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2024.04.26発 ボツワナ・キャンプ チョベ国立公園徹底 11日間

そろそろ1年近くが経ってしまいましたが、2025年版の同ツアーへの出発を間近に控え、ツアーの細部の確認作業を行っており、昨年の同ツアーについても再検討していましたので、遅ればせながら改めてレポート的なものを書かせていただきました。
ツアーの進行・詳細については、ありがたいことに6名様のご参加者のうち3名様と一組の方々がレポートを書いてくださったため、そちらをご参考いただくとして、今回は企画担当者兼添乗員の目線でこのツアーの内容をご案内するとともに振り返ってみたいと思います。

朝イチでライオンの兄弟に遭遇、幸先の良いスタート
じゃれ合うジャッカルの兄弟
夜通し活動していたのかお疲れの様子のハイエナ
夜は安全な中州で草をはみつつ過ごし、朝を迎えて岸に戻るバッファローの群れ
何やら小さな獲物を捕らえた様子のシママングース

現在の弊社のボツワナキャンプツアーシリーズは、①ゴールデンウィークのチョベ国立公園のみを(といっても広大な公園ですので、異なる3つのエリアでサファリを行います)訪問するもの、②夏の定番としてオカバンゴ・デルタ東部のモレミ野生動物保護区クワイ地区からチョベ国立公園を南北に縦断するように北上しつつ3か所に滞在してサファリをするもの、③北東端のカサネを起点に、ントウェトウェ・パン、クブ・アイランド、ナイ・パン国立公園、セントラル・カラハリ野生動物保護区、モレミ野生動物保護区クワイ地区、チョベ国立公園南部のサブティ地区、そしてチョベ川に面したリバーフロント地区と、時計回りの円を描くように周遊するサファリ+αの内容で長期のもの、④9月のモレミ野生動物保護区のみに滞在(同じくモレミ内で3カ所の異なるエリアを訪問&サファリ)するもの、そして⑤年末年始のボツワナ南西部カラハリ・トランスフロンティア公園を横断し、南アフリカに抜けるルートをたどりながらサファリをするもの、の計5種類を年間計画として企画・実施していますが、やっとこの形に整ったのは今年2025年でして、2024年に企画・催行したこのツアーはまだ実験段階に近い(といっても質の高いサファリが可能なのはわかっていましたが)ものでした。

朝日を浴びてリラックスの様子のチャクマヒヒ
サファリのメインエリアから遠く離れた水場で遭遇したライオンのプライド
朝はハゲワシたちものんびりしたご様子
群れの中まで連れ立って給水中のゾウたち
夕日がホコリでかすむ中移動するバッファロー、チョベの川沿いらしい光景です

オカバンゴやチョベの南部は、ロッジの宿泊費が全般的に高価なうえ、主要空港とロッジ間、及びロッジ間の移動は、基本的にはコストがかさみがちなセミチャーターのようなセスナ機を使っての空路が主となるため、ここを訪問先としたサファリツアーをロッジ泊の内容で企画しますとかなり高価なものとなり、添乗員同行であれば添乗員の宿泊費等の経費も相当なものとなります。加えて各ロッジの部屋数がどこも少なく、団体のツアーを行うには事前に部屋をツアー用に押さえておく必要がありますが、予約の段階で必要となる予約金は多くの場合、キャンセルしても返金されませんので、旅行会社としてはリスクが大きく、今では完全に個人手配向きとなってしまっています。変わらずグループでのツアーという形を維持しつつ、コストを抑えるため、というだけの理由ではありませんが(もちろん、ボツワナの手つかずの自然の中でのキャンプ自体がかなり素晴らしい体験だという面もあります)、弊社の場合ボツワナでキャンプツアーを企画する際は、移動式のテント泊(いわゆるモバイル・キャンプ)スタイルのものを昔から企画・販売してきました。

体を横たえて水浴び中だったゾウ
サブティに移動すると、チョベの川沿いではあまり見かけない種との遭遇も増えてきます
サブティエリアの王のうちの1頭、迫力があります
周囲ににらみを利かせつつ給水中
あちこち走り回ってやっと見つけたチーター
体を横たえていた樹上から降り、堂々とゆったりと歩いてゆくヒョウ
捕食者の気配を感じないのか、リラックスモードのシマウマの群れ
アフリカに生息する猛禽中最大級の大きさを誇るゴマバラワシ
クドゥの良く動く大きな耳からは警戒心の強さがうかがえます
親子を中心とした群れで移動中のキリン

ロッジ泊、テント泊、それぞれに短所・長所はありますが、テント泊は全体的に不便だということは間違いありません。サファリ中に誇りを浴びたからといってお湯をジャバジャバ出して1日に2回も3回もシャワーを浴びることはできませんし、衣類も汚れやすいうえに水が貴重なためそうそう洗濯もできません。トイレやシャワーの設備もありませんので、自ら持ち込んで設置する必要があります。もちろんプライベートではなく共同です。プライベート空間はロッジの広い部屋内とは比較にならない狭いテント内ですし、寝床はふかふかのベッドではなく、簡易ベッド(コット)に寝袋を広げただけのシンプルなものです。お荷物もキャンプサイトは土の地面ですので、転がしにくいキャスター付きのバッグは不便ですし、移動の際は荷物をサファリカーの屋根上に収納しますので、ハードケースは破損しやすくご遠慮いただいているほか、荷物が大きいと積み下ろしやテントまでの運搬も大変ですので、できるだけコンパクトにまとめていただくようお願いしています。料理もコックさん一人で調理していますので、品数は多くなく、盛り付けや彩にこだわる余裕はありません。こう挙げますと、やはりキャンプでテント泊は不便です。
ですが、キャンプサイトは野生動物たちが暮らすフィールドのど真ん中、いつでも、どこでも野生動物や野鳥に遭遇するチャンスがあり、24時間常にサファリをしている状態といっても過言ではありません。「五感すべてでボツワナの自然を体感できる」とでも言いましょうか。夕食時にダイニングテーブルの上に枝を伸ばす木の上にフクロウがやってくることもありますし、皆さんがテントに入って寝静まった夜間には、昼間は滅多に見る音ができない夜行性の動物たちも頻繁にキャンプにやってきます。音の情報量が減る真夜中には、響き渡るオスライオンの咆哮、オスヒョウの咆え声や足音もよく聞きますし(ガイドはこの声が聞こえてくる方向・エリアを覚えておいて、残された足跡の情報と合わせて動きを読み、朝一のサファリはそちら方面から探しはじめます)、リカオンの群れが獲物を追いかけるバタバタという足音を聞くこともあるでしょう。加えて、毎回焚火の炎を巧みに使って調理するコックさんの料理は、安定しにくい焚火を使っているとは思えないほど手際よく、味もよく、そして常に温かい料理が食べられます。また、調理場がどこから見ても丸見えのため、屋外ですが実は衛生管理がしやすいということもあります。
今回のツアーも今まで同様に、未明のキャンプサイトで近くに聞こえたバタバタという狩りをイメージさせる足音を聞き、それを追跡してリカオンの群れにも出会えましたし、キャンプの夜には珍しくヤマアラシもサイトを訪れました。

こちらも探しまくってやっと見つけたリカオンのパック(群れ)
未明にとらえた獲物で食事中でした
21時頃サブティのキャンプに訪れたヤマアラシ
ノガツァへの移動中、遭遇する動物は多くありませんが水場には多くのゾウが
夜の焚火はキャンプの必須アイテムです
サファリの最後を締めくくるチョベ川でのボートサファリ。水に目が癒されます。
小魚を捕らえて食事中のアフリカヘビウ
モノトーンの渋い色合いですが、冠羽が美しいヒメヤマセミ
陸上で草をはむカバには、おこぼれにあずかろうと常に数種の鳥がついて回ります
母親が先導して渡渉中のゾウ
今日もいつもと変わらず、チョベ川の向こうに夕日が沈んでいきます

キャンプに全く抵抗のない方、キャンプはどうしても嫌だという方、などなど感覚やお考え・お好みは人それぞれだと思いますが、「やったことないけど挑戦してみたい」というお気持ちがある方で、「意外と神経は太い方」、「自然や野生動物が大好き」という方は、こちらのゴールデンウィークのツアーだけ留まらず、ボツワナのキャンプツアーへのご参加を是非思い切ってチャレンジしてみていただきたいと思います。

■ボツワナ・キャンプ チョベ国立公園徹底 11日間

道祖神