富士山がついにユネスコ世