タンザニアで今もなお現役で運航している貨客船、リエンバ号。
リエンバ号は、タンザニアの西側に位置するタンガニーカ湖(世界第2位の古代湖かつ、深さ)にて、タンザニアのキゴマ~隣国ザンビアのムプルングを繋いでいます。途中、いくつかの港へ向かいますが、なんとほとんど着岸しません。
人々は湖上の停泊場所へ岸から小舟で近づき、よっこらしょ…!とのんびり乗り移る…のではなく、我先に!と賑やかとのこと。それもそのはず、地元の人々のほとんどが一番安い等のチケットを購入している為、座席と荷物スペースを確保せねばなりません。
タンガニーカ湖はその大きさが琵琶湖の約50倍!
で、目的地まで最長で2泊3日となる船旅ですから、気持ちよく過ごせるスペースは大切ですよね。余裕のある方や旅行者は、個室や相部屋での~んびりと船旅です。
このリエンバ号の面白さは、これだけではありません。
なんとこの船は今年で御年102。
第一次世界大戦以前の1913年に、当時キゴマ地域を治めていたドイツによって建造されました。その後一度分解し、タンザニア東端のダルエスサラーム港へ輸送され、さらに列車でタンガニーカ湖畔の町キゴマまで運ばれ、そして再組立てへ…と、湖上に浮かぶまで大がかり。
当時は船名が異なり、1915年にグラーフ・フォン・ゲッツェンという貨客船として就航。第一次世界大戦中にはイギリス軍との交戦仕様に変更し、砲艦と姿を変えました。
1916年にはキゴマ地域から撤退したドイツ軍によって、この船は湖底に自沈させられましたが、1924年にイギリス軍が引上げ・修理を施し、リエンバ号と改めて運航を再開しました。
また、1935年にC.S.フォスターが発表し、1951年にこの原作を元にハリウッド映画になった「African Queen」ではドイツ砲艦・ルイザのモデルとなりました。その後は数回のオーバーホールや、アメリカ人による大修理を重ねて、現在も現役定期船としてポレポレと湖上を進んでいます。
私にとっては「死ぬまでに乗りたい!タンザニアの船」です(笑)
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