4月、マサイ・マラの大地に恵みの雨が降り注ぎます。一般に雨季と呼ばれる時期で、サファリ旅行者には敬遠されがちですが、1日中降り続くことは少なく、基本的にサファリも十二分に楽しめます。むしろ、緑豊かな美しい時期と言えるでしょう。今回は、そんな4月にマサイ・マラでの4連泊。どんな光景が待っているのでしょうか?
今回の旅では、ナイロビ滞在中、ナイロビ国立公園に面したホテルに宿泊します。客室から双眼鏡を使ってキリンも見えたそうで、とてもラッキーな滑り出しです。また、ナイロビからマサイ・マラへの移動も、今回はサファリカーではなく、軽飛行機を使って行います。果てしなく広がるサバンナを眼下に移動し、さらに経由する飛行場ではシマウマやヌーを見ることができ、参加者の皆さんの期待は高まるばかりです。
マサイ・マラの飛行場に到着すると、サファリカーがお出迎え。サファリロッジに向かうまで、ゲームドライブをしながらの移動です。昨日ライオンがいたというエリアを通りますが、何も見つからず。さすがにそう簡単には行かないよな、と思っていた矢先、なんとチーターを発見。しかも食事中で、イボイノシシの頭にかぶりついていました。暫く目と鼻の先でチーターを観察し、その場を離れます。
午後のサファリを始めて間もなく、シママングースやコビトマングースを発見。その後、インパラ等の草食動物が続き、シャッターチャンスに事欠きません。すると、なんと今度は先程とは別の3頭のチーターと遭遇。ブッシュの中に一度は消えて行ってしまいましたが、方角を読んで先回りすることで待ち伏せに成功し、至近距離で撮影ができました。さらに、極めつけはライオンです。10頭以上のライオンの群れを、近くから見ることができました。終盤にはオスライオンも登場し、初日から大成功です。
サファリの楽しみの一つがサファリロッジです。ロッジのタイプ、立地、環境等で、滞在中の景色や体験は随分変わったものになります。今回は、川に面したテント型ロッジでの宿泊です。フェンスで囲まれている訳ではないので、野生動物の訪問もあります。大自然の中でリラックスしつつ、ワクワクするようなロッジ滞在となりました。
この日は早朝から、現地オプションのバルーンサファリと通常のゲームドライブに分かれてサファリに出発。どちらも、朝日と共にサファリに出発です。そして、この日は朝から、サバンナで起こっている過酷な現実を目の当たりにすることになります。待ち受けていたのは、傷付き動けなくなってしまったバッファローと、そのバッファローを巡って争う1頭のオスのライオンとハイエナの集団でした。先にバッファローを襲ったのはハイエナの様ですが、オスのライオンがそれを奪う形で、食事を始めました。すると、そこにメスライオンを中心とした、数十頭からなるライオンの群れがやってきました。まず、メス数頭でハイエナを蹴散らします。ハイエナが退散した所で、今度はオスのライオンに襲いかかります。大きなオスでも、複数のメスが相手では太刀打ちできないのか、オスは反撃をしながらも退散しました。そして、最終的に、メスライオンのグループがバッファローを手にしました。
サファリ3日目はサファリカーに昼食を積み込んでのロングサファリ。動物を求めて遠くのエリアを目指します。道中、そそくさとサバンナを駆けていくオオミミギツネを発見。さらにとても見るのが難しいサーバルと遭遇。ネズミのハンティングに夢中だったのか、こちらを気にする様子もなく、目と鼻の先で観察することができました。その他、キリンの子供もすぐ近くから観察。また、途中で立ち寄ったマラ川橋では、カバやクロコダイルを徒歩で見学。サファリカーでのゲームドライブとは一味違った体験を楽しみました。残念ながら、お目当てのヒョウやサイとの遭遇は叶いませんでしたが、まだまだ、明日に期待です。
今日はサファリ最終日。朝食用にお弁当を持って、早朝からサファリに出発です。狙いは何と言ってもヒョウとサイ。他のサファリカーと協力しながら、サバンナを四方八方探して回ります。途中、サイの足跡を発見して追跡しますが、サファリカーでは入り込めないブッシュの奥深くに消えてしまい、あえなく終了。小腹も空いてきたところで、サバンナでのブッシュ朝食です。周囲ではトピが走り回っていました。朝食後は、サバンナを歩くチーターと遭遇。獲物を探して歩き回っている様子でしたが、アプローチできる個体がおらず、諦めてしまいました。
今回のサファリでまだ見られていない動物、サイとヒョウ。あと1回のサファリで2つは難しくても、何とか1つは見せてあげたい。そう思って、サファリまでの時間にガイド達は情報収集に努めます。結果、午前中の目撃情報を元に、ターゲットをヒョウに絞ることにしました。ロッジを出発し、ゲームドライブをしながら目的のエリアに到着します。しかし、ブッシュの中に消えてしまった様で、もうヒョウの姿はありません。ブッシュも広く、どこか遠くに行ってしまった可能性もあります。しかし、そう簡単には諦めません。他のサファリカーと協力し、1頭のヒョウを探します。そして、探索を始めて暫く時間が経ち、もう帰ろうかとサファリカーを進めたその瞬間、一緒に探していた1台から、ヒョウが出たとの無線が入りました。大至急向かうと、本当にヒョウがブッシュを出て歩いているではありませんか。幸運なことに、車の轍に沿う様に歩いていたので、暫く並走しながら、至近距離で観察することができました。実は半ば諦めていたところもあり、本当に驚きでした。ヒョウとの遭遇を満喫した後は、美しい夕日を前に、飲み物を片手にサンダウナーでお祝いです。オレンジ色の太陽が、サバンナに静かに沈んでいきます。今回も本当に素晴らしい体験をすることができました。ありがとう、マサイ・マラ。