初心者がゼロから始める登山 キリマンジャロへの道 Lesson 8 国内登山と海外登山

今回は、国内登山と海外登山の違いについて、お話しします。
登山を始めて数年が経ち、国内の主だった山に登って経験もそれなりに積まれた方にとって、次に目指すものには二つの方向性があると思います。一つは雪山登山・岩登り・沢登りなどの、より高度な技術を要する登山やテクニカルクライミングの世界に足を踏み入れること。そして、もう一つが海外登山です。いずれも、一人で実行するにはリスクが大きいため、登山用品店や山岳会が主催する講習会に参加したり、旅行会社を通じてツアーで海外登山に出かけたりというところがスタート地点となります。弊社が企画している講習会で最終的な目標としているキリマンジャロ登山も、ツアーでの海外登山に含まれます。
登山を趣味とされている皆さんは、長年憧れている“いつか登ってみたい・歩いてみたい山”をそれぞれにお持ちだと思います。ネパールのエベレスト街道、パタゴニアのパイネ展望トレッキング、ニュージーランドのミルフォードトラック、アメリカのヨセミテ国立公園のトレッキングルートなど、登山をされる人の数だけ憧れの山があるでしょう。もちろん、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロを大きな目標とされている方も多いと思います。

キリマンジャロ

フィッツロイパタゴニア

ドルポネパール

コンコルディアK2

海外登山に個人で行かれる場合には、膨大な量の様々な情報を仕入れ、必要事項は事前に手配する必要があります。航空券、宿泊、ガイド、山小屋、現地での食事などなど、全てを一人で手配するには、半年くらいかけてじっくり準備を進めて行く必要があります。また、現地に入ってしまったら、コミュニケーション(言葉)の問題が出てきます。ネパールなどでは現地発着のツアーが多く、オプショナルツアー的に現地到着後に申し込んで参加できるトレッキングツアーもあります。日本語が通じるケースが多い国であればそれほど難しくありませんが、南米やアフリカでは、限られた旅行期間内で全てを現場で手配するのは、かなり難しいと思われます。それを手っ取り早く省いてしまうのが、ツアー参加での海外登山となります(その分お金はかかりますが…)。
個人旅行的性質を残したい場合は添乗員なしのツアーを、言葉やその他に不安がある方は添乗員付きのツアーを選択していただければ、面倒な手配・手続きは全て旅行会社が代行します。それでも、日本とは違う気候、風土、生活習慣の元での登山となりますので、食事や水、体調管理など、ご自身で対処しなければならないことは多く残ります。
これから海外の山を目指す方々には、まず東南アジアや中国、ネパールあたりのアジア圏で海外登山に慣れていただき、続いてヨーロッパアルプス、キリマンジャロや南米パタゴニア、アンデスなど、少しずつステップアップして、世界中にごまんとある山の中の『憧れの山』を目指していただくと良いのではないかと思います。
羽鳥

道祖神

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