ヌアバレ・ンドキ国立公園(コンゴ共和国)

熱帯雨林が広がるアフリカ大陸中央部に、地上最後の秘境とも呼ばれるヌアバレ・ンドキ国立公園があります。まったく森林開発を受けていない特別な場所として、ユネスコ世界遺産リストに登録されました。

かつて現地の人間でさえ近寄らなかったンドキ“悪霊”の森に行くには、丸木舟でンドキ川を遡らなくてはなりません。
ヌアバレ・ンドキ
ヌアバレ・ンドキ
森ではゾウ(マルミミゾウ)が作ったゾウ道を歩かせてもらいます。ゾウは道に生えてきた植物の芽を摘んで整備するので他の動物のケモノ道よりも広くて通りやすいです。夕方はゾウと出くわすといけないのでゾウ道は避けます。
ヌアバレ・ンドキ
ゾウが森の中に開いたバイと呼ばれる空間は、樹木が生えていないことで草が繁茂し、ゴリラやアカスイギュウ、鳥たちの集まる楽園となります。バイの中心部の池は大きな雄のゾウの特等席です。森の樹木の多くは、その実をゾウが食べて排泄することが、種の発芽の条件になっています。ゾウ道に沿って種子が広く運ばれていきます。
ヌアバレ・ンドキ
アフリカ中央部の熱帯雨林はゾウの生存によって成立していることになります。そしてこのアマゾンに次ぐ規模の熱帯雨林は、地球の肺と呼ばれるほどの酸素を地球上に供給しており、我々の生存を下支えしています。
横行する象牙の密猟はこの大きな関係性を崩すものですが、密猟を促しているのは日本を含む、消費社会の需要です。
by 有冨

THE ATLAS OF BIRD MIGRATION

フィールドで目にするたくさんの鳥たち。
たくさんいるので、つい種類を見分けることに終始してしまいがちだが、それではそれぞれの個性がつかめず面白みに欠ける。

鳥類の生態は我々二足歩行の生き物から見てとてもユニークだ。
ときに地球規模となる広い行動範囲、磁場や星座、太陽から現在地を知るナビゲーション能力、天気の変化や大気の動きに適応する知恵、飛び方の個性、生存戦略の個性、、知れば知るほど、その多様性と我々にはない能力に感心させられる。
アフリカの鳥を知るにはまず図鑑を手に入れることになり、現地の本屋に行けば簡単に手に入る。図鑑には鳥の生態について細かく記述されているが、なにせ文字ばかりで根気を求められるのでビギナーにはつらい。
そこでご紹介したいのが、RANDOM HOUSE社の『ATLAS OF BIRD MIGRATION』だ。
生態についての図説、種別の渡りの図説、とにかく図が多くてよく分かる。いつも見かけるあの鳥はどこにいったのだろう、という素朴な疑問が“渡り”という概念になってからまだ1世紀ほど経ったばかりだが、鳥の足に標識をつけて放鳥し回収するという地道な調査の集大成とも言える図を見ているだけで満足感を得られるばずだ。
by 有冨

コーラ・ナッツ

サヘル地域の旅に欠かせない特別なアイテムといえば、そう、コーラ・ナッツだ。
マリやブルキナファソの都市部のマーケットに行くと必ず売っていて、田舎のほうに行く際はとりあえず2~30個くらいは買いためておきたい。

世話になる村の村長や、一晩の宿を借りる家の主人に、挨拶代りの品として重宝する。その辺のしかめっ面した爺さんを笑顔にするのにも効果的だ。
コーラ・ナッツはカフェインを含んだ嗜好品。煙草を分け合うのに似て、分かりやすい共感が言葉のいらない仲間作りに役に立つというわけだ。
コーラの木は乾燥したサヘル地域ではなく熱帯雨林に育つ。嗜好品に厳しいイスラム社会において特別に許された興奮剤だという事情があり、わざわざ遠くから流通してくる。古くはサハラ交易でも取引されていたものだ。
炭酸飲料のコーラはコーラ・ナッツのエキスを使用していたことからその名前がついたのだが、いまはエキスを使わずに作られているのが残念だ。
by 有冨

映画『ギターマダガスカル』の公開決定!

映画の冒頭、明るい洋上に浮かぶ小さな丸木舟の上、漁師が漁の不作を「なんとかなるさ」と朗らかに歌う。風の音と、手作りギターの素朴な音、伸び伸びした歌声、心地のいいのどかな世界にいざなわれる。。
映画『ギターマダガスカル』はマダガスカルのミュージックシーンに焦点をあてたロードムービーです。
テレビやラジオでよく耳にする商業ベースの音楽にはない、手作りの音楽を手作りの楽器で楽しんでいる、そんな音楽の本来の情景がちりばめられています。
映画『チャンドマニ~モンゴル・ホーミーの源流へ~』で脚光を浴びた亀井岳監督の第二作目。

公式サイト http://www.guitarmadagascar.com/
上映情報
東京:新宿K’s cinemaの公開日は6月20日(土)http://www.ks-cinema.com/
大阪:第七藝術劇場にて公開予定 日時は未定 http://www.nanagei.com/
by 有冨

アフリカの水

特に水に詳しいわけではないが、興味はある。
アフリカで池や川を見るとまず“飲めるだろうか”と考えてしまう。
日本では山の湧水や川の源流部の水を思い浮かべるが、地表に長時間さらされている水となるとなにかしらの汚れを想像し躊躇する。

アフリカの川はご存じの通り日本のように無数にある訳ではなく、川というより河なのだが、湧水や源流部は限られている。ではどんな時に“飲めるだろうか”と考えるかと言うと、人が生活していない緑の豊かな水域を訪れた時だ。
例えば、東京ドーム3,800個分くらいの広がりをもつ湿地帯のオカバンゴであったり、コンゴの熱帯雨林に流れる支流であったり、山岳地帯の池塘群などになるが、いずれも長く地表で大気に接しているものだ。これらは現地の人が飲めるという通りに飲める。
共通して黄色、茶色がかった透明で、これは植物のタンニンが溶けだしている為だ。つまりお茶みたいなもので、甘みがあって美味しい。
人的な汚れがなく、動植物の有機物が微生物に分解される環境のバランスがある。
人が生活し、水道や井戸のインフラがないエリアでは、現地の人が飲んでいても慎重を要する。酸性土壌のたまり水などを常飲しているサバンナの放牧民などを見ると、到底真似できないと思う。
ウソかホントか、我々がこれらの水を飲むとお腹を下すことに反して、彼らはミネラルウォーターを飲むとお腹を下すという話がある。
我々のお腹が、良いか悪いかではなく、慣れたものか不慣れなものかを判別しているのだとしたら、例え現地でお腹を壊してもそれが悪いものだとは限らないのかもしれない。
by 有冨