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ヌアバレ・ンドキ国立公園(コンゴ共和国)

熱帯雨林が広がるアフリカ大陸中央部に、地上最後の秘境とも呼ばれるヌアバレ・ンドキ国立公園があります。まったく森林開発を受けていない特別な場所として、ユネスコ世界遺産リストに登録されました。

かつて現地の人間でさえ近寄らなかったンドキ“悪霊”の森に行くには、丸木舟でンドキ川を遡らなくてはなりません。


森ではゾウ(マルミミゾウ)が作ったゾウ道を歩かせてもらいます。ゾウは道に生えてきた植物の芽を摘んで整備するので他の動物のケモノ道よりも広くて通りやすいです。夕方はゾウと出くわすといけないのでゾウ道は避けます。

ゾウが森の中に開いたバイと呼ばれる空間は、樹木が生えていないことで草が繁茂し、ゴリラやアカスイギュウ、鳥たちの集まる楽園となります。バイの中心部の池は大きな雄のゾウの特等席です。森の樹木の多くは、その実をゾウが食べて排泄することが、種の発芽の条件になっています。ゾウ道に沿って種子が広く運ばれていきます。

アフリカ中央部の熱帯雨林はゾウの生存によって成立していることになります。そしてこのアマゾンに次ぐ規模の熱帯雨林は、地球の肺と呼ばれるほどの酸素を地球上に供給しており、我々の生存を下支えしています。
横行する象牙の密猟はこの大きな関係性を崩すものですが、密猟を促しているのは日本を含む、消費社会の需要です。
by 有冨
道祖神