すごく個人的なことですが、私の場合「モロッコ」と聞いて思い浮かぶのは、2000年12月末から2001年お正月にかけて、スペインのマドリードからジブラルタル海峡を渡り、モロッコを周遊するバイクツアーに行った時のこと。
スペインの南端、ジブラルタルロックを見ながらアルヘシラスからフェリーに乗り込んだのは良いのですが、強風のため揺れる揺れる…。
我がバイク乗りの皆様と私は酔いませんでしたが(この日はもうバイクに乗らずのホテル泊まりということでビールをガンガン呑み、揺れがどうした?くらいの勢い)、他の観光客は酸っぱい匂いを漂わせて非常に辛そう。
なかなかモロッコに入れませんね(笑)。
その後、フェズから雪の降るアトラス山脈を越え、エルフードに着いたのは夕方になる頃。
サハラの入り口のエルフードまで来ると緑の一杯だった地中海沿岸と景色は一転して茶色がメインの風景に。色は茶色でも緑がかった茶色に黄色っぽい茶色、こげ茶のような色が縞模様のように重なり、また、夕日と相まってとても美しいところ。
当時、酒類は一部の高級ホテルしかない状況でしたので、酒好きの皆さんも禁酒が続き、食欲旺盛になってきました。ん?なんか良い匂いが…おお!ホテル前の屋台に沢山のケバブが炭火でもうもうと焼かれているではないですか。
峠道の休憩スポットや街道沿いの定食屋でも焼いているのは見ていましたが、寒い中を走り続けている時はあまりストップしたり冷やかしたりは面倒になるので、ホテルに着いた途端に食指が動くのです。しばし無言の屋台タイム。
レストランでは毎日数種類のタジンにモロカンサラダ、ケバブにクスクス、ハリラと普段の酒が入る分まで食べるという感じですね。
(現在、お酒等はスーパーや大きいマルシェで購入できます)
この雪のアトラス越え以降は天気も割と良好な日が続き、カスバ街道からマラケシュに向かう再度のアトラス越えは途中で何度もケバブタイムを取れるくらいにリラックスしたツーリングになりました。
後半のお楽しみであるマラケシュのメディナでは、わざと路地で迷ってみたり、フナ広場では屋台をはしごしたのは言うまでもありません。
マラケシュからカサブランカ、ラバトに繋がる高速道路の路肩ではたくさんのアスパラガス売りのおじさんがいたりと豊かな田園風景に癒されながらの走行。
私にとってはのんびりとして豪快な風景、そして温かい人たちの国がモロッコでした。
バイクやレンタカーなど自分で運転してみますと、普段バス等で旅行した時には通過してしまうような場所で止まってみたり、地元商店や定食屋さんに入ってみたりと、かなり地に着いた観光が出来ますので、一度はこのような旅行に行っていただきたいと思います。
また、ここ最近は観光でイスラム諸国を敬遠する方が多くなっていますが、現地の人たちは殆どが訪れる人に寛容で優しい方ですし、ツアーも催行中です。
(チュニジアでの博物館テロは本当に悲しく残念に思います)
またたくさんの方が訪れることを祈って…
by 久世