前野ウルド浩太郎/著
光文社新書/2017年5月17日発行

弊社の季刊誌(DO DO WORLD NEWS)5月号でもご紹介させて頂いた1冊です。
すでに9万部以上発行されていて、なかなか強烈なインパクトがある表紙のため、書店で見かけられた方も多いのではないでしょうか。
著者は新進気鋭の若手昆虫学者の前野氏。
内容としては、バッタをこよなく愛する(ただし、極度のバッタアレルギー)研究者の前野氏が、ポスドクとして研究を続けている自身の将来の先行きに不安を覚えて、誰も研究をしていない、サバクトビバッタで大きな成果を挙げて一発逆転を狙うため、そして子どもの頃から長年抱き続けてきた「バッタに食べられる」という夢を叶えるためにアフリカのモーリタニアに旅立ち、現地での研究や生活、そして自身の置かれた状況がありのままに書かれた一冊です。
恐らく研究書にカテゴリーされるこちらの本ですが、
語り口は非常に軽快で読みやすく、ただ、今なおアフリカで大きな問題になっている蝗害(こうがい)の実態も知る事が出来る一冊になっています。
若い研究者の懸命ながらも、現地で度々起こる失敗劇や奮闘劇の有様もとても面白く、同じ様にアフリカでフィールドワークなどで滞在をされた方は共感を覚える方も多いのではないかと思いますし、モーリタニア?サバクトビバッタ?という方でも、楽しく読んで頂けると思います。
by 荒木

道祖神