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年末スペシャル!エチオピアのクリスマスを訪ねる 11日間

このツアーのハイライトは、毎年1月7日におこなわれるエチオピアのクリスマス・ゲンナを見学することですが、北部エチオピアには世界遺産を初めとする見どころがたくさん。
まず首都から私達が向かったのは、バハル・ダル。青ナイルの源流でもある青ナイルの滝を訪ねました。水力発電所の建設で水量は比較できないほど減っているのは事実ですし、数年前に行った時はがっかりしたものですが、今回、想像していたよりは水の勢いも量もあって、なかなかの迫力でした。

そして古都、ゴンダールへフライト。ゴンダール朝の遺跡、天井いっぱいに描かれた天使が有名なデブレ・ベレハン・セラシエ教会とともに観光客が訪れるのがファラシャ村です。エチオピアのユダヤ教徒のことですが、ほとんどのユダヤ教徒は1980から1990年代にイスラエルに移住したため、この村に残るユダヤ教徒は1人だけと言われているようです。

次に訪れたアクスムで印象深かったのは、1000年前に羊皮に書かれたという聖書。観光客が行くと修道士がさりげなくペラペラとめくってくれるのですが、日本だったら普通は博物館などで厳重に保管されるような代物。エチオピアでは、歴史的な文化財レベルのものが、博物館の床に無造作に置かれていたり、埃をかぶっていたりで、勿体ないなーとおもってしまうのは私だけでしょうか。。。
もうひとつアクスムでの発見はコーヒーを炒るためのフライパン!路上の店で売られていたものですが、「さすがコーヒー原産地」と納得してしまうようなものでした。

そしていよいよクリスマスのセレモニーが行われるラリベラへ。聖地ラリベラには、全国から大勢の巡礼者が訪れるため、教会群の周辺は人、人、人。ちょっと前までは遠くから何週間、何か月掛けて徒歩で来てた信者達。現在は、首都アディスアベバからの巡礼ツアーもあるそうです。通りには、大型バスがズラリと並んでいました。といってもラリベラでは一部の人を除いては、信者は教会の敷地内や周辺に寝泊まりのため、時には教会に入るために、座っている人達の合間をかき分けるようにして進みました。教会見学のあとのほっと一息はコーヒーで。一般家庭で日常にもおこなわれるコーヒー・セレモニーは、日本の茶道と本当によく似ています。

クリスマスのセレモニーは、クリスマス・イブの夜から当日の朝まで厳かに行われます。イブの夜は、多くの信者で、セレモニーの近くに行くことは出来ませんでしたが、当日の朝には、聖職者たちが並び、祈り、歌う姿を見ることが出来ました。前日から祈り続けて疲れているはずの信者達が、信者でもない観光客の私達に座るためのスペースまでつくってくれた、その温かさには心からの感謝です。

ラリベラからは、首都のアディスアベバまで陸路の移動です。旅が始まってからの移動はこれまでフライトでしたが、エチオピアのワイルドな自然は、車で走ると実感できます。全長7000キロのグレートリフトバレーはどこまで走っても果てしなく続き、そして途中行き違うのは、車よりも圧倒的にラクダとロバ。
途中、たまたま立ち寄った村の一軒では、その家の中にもお邪魔させて頂きました。家の中には、家族とともに仔牛がいたのですが、家で飼うのは「動物の吐く息で温かくなるから」だといいます。高地で、時には寒さも厳しい地域での人の暮らしが見えてきました。

世界遺産、クリスマスのセレモニーがハイライトだったツアーですが、終わってみて、一番の印象に残ったのは、エチオピアの人たちの心の温かさや素朴でぬくもりを感じる暮らしでした。エチオピア北部への旅をされるには、観光地まで手頃に飛行機で飛ぶのもいいですが、人々の暮らしぶりや自然を満喫するには絶対的に車で走るのがお勧めです。

紙田

道祖神