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世界遺産にも登録!南部エチオピア 「コンソ」の人々

南部エチオピア、「コンソ」という自らの部族の名前を冠した街を中心に、丘の上方に家を築き、斜面や低地に作った畑を耕し暮らしているコンソの人々。
コンソの村には、歴代の王、ライオン・ゾウなどの大型動物を狩った狩人、敵対する部族との間に起きた戦で活躍した英雄などを象った、「ワカ」という硬い木を彫って作った木像があります。各故人の墓の上に安置されたワカは、死後も静かに村を見守っているかのようです。
コンソの村々がある地域も「コンソの文化的景観」として世界遺産に登録され、以前に比べてはるかに多くの観光客が訪れるようになりました。共同体として完璧に機能している社会でガイドをするのは、村が許可を与えた地元出身のガイドのみ。のはずなのですが、現金収入を求めて自ら観光客に売り込みをかける自称ガイドも増えているそうです。
訪れる人が多くなれば、それなりにトラブルも増えるというわけで、コンソの人々の宗教観を表す拠り所としての「ワカ」も、心ない観光客によって持ち去られてしまったものも少なくないそうです。プリミティブ・アートとしての芸術性も明らかに高いですからね。でも、その土地の人々にとって大切な物は、その土地にあって、その土地で拝見するからこそ価値がある、ということを何故わからないのでしょう?インテリアとして、自宅で眺める「ワカ」ほど、価値のないものはないと思うのですが・・・。

道祖神