アフリカ広しと言えど、地元の人々が日常的に馬と接し、共に生きているという国はそう多くはないかと思います。その一つがエチオピアです。今回の目的地のバレ・マウンテンでは、馬が移動や物資の運搬等で大きな役割を担い、人々の生活に欠かせない存在となっています。そんなバレ・マウンテンで、前半はホース・トレッキングを楽しみ、後半はエチオピアン・ウルフを始めとした野生動物を探して、サファリを行います。
エチオピアの首都、アディスアベバに到着し、早速ホース・トレッキングの出発地となるドドラまで移動します。アディスアベバは渋滞もある大都市ですが、少し離れれば、ゆったりとしたアフリカン・タイムの流れる長閑な風景が広がります。いくつか町を通過しましたが、時には牛の集団に囲まれてしまうことも。アフリカならではのロード・トリップです。
午後遅く、目的地のドドラに到着し、ここからホース・トレッキングに出発。景色の良い田舎道を、時折すれ違う地元の人達と笑顔で挨拶を交わしながら、ゆっくりと進んでいきます。なお、本来は3時間程度の予定でしたが、ドドラへの到着が遅くなったこともあり、この日は1時間程度の軽めのホース・トレッキングとなりました。急な予定変更となり、参加者の方々にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。この場を借りて、改めてお詫び申し上げます。
昨夜は民家の庭先にキャンプを設営させてもらいました。朝から小鳥のさえずりが聞こえ、アフリカ一美しい歌声を持つとガイドが絶賛するネコチメドリや、腹部のオレンジ色が可愛いワキアカオリーブツグミ等、綺麗な鳥が沢山訪問してきました。天気も良く、気持ちの良い朝日を浴びながら朝食を取り、いよいよホース・トレッキングに出発です。
バレの山道を馬にまたがって、少しずつ進んでいきます。道中、綺麗な花をつけたアフリカン・レッドウッド(コソノキ)が数多く見られました。時折、ガイドが現地の文化や自然などを解説してくれます。そして、お昼には、見晴らしの良い所でランチタイム。コックが作ってくれたお弁当をおいしく頂きました。なお、人もそうですが、馬にも休息が必要なので、ところどころに休憩を挟みながら移動していきます。また、場所によっては馬が人を乗せて進めない所もあるので、そういった場合には、お客様にも徒歩で歩いていただきました。午後、標高3,300mもの所にある目的地のキャンプに到着です。やはり朝晩の気温は大分下がり、焚き火にあたって団欒を楽しみました。
朝、周囲の村人が手伝いに来てくれて、こちらのクルーと一緒に、キャンプの撤収作業をすべて行ってくれました。そこで、私たちはガイドと一緒にキャンプサイトの周囲を散策し、地元の人々の信仰の対象になっているという巨木を見学しました。森は深く、神秘的です。
ホース・トレッキングはこの日が最終日。馬にまたがり、昨日とは別の道で山を下っていきます。山間の細い道を進んでいきますが、やはりところどころ、急な下り坂もあり、そんな時は降りて徒歩でのトレッキングを楽しんでいただきました。そしてお昼前、一昨日お世話になった民家に戻ってきました。皆様、大変お疲れ様でした。一息ついて、迎えに来た車両に荷物を積み込んで、次の目的地に出発。ここから後半戦、サファリのスタートです。
午後はバレ・マウンテン国立公園のメイン・エントランスであるディンショにやってきました。お目当ては何と言っても、エチオピアの固有種である大型のアンテロープ、マウンテン・ニャラ。一時はかなり数を減らしてしまいましたが、保護活動が功を奏し、近年順調に個体数を回復させている様です。この日も、最初はイボイノシシやリードバック等と共に、遠目に見られただけでしたが、根気よく探していると、かなりの至近距離で遭遇することもできました。外に向かってねじれた大きな角が美しく、本当に立派です。
この日は車でバレ・マウンテン国立公園の核心エリアに向かいます。4,000mを超える高原地帯にエチオピア固有種を含めた野生動物・野鳥が暮らしています。最高地点はなんと4,377mで、やはり日中でも気温はかなり低いので、防寒着は必須です。到着すると、早速、大きなジャイアントロベリアが目を引きます。さらに車を走らせると、エチオピア固有種であるアビシニアクイナ、イボトキ、アオバコバシガンを見つけることができました。なお、アビシニアとは現在のエチオピア周辺を指す地域名で、エチオピア固有種には、学名を含め、アビシニアを冠するものが数多くあります。
ここでの主役はやはり、「アフリカ最後のオオカミ」と言われるエチオピアン・ウルフでしょう。しかし、そう簡単には登場してくれません。ガイドやドライバーのみならず、旅行者の皆さんも車内から目を光らせます。すると、ガイドが「いた!」という一声。そちらに目を向けると、走り去るオオカミの姿が…。残念ながら、初回は後ろ姿を捉えたのみでした。しかし、以降も何度か遭遇のチャンスがあり、この日は3回、計4頭のエチオピアン・ウルフを見ることができました。
また、サファリの合間にはトレッキングを楽しむこともできました。さらには、休憩がてら、保護区内で働く作業員向けのローカル食堂をぶらっと訪問。エチオピアらしく、コーヒーでおもてなしをしてもらいました。このような行き当たりばったり的な要素も、エチオピアの旅の醍醐味と言えるかもしれません。
この日は、旅のメインの目的地であるバレ・マウンテンを離れ、最後の目的地であるランガノ湖に向かいます。バレを発つ時に少しだけ、保護区に生きる野生動物を見るチャンスがありました。馬や車、徒歩で数日に渡ってこの辺りを旅してきただけあって、名残惜しい別れとなります。
ランガノ湖はアフリカ大地溝帯の裂け目に位置する湖の一つで、長さは18㎞、幅16㎞、最大深度は46mにも達します。湖の色は一見すると茶色く汚れて見えますが、これは豊富なミネラルを含んでいることの証で、豊かな生態系を支えています。今回は湖畔沿いのロッジに宿泊です。滞在時間は短かったのですが、それでも、数多くの鳥たちを見ることができました。また、今回は見られませんでしたが、湖にはカバも住んでいるそうです。
ロッジで朝食後、ランガノ湖を出発です。朝食のレストランでは、ロッジのスタッフがコーヒーセレモニーでコーヒーを振る舞ってくれました。その後、アディスアベバに向かいます。5日ぶりのアディアベバの街は新鮮で、ジャカランダの花が綺麗に咲いていました。レストランでは昼食にエチオピア料理を楽しみ、午後は市内観光に向かいます。
午後の市内観光では、まず、人類の遠い祖先であり、猿人初の全身骨格として有名なルーシーを見に国立博物館へ向かいます。展示も充実していて、人類発祥の地の一つとしてのエチオピアをしっかりと学ぶことができました。その後、地元の工芸品の工房などを巡りつつ、有名なトモカ・コーヒーにも訪問し、本場のコーヒーを楽しんでいただきました。
前述の様に、序盤に日程の変更をすることとなり、参加者の皆様には大変なご迷惑をおかけしてしまいました。改めてお詫び申し上げます。こういったトラブルが悔やまれますが、最終的には、エチオピアの自然、動物、文化、人々との出会いを堪能することのできる旅となったのではないかと思います。反省点を明確にし、今後ともより良いツアー造りに努めて参ります。