著者Rita van Dyk
出版:Struik Lifestyle (Random House Struik)
この本は、料理レシピ本です。ターゲットにしているのは、主にセルフドライブ(キャンプ道具付きの四駆レンタカー等、車を自分で運転すること)で特に南部アフリカ諸国、その中でも特にナミビアと南アフリカを旅する方々。南部アフリカのスーパー等で一般的に売られている普通の食材を使い、キャンプ用のシンプルなコンロを使って、野外で美味しく作れる料理のレシピが集められています。
私自身、アフリカでガイド兼ドライバーとして働いていた時に、この本の前身の「The 4 x 4 Cookbook」を手に入れ、料理のレベルが格段にアップし、頭を悩ませることもほとんどなくなりました。何しろ、欧米人相手のサファリは短くても20日間程度あり、その間のキャンプ泊で毎日・毎食違った、味の良い、ヘルシーな料理を出すのは至難の業、しかもキャンプの旅では手に入る食材も、調理器具も、キッチンのファシリティーも、非常に限られています。そういった状況の中でお客様にどんな料理を出すか、どう作ったら良いか、この本はほぼすべてを解決してくれます。しかも、この新装版は「アフリカのブッシュを舞台にキャンプで旅をしよう!」という方向けに、計画、準備、そしてリマインドのためのリストまで加わって、初心者が初めてのセルフドライブのキャンプ旅を実現・成功させるためのアドバイスに満ちています。
掲載されているレシピは特に準備・調理がシンプルな180種類。朝食や前菜から、野外での美味しいパンの焼き方やデザートの作り方、豪華なディナーまで、しかもそれら全てが焚き火でも調理可能なものとなっています。内容は全て英文ですが、食材の名前や分量、調理の仕方などは簡単に書かれ、イラストや写真付きでわかりやすく紹介されています。この本に掲載されているのは、欧米スタイルの料理がほとんどですので、これに加えてローカル料理のレシピを2・3覚えておけば鬼に金棒です。ローカル料理であれば、地元の人が暮らしていさえすればどこでも食材は手に入ります。
「アフリカで、自分でレンタカーにキャンプ道具を積んでサファリなんてとんでもない!」と思っている方、この本を紹介するに際して私もそれは想定しておらず、国内のオートキャンプの際などに活かしていただくと良いのではないかと思います。数は少なくなりましたが、国内でも直火OKのキャンプ場はまだまだあり、火をおこしてディレクターズ・チェアをセッティングし、少しだけ気合を入れたアフリカ仕込みの料理にチャレンジしてみれば、日本でもアフリカのブッシュにいるときのような気分が味わえるに違いありません。欲を言えば・・・アフリカのお酒なんてものが手元にあると、最高なんですけどね。
東京本社:羽鳥