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2024.09.13発 ボツワナ・キャンプ オカバンゴからチョベへ 11日間

8月前半の同ツアーに引き続き、9月も添乗員として同行させていただきました。コロナ禍後通算11回目のボツワナですが、今回も非常に興味深い野生動物たちとの出会いに恵まれました。もう何度もこのツアーにご参加いただいているリピーターのお客様、非常に旅慣れていて行ったことなかったのでボツワナにという方、アフリカは何度か足を運んでいるけどキャンプは初めてという方、とにかくライオンが好きでたくさんのライオンに出会いたいという方などなど、個性的なお客様に多くご参加いただけるのもこちらのツアーの特徴ですが、一点「野生動物とのいい出会いを楽しみたい」という大目標を皆様共有しているからか、毎回和気あいあいと楽しいキャンプツアーになり、今回も同様でした。

モレミ到着の翌朝、モレミではなくクワイ川の対岸のクワイ・コンセッションで出くわしたリカオンの群れ
少頭数でカカナカ方面に移動中だったらしく、すぐにブッシュに消えてしまいました
ノースゲート付近の平原で出会ったオスライオン、パトロール空けか単独行動中でした
周囲が乾いていくのに反比例して水位の上がるデルタの水路。比較的大型のナイルワニも見られます
サファリカーで渡渉することができないクワイ川支流の対岸で留守番中のリカオンの子供たちとお目付け役のオス
オフロードがOKなコンセッション側で運よくゲームドライブをしていたサファリカーとはこの近さです
幼獣の群れには必ずお目付け役のオスが同行しています
同じ湿地帯に早朝から日没まで留まって草を食んでいた老オスゾウ
水路から水が染み出てできる湿地帯には、ゾウ、バッファロー、リーチュエ、ウォーターバック、リードバックなどたくさんの草食獣が集まっています
ガイドの視点。どこにライオンが潜んでいるか、この視界からわかりますか?
クワイ地区を含モレミでは、完全に夜間行動をする個体が多く、意外に遭遇することが少ないブチハイエナ
チャガシラニシブッポウソウ、同類のド派手なライラックニシブッポウソウの方が目を引きますが、こちらの上品なカラーリングもなかなか。
アップにするとギョロ目がちょっと怖いブロンズトキ
またもや子連れのリカオンの群れに出会う、個体数は着実に増えているのかもしれません
早朝開けた平原で出会った、急ぎ足のオスライオン。他のプライドのテリトリーに侵入してしまい、急ぎ逃げているような足取りでした
タテガミも伸び始め、もうじき群れから追い払われる年頃のオスライオン
どう考えても簡単にアプローチできない距離にいるシマウマを狙ってハンティングアクションを始めた、ちょっと変わったメスのライオン
当然あっという間に気づかれ、狩りは失敗
狩り失敗の後はさっさと木に登って一休み。こういう個性的なキャラクターのメスは将来素晴らしいハンターになることが多いです
ミナミジサイチョウの成鳥
成鳥の後をついて歩く幼鳥期のミナミジサイチョウ
前日同じ湿地で見たオスゾウ達はまだ同じ湿地に留まっていました
キャンプ地に頻繁にあらわれるハシジロコウギョクチョウのメス
水路の水位が上がり、カバも多少居心地がよさそう
エレファントハイウェイを闊歩するオスゾウ
またもやお目付け役と子供のリカオンの群れに遭遇
多少水位が上がって行動範囲が広がりましたが、今年は全体的に水位は低めです
この程度距離があれば少しは安心して眺められます
チョベのリバーフロントから全く水場がないエリアを突っ切ってマバべの水場に向かうバッファローの群れ。なかなか見ない光景です。
草は残っていますがほぼ土漠といっていい土地を土煙を上げて横切っていきます

