ラム酒大全: 定番銘柄100本の全知識

著者:日本ラム協会
出版:誠文堂新光社
発行:2017年1月24日
アフリカ関連本、というわけではないのですが、先日刊行された日本で初めてのラム酒のガイドブック、「ラム酒大全」をご紹介します(お酒に全くご興味がない方、申し訳ありません!)。


ラム酒の産地として有名なのは、キューバやマルティニークといったカリブ海の島国や中南米諸国なのですが、味の違いや質の良し悪しはあるものの、原料となるサトウキビの生産地の広がりと同様に、世界中で生産されています。もちろん、いくつかのアフリカ諸国でも。その中で高い評価を得ているのが、モーリシャス、マダガスカル、フランス領レユニオン島のインド洋諸島産のラムなのですが、この本ではその2カ国と1島産の各銘柄も紹介されています。この手の本は、ビール、ウイスキー、ワイン、日本酒、焼酎など様々なものが発行されていますが、ラム酒に関するものは非常に少なく、日本初なのはもちろん、世界でも数種ある程度。著者は日本ラム協会、昨年の9月に行ったモーリシャスとレユニオンへのラム蒸留所訪問ツアーに同行いただいた中山篤志さんが理事を務め、本の中では他の地域のものも含め上記2カ国と1島産のラム酒の解説も執筆されています。酒造りは衣食住と並んでその国の文化の真髄だと思います。世界中で造られているということは、造られている国々それぞれの文化を反映しているということに他ならず、更に「地酒」というレベルを超え、世界で勝負できる洗練度を持たせることに成功した名産品と言えるのではないかと思います。この本を片手に、各国の文化薫る味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか?

実はこの本に掲載するモーリシャス、レユニオンのラム酒造りに関する最新の情報を得る元になった昨年9月のツアーの際、引率いただいたラム協会理事で銀座のBAR「LAMP」オーナーの中山さん、そしてツアー参加者として同行していただいた信濃屋(ワイン&世界の酒と食品を輸入・販売)のバイヤー北梶さんのお2人が、現地の蒸留所でテイティングをして選んだ限定ラムが近々販売される予定です。「ラム酒大全」でも紹介されているモーリシャスのNEW GROVE、レユニオンのSAVANNAの両蒸留所で蒸留・熟成された各ひと樽からのものですが、素晴らしい出来になっているとのこと。どこで飲めるのかご興味がある方は、Facebookを通じてお問い合わせください。


by 羽鳥

道祖神