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かわいい外見と違い気性が荒いミーアキャット

食肉目ジャコウネコ科、体長は約30cm、体重0.6~1kg。南アフリカ、ボツワナ南部、ナミビアなどの半砂漠地帯に生息しているマングースの仲間です。『ライオン・キング』のティモンのモデルになり、BBCのネイチャー・ドキュメンタリー映画『ミーアキャット』でコミカルで愛らしく、家族の結束固い暮らしぶりをご覧になった方も多いかもしれません。最近は日本でもペットとして販売されているとか。

そんな、ファンの多いミーアキャットですが、野生動物ですので本来の姿は当然ワイルド。マングースの仲間は全般的に気性が荒いことで知られていますが、ミーアキャットも例外ではなく、別名「サバンナのギャング」とも。彼らの生息する半砂漠地帯や乾燥地帯には、イメージ通りにサソリや毒ヘビも多く生息していますが、ミーアキャットたちはそれらを主な獲物にしています。特にサソリに対しては優れたハンターで、サソリの強い毒にも免疫を持っているとか。
実はハンターとしての教育は他のどの肉食の獣たちよりも優れていて(というより、人間と同様に段階を経て、計画的に狩りの教育をする哺乳類はミーアキャットだけかもしれない、とも言われているようです)、大人たちが子供たちに狩りの技を「教育」し、短期間でサソリ狩りを習得できるよう、子供の成長とともに難易度の上がる課題を次々と与えていき、一人前のサソリ・ハンターに育てているらしいのです。
まず死んだ獲物を与える、次に毒針などを処理した安全なものを与える、卒業試験としてそのままの獲物を与える(獲物の居場所を示してあげる)。どの子がどの段階まで習得しているは、鳴き声のトーンで判断するそうです。鳴き声は多彩で、獲物によって鳴らす音を変え、仲間とコミュニケーションをと取りながら協力して狩りを行うそうです。当然社会性もあるということですね。
かわいい顔としぐさからは想像もできない奥深いミーアキャットの生態。どんなに小さい生き物でも「生存」と「繁栄」のための武器を磨いているんですね。
ミーアキャット

by 羽鳥
道祖神