初心者がゼロから始める登山 キリマンジャロへの道 Lesson 3 登山の第一歩 ~里山歩きと低山ハイク~

去る3月24日に「登山・トレッキング講習会」の第1回机上講習会を開催しました。多くの皆様にご参加いただき、スタートとしてはこれ以上望めないくらいの大盛況となりました。内容は、登山の概要から始まり、装備、服装、山での歩き方、山の危険・遭難、山でのマナー、観天望気など、基本知識をひと通りご説明しましたが、詰め込み型の講習会だったことは否めません。ご参加いただいた皆様には、知識という肉に血を通わせるため、実地講習会へのご参加も含めてどんどん山へ足を運んでいただきたいところです。

週末登山

講習会でもお話ししましたが、登山の第一歩は短時間、または日帰りの『里山歩き』や『低山ハイク』から始まります。気持ちの良い田舎道や、寺社巡りなどもこの部類に入り、1日の行動時間が4時間以内、標高差が700m以内、というのが低山ハイクの一つの基準です。
最近は、いわゆる「パワースポット」ブームもあり、東京近郊では高尾山や御岳、三峯山、筑波山などが若い女性に大変人気がありますが、山岳信仰が盛んだった日本では、有名な神社のある山だけではなく、全ての山に神が鎮座し、全ての山がパワースポットだと言っても過言ではありません。先に挙げた4つの山には全て神社があり、ロープウェー等を使って気軽に登ることができます。これらの非常によく整備された登山道を歩く際には、必ずしも登山靴やトレッキングシューズが必要というわけではなく、日常の延長という感覚で初歩の山歩きを楽しめます。とはいえ、全ての道が石段や階段で整備されている、というわけではありませんので、低くて気軽な山といえども、山を歩く際の道のバリエーションは2,000mを超える山と大差ありません。
平地とは違って、山では山独特の歩き方があります。基本は『バランスよく、テンポよく、疲れない歩き方』ということになります。山での転倒は即怪我や遭難の危険につながりますので、まずは転んでも安全な低山で地面のバリエーション(左右の傾斜、前後の傾斜、ぬかるみ、石ころだらけの道など)にスムースに対応できる「歩き方」を身に付けていただく必要があります。これには、机上でいくら知識をつけても限度があり、とにかく山道と言える場所をどんどん歩いていただくしかありません。
「ローマは1日にして成らず」という言葉がありますが、千里の道も一歩から、キリマンジャロへの道も近所の裏山から始まります。これから山を歩くには非常に気持のいい時期になります。いきなりキリマンジャロに挑戦する前に、ぜひご自宅の裏山の魅力を再発見していただきたいと思います。
羽鳥

道祖神

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