ナイロビを訪れる旅行者が
まず驚くのは、交通量の多さだ。
空港からホテルまで、1度も渋滞に巻き込まれずに到着したら
それは、とてもラッキーな体験だと言っていい。
旅行者は専用のサファリカーを利用することが多いが、
市内には様々な交通手段が入り乱れて走っている。
そのほんの一部をご紹介します。

ナイロビ名物マタトゥ

ご存知の方も多いでしょう。ナイロビ名物と言えばマタトゥと呼ばれる乗合バス。車種はTOYOTAのハイエースが多く、座席数を増やして定員は14名。全てのマタトゥは白いボディに黄色いラインが入っている。実は10年位前まではこのルールがなく、ナイロビ中を走るマタトゥは思い思いのペイントが施されたカラフルな車だった。地味なカラーリングに統一されてしまったのは少し残念。
運転手と車掌の2人体制で、車掌は車から身を乗り出し、大声で行先を叫ぶ。乗客は、車体の前に表示されている路線番号と、車掌が告げる行先を聞いて乗り込む。「ステージ」と呼ばれる停留所はあるが、運転は非常にフレキシブルで、わりと道のどこでも拾ってくれて、降ろしてくれる。一応、路線番号で走るルートは決まっているが、渋滞ゆえにルートもその場の判断で自在に変更する。路線番号とルートは、ナイロビ市内を文字通り網の目のように走っており、把握するまではさっぱりワケが分からないが、慣れてしまうとこれほど便利なものはない。2~3台のマタトゥを乗り継げば、まずナイロビ市内のどこへでも行ける。値段も初乗り20~30円くらいと安く、市民の生活の足として、無くてはならないものだ。私には違いが分からないが、人々には自分のお気に入りマタトゥというのもあるらしく、マタトゥは公共の交通機関という枠組みを超えて、ナイロビを表現する都市文化の1つとなっている。
しかし、実はマタトゥが真価を発揮するのは日が暮れてから。昼間はポリスの目を気にして大人しく走っているマタトゥも、夜になると姿を変える。車内は怪しい色のブラックライトに照らされ、客席に向けられたスピーカーからは、低音の効いたダンス音楽が大音量で流れ始める。さながら走るナイトクラブ。明らかに嫌そうな顔をして耳を塞ぐおばあちゃん等もたまに見かけるのだが、運転手も車掌ももはやごきげん。爆音を垂れ流しながら、夜のナイロビを走り回っている。夜のマタトゥは運転も荒く、客層もよろしくなかったりするので、移動手段としてはあまりお奨めできない。皆さん、夜はケチらずにタクシーを使いましょう。

マタトゥを使いこなせれば、あなたも立派なナイロビアン。

ワイルドな市バス

マタトゥとは別に、30人以上が乗れる大きな市バスもよく走っている。外見は、日本で走っているようなバスとそう変わらない。値段はマタトゥより少し高いが、車内も清潔だし、スピーカーから大音量が鳴り響くわけでもないので、安心感がある。ところが、運転手の多くはマタトゥ上がり。どうも自分の運転しているバスの車体の大きさを把握していないというか、未だにマタトゥを運転しているようなノリで走る。少しでも渋滞になると、対向車線をよく確認もしないで、反対側の車線に身を乗り出して前の車を追い越しにかかる。平気で歩道に乗り上げ、物凄いスピードと急角度でコーナーを攻める、攻める。よくよく見るとバスの車体の四隅は、擦り傷だらけだ。乗っている分には快適なのだが、普段、自家用車を運転して行動している身としては、マタトゥよりこちらの方が恐ろしい。

今日も市バスは走る走る。猛スピードで。

渋滞知らずのピキピキ

この可愛らしい名前は、バイクタクシーの事。バス停や、ちょっと大きなスーパーの前、大きな交差点など色々なところにバイクに乗った兄ちゃんがたむろしており、初乗り100円くらいで、後部座席に乗せて運んでくれる。バスやマタトゥほどの長距離は走らないが、渋滞も気にせず走れるので、ちょいと近場まで移動する際には便利な乗り物だ。ただ、バイクの運転に関しては無免許も多いそうなので、これもお奨めはできない。もし乗る機会があったら、ドライバーには、決して急がなくていいから安全運転でお願い、と伝えよう。

便利なピキピキ。お願いだから、お客さんにもヘルメットください。

生野

道祖神

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道祖神