティ国立公園へ向かいます。ンゴロンゴロは世界遺産にも登録されたタンザニアが世界に誇る保護区で、外輪山から見るクレーターの景色は絶景です。
また、ンゴロンゴロにはマサイの人々も住んでいるので、今日はマサイの村も訪問しました。伝統的なダンスで歓迎を受けます。
ンゴロンゴロを抜け、セレンゲティ国立公園へ入ります。こちらも世界遺産に登録されており、約14,000㎢もの広大な土地が多様な動植物の命を支えています。セレンゲティのゲートには一部歩ける箇所もあり、高台から果てしなく続くサバンナを見ることができます。
また、この時期はヌーの群れがセレンゲティ南部に滞留している時期でもあります。まさに狙い通り、初日からヌーの群れを見ることができました。明日からのサファリでは、もっと大きな大群を目指してサファリを続けます。この日は、ハイエナやダチョウ、ハーテビースト等、その他沢山の動物たちを見ることができました。
セレンゲティでは沢山の動物を見ることができました。今回のサファリで一番たくさん出会った大物は百獣の王ライオンかもしれません。岩山で休むファミリー、ハンティングしたシマウマを食すオス、昼寝をするメス、木陰から父親を追って飛び出して来た子ライオン等。さらには、ヌーの子どもを狙う2頭のメスライオンまで。ヌーの子どもは何とか逃げ延び、走り去っていきました。
水場にはカバやクロコダイルが暮らし、そして沢山の動物達が水を飲みにやってきます。やはりこの時期だけあって、水場の周辺では、ヌーやシマウマの大群を見ることができました。さらに今回のサファリでは、セレンゲティでは観察が難しい、クロサイとの遭遇もありました。動物を探してゲームドライブしていると、ガイドが木陰で休む大きな影を偶然発見したのでした。
また、もちろん、見られるのは大型の哺乳類だけではありません。美しい鳥類や猛禽類、小型の哺乳類なども数多く見られました。
宿泊はセレンゲティのキャンプサイトで。草原の中に陣を張ります。日中時間があるときなど、サバンナや空を見ているだけで、心がスッキリしてくる気がします。
セレンゲティでのエキサイティングなサファリを終え、ンゴロンゴロへ戻ってきました。途中、人類の祖先とされるアウストラロピテクスの骨が発掘されたことで有名なオルドヴァイ渓谷を訪問します。絶景を楽しみつつ、博物館で人類の歴史にも触れることができます。
この日泊まるキャンプサイトはンゴロンゴロクレーターの外輪山の上に位置しています。涼しく、景色もよく、のんびりした滞在が楽しめました。また、公共のキャンプサイトではあるものの、ホットシャワーもあり、身も心もさっぱりです。
今日は、世界自然遺産ンゴロンゴロのクレーターでのサファリです。クレーターの壮観な景色を眼下に、クレーター内部へ向かう急な坂をサファリカーで下っていきます。
クレーターを降りると、湖には沢山のフラミンゴが。さらに、カバが水から上がって食事をしており、全身を写真に収めることができました。周辺ではカンムリヅル、シュモクドリ、バッファローに乗るアマサギ、魚を採るアフリカトキコウ、アカハシコガモなど、沢山の鳥類を見ることもできました。
サファリの途中の休憩は、ピクニック・サイトで。クレーター内部には、ロケーション毎に違った景色を持つピクニック・サイトがいくつかあります。今回立ち寄った所には、シマウマ柄の喫茶車両・通称ゼブラ・カーがいたので、大自然の中で野生動物を前に美味しいコーヒーを頂くこともできました。
サファリを終了し、この日はンゴロンゴロの麓の町カラツにあるロッジに泊まりました。これまでのキャンピングとは打って変わって、広いコテージタイプのお部屋での滞在です。バルコニーもあり、プールもあり、コーヒー農園もあり、宿泊者は贅沢な時間を過ごせます。
大自然でのキャンピングを中心に、野生動物サファリのみならず、ローカルなエリアでの村歩きも満喫した今回の旅。ロッジ滞在型の旅行とはまた違った楽しみがあります。次のご旅行には是非、キャンピングもご検討いただけたらと思います。
石原