アフリカ諸国、どこへ行っても出会えるのがこの「ピリピリ」、唐辛子の事です。
私は中毒者なのでこれがなくては生きていけません。
元々、辛い物が嫌いではなかったのですが、長年のアフリカ通いと4年間のケニア暮らしによって、完全に舌がおかしくなってしまいました。
現地でローカルな食事を食べるときには、真っ先に「ピリピリはないのか?」と追加注文するのがクセづいてしまっています。
「ピリピリ」という単語自体は中~東部アフリカで話されるスワヒリ語で唐辛子のことを指すのですが、なぜかスワヒリ語圏でない西アフリカや南部アフリカでも「ピリピリ」と言えば唐辛子のことで通じます。
潰してペースト状にしたものや、乾燥させて粉末状にしたものや、ソースとして精製したものなど、様々な形状で家庭やローカル食堂のテーブルに並んでいますが、私が一番好きなのは生のピリピリを粗く刻んで、ごはんやおかずにまぶして混ぜる食べ方です。口に含んだ瞬間、舌先が燃え、辛さがダイレクトに脳天まで響きますが、すぐに辛さは去り、その後はほのかな清涼感が残ります。この打ち上げ花火のような感覚が非常にクセになります。
唐辛子の辛さを計測する単位はスコヴィル値といい、日本でなじみのある鷹の爪は約4万~5万スコヴィル、アフリカ諸国のピリピリは、品種や地域によっても差がありますが、おおよそ10~25万スコヴィルと言われています。
この数値は、唐辛子業界の中ではそこまで高い数値ではなく、どちらかというとマイルドな部類です。例えば、よく名の知れたハバネロは約40万スコヴィル、激辛大国として知られる中米のトリニダード・トバゴには120万スコヴィル値以上の強烈な品種がごろごろしています。ですが、ただ暴力的に辛ければいいというわけではなく、個人的にはアフリカの「ピリピリ」が持つ、刺激の後にくるほのかな清涼感こそが肝ではないかと感じています。
辛味の話をしているとつい熱が入ってしまいましたが、ぜひ皆さんもアフリカ旅行の際は現地で「ピリピリ」に挑戦していただければと思います。
by 生野

道祖神