中島らも/1996年5月/集英社
アフリカ書籍と括ると少しジャンルが違うかもしれませんが、お勧めの一冊を。
特に紹介は不要かもしれませんが、世間に(特に関西で)強烈なインパクトを残したままこの世を去ってしまった、不世出のエンターテイナー中島らもさんの小説です。
主人公でアフリカの呪術を専門とする民俗学教授の大生部と、彼の家族や彼を取り巻く人間たちとの冒険ミステリー小説です。
3巻構成になっているのですが、第2巻は、舞台を日本からケニアに移して展開します。
1巻から続くストーリーの面白さは言うまでもないのですが、この巻では、物語の骨子となるアフリカの呪術や民族、風土などについて綿密に調べられていて、かつ、軽妙な主人公教授に、その内容を噛み砕いて代弁させているので、深く解りづらくなりがちなテーマでも、すんなりと物語の舞台に感情移入する事ができます。
らもさんは、この作品のために、実際にケニアへ取材渡航に出掛けておられます。
第2巻の小説中の本文中には、律儀に、主人公ご一行をケニアに手配した旅行会社として、「道祖神」を登場させていただいています。
一度読みだすと止まらない、今でもまだ繰り返し読んでしまう、そんなオススメの一冊です。
まだ読まれた事が無い方は是非!
読んだ事がある方も、「道祖神」を探してもう一度読んでみては、いかがでしょうか?
by 荒木