全体的なサファリの印象として、今回もライオンとの出会いはとにかく多かった気がします。オス、メス、青年期の個体、子供、はては成功しそうにもないハンティングにチャレンジし、ヒョウのように木に登って休んでいた若いメス、ゾウの子供を仕留めた若いオスの3兄弟など、様々なライオンに出会うことができました。その反面、ヒョウは3個体と今回も少々寂しい気はしましたが、観察と撮影がしやすい場所に留まってくれたり、近くを歩いてくれたりしましたので、印象はさほど薄くありません。リカオンもかなりの数と出会いましたが、おそらくチョベ国立公園サブティ地区のリカオンの群れは捕食対象が多いことからしばらくは移動しての暮らしを捨ててしまったかで見られるチャンスが増えたか、あるいは本当に個体数がどんどん回復してきているのかもしれません。昔はここまで比較的簡単に出会えなかった気がします。残念ながら今回もチーターはゼロ。やはりクワイ地区~サブティ~チョベ・リバーフロントでは難しいようです。また、乾季が終わりに近づいた9月後半という時期的なものもあってか、日中の水場に引き寄せられる草食獣も多く、セーブル・アンテロープ、ローン・アンテロープの普段は遭遇率がさほど高くないレイヨウ類も、近くでじっくり観察・撮影させてくれましたし、長年どこに足を伸ばせば見ることができるのだろうと探っていた、広大な土漠を集団で渡って行くゾウやバッファローの群れを今回私自身も初めて見ることができたのは大きな収穫でした。

南側のマバべの水場の最北端。主にオスのゾウたちが泥浴びを楽しんでいます
マバべの水場でたっぷり補給し、ディプレッションの土漠縦断を決行するゾウの群れ
群れは“マトリアーチ”と呼ばれる経験知識記憶ともに豊富で老練なメスに率いられ、こういう時にマトリアーチは実力を発揮します
こちらもおそらく水を求めて南下するセーブルアンテロープの群れ
ディプレッションを縦断すると、サブティの南に位置するマラブー・パンの水場に到達できます
サブティ到着後すぐに出会ったリカオンの群れ、こちらも子連れ
もう少しで狩りに参加できる年齢に達するかというところでしょうか。
こちらも同じく給水中のメスのインパラたち
こちらも同じく給水中のキハシトビ、嘴で掬い上げるように水を飲んでいます
片方は周囲を警戒し、交替で給水していたキリン
草食獣が多く集まる水場の近くには、当然彼らも張り付いています
サファリカーに向かって咆えかけてきた、珍しくアグレッシブなヒョウ
地面に降りた後はさっさとブッシュの中に消えてしまいました
今回も夜になったらキャンプサイトにやってきたアフリカン・シベット。前回と全く同じ個体です。
チョベのリバーフロント地区に到達。リバーフロントといえば、バッファローとゾウの群れ
夜間はナミビア側の草地に滞在し、午後にはボツワナ側に戻ってきます
成獣にとっては日常的な行動でも、幼獣にとっては消耗が激しく、捕食者に狙われることが多いのが上陸後のタイミングです
チョベではごくごく一般的な留鳥のチャガシラショウビン
同じくごく一般的な留鳥のシロビタイハチクイ
おそらく川が干上がって死んでしまったティラピアを捕食するサンショクウミワシ
繁殖に適した環境が減ってしまい、少しずつ数を減らしているアフリカハサミアジサシですが、このカップルは抱卵準備をしているようでした
自分で捕らえたのか、ヨロイナマズらしきものを食べていたチャイロチュウヒワシ
若干羽がピンク色がかってきて、もうすぐ繁殖期のアフリカトキコウ
岸辺で忙しなく動き回るケープイシチドリ
今回も前回と全く同じポイントで見かけたカンムリカワセミ
おそらくまだ生後数か月のナイルワニの幼生
チョベ川では体長最大4.5mほどまで成長します
珍しく多くの車に囲まれていたメスのヒョウ
私たちのキャンプの近くで夜通し咆え続け、朝になったら三兄弟で協力しでコゾウを仕留めていたライオン
どれだけ乾燥してもチョベ川の水位が極端に下がることはありません

「チーターが見られる確率をより上げたい」「オカバンゴ・デルタのイメージにより近い“蛇行した水路”でのボート・サファリを組み込みたい」という2つの理由で、2025年度企画の9月のツアーはよりオカバンゴのモレミ野生動物保護区に集中する内容にマイナーチェンジしますので、モレミのクワイ地区からチョベ国立公園のリバーフロントに抜ける行程のものは8月前半のツアー、及びツアーの後半に同じ行程を組み込んでいる19日間ツアーのみとなります。2025年の雨季はかなりの降雨量があったため、どの程度その雨の影響が植生や野生動物の動きに影響を与えるのか、その点も興味深く見てみたいと思います。

■ボツワナ・キャンプ オカバンゴからチョベへ 11日間

道祖神