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ルワンダ旅行記「ゴリラトレッキングツアーの模様」

2024年5月24日発の手配旅行でケニアとルワンダに行かれた、モニカ様からのレポートです。

『愛は霧のかなたに』
シガニー・ウィーバーが、マウンテンゴリラの研究保護に半生を捧げた実在の女性動物学者を熱演した映画だ。1988年、米国制作。史実を基に制作されている。私がこの映画を見たのは高校一年生の頃。
ゴリラは絶滅危惧種だ。密猟や、エボラによる大量死などで地球上から野生のゴリラが消えてしまう前に、この目で見ておきたかった。幸い、近年の保護政策が成功し、現在ルワンダ国内では約600頭、今回訪れた自然保護区では300頭まで数を増やしてきた。強力な密猟対策と、GPSによる個体のデータ収集などが要因だ。

今回、2024年6月1日に旅行したルワンダ・ヴォルカン国立公園での、ゴリラトレッキングは8人一組になり、ガイドやポーターなどのスタッフが複数付き、向かう。早朝、トレッキングの出発ベース基地へ着くと、無料カフェがあり、そこでゴリラの解説映像が大型モニターに映し出され、コーヒーなど飲み物も無料で飲むことができる。多くの見学客が世界中からやってくるので、ゴリラのファミリーごとに、複数のグループに分かれ、それぞれ山を登り、生息地を目指す。事前のブリーフィングで私のグループは、アメリカ、ドイツ、南アフリカ共和国、そして日本(私だけ)から来た4か国の「多国籍軍」。HIRWAと名付けられた16頭の群れを割り当てられた。(ここのゴリラ達には皆、群れごとに名前が付けられている)

ゴリラの解説モニター
カフェサービス

トレッキングと書くと、ハイキングのようなイメージを抱かれがちだが、ゴリラの群れにたどり着くには、ぬかるんだ泥のような道を2時間近くかけて登らなければならない。立派な「クライミング」である。参加者一人一人にゴリラの持ち手のある杖を渡され、これが非常に役立った。いや、役だったというより、この杖が無ければ転倒してしまいそうな滑りやすく、歩きにくい道で、きちんとした登山用の靴や、森林のとげのある草木や虫などから身を守るため、夏でも長袖の薄手のジャンパーが必要だ。幸い私が宿泊したロッジでは一日5ドルという格安の料金で、長靴のような靴底が滑りにくい登山用の靴をレンタルしてくれたので、日本からわざわざトレッキングシューズを持参せずとも済んだ。

レンタルしたトレッキング用長靴(右が私)
ゴリラの柄の杖

過酷な登道だが、15分くらい登ったらガイドが5分くらい解説をしてくれて休ませてくれる。これを繰り返すこと約2時間。やっとHIRWAの群れに到着した。いよいよゴリラに接近する直前になると、ガイドが参加者一人一人にマスクを手渡してくれる。これは人からゴリラへのコロナなどの感染予防の為だ。

登り道の途中で説明
感染対策のマスクは必着

群れのボスのシルバーバック(オス)は美味しそうに草を食べていた。しかも1m程の距離まで接近できた。体調は2mはあろうか。赤ちゃんゴリラも3頭くらいいて、木に登ったり降りたり、父親の背中に乗ったり、なんとも愛くるしい。上手にアイコンタクトをとると、好奇心旺盛な赤ちゃんゴリラの方から人間に近寄ってきてボディタッチも可能だという。ただし、ボスのシルバーバックとだけは、目を合わせてはいけないとガイドから注意を受けていた。ボスは群れを外敵から守るため、下手に目を合わせて刺激すると、襲い掛かってくる危険があるからだ。ゴリラの鳴きまね(ウーンウーンというよな低音)を発しながら、できるだけ刺激しないように近づくのがコツだ。さらに、驚くべきことに、ガイドは皆、群れの一頭一頭を把握していて、見て瞬時に、雌雄の区別だけでなく、「Grandmother」「She is oldest」などと年齢まで見分けて説明してくれた。さすがプロフェッショナルは違うと唸らされた。
こうしてゴリラと過ごし写真を撮影すること約30分。自由に昼寝するもの、戯れ合うもの、メスの毛繕いをするオス、自然の中で自由に生きとし生けるものの姿を間近で見学できて、とても癒やされた。

シルバーバックボス
食事風景
HIRWAファミリー
じゃれ合う赤ちゃん
おいしそうに食事する赤ちゃん
オスがメスの毛づくろい
昼寝するゴリラ
昼寝の表情
グランドマザー

日本の旅行会社に事前取材したら、ルワンダのゴリラトレッキングのパーミッション代はコロナ禍前の倍まで値上がり。2024年6月現在、今回のトレッキング料金は1500ドルと高額だ。それでもパーミッションを買うのに苦労するし、値上げをしても訪問客は減らないので、 今後も値上がっていく一方だと予測される。値上がりしたのはルワンダは内戦後からだという。長い間、内戦や、エボラ、コロナ等で行けなかったから、体力的にも行くなら50代前半の今しかなかった。また外貨を落としてあげることは、ルワンダの経済復興にもつながり旅行者にできる支援行為ともなる。結果、はるばる訪れてとても良かったと思えた。
帰りの下り坂では、ガイドが滑りやすい場所では手をつないでくれて転倒しないように親切に助けてくれた。

トレッキングツアーの最後に、チームの女性ガイドが「皆さんの友人や家族にここの魅力を伝えてぜひ来るように勧めてくれ」と英語で呼びかけたので、私は次のように英語で答えた。
「I have promised to post my photos and reports on the internet site of a Japanese travel agency. I am a professional. Many Japanese people will come here after seeing my uploaded photos and reports.」
こう言ったら、チーム全員大拍手(笑)
私は長年、報道記者やカメラマンなどメディア関係の仕事をしているので、インターナショナルなコミュニケーションには慣れていて、人見知りしない性格なのでこの手のツアーには便利なのだ。

大勢のツアー参加を呼びかける女性ガイド

夢を叶える為には、綿密な情報収集の努力、日頃からの体力維持、困難な山道にもくじけない精神力、コミュニケーションに必須な語学力(英語力)、そして日頃、真面目に働いてコツコツお金を貯めることだとつくづく感じた。
皆さんも愛くるしいゴリラ達に出会う旅に一度出かけてみてはいかがか?

道祖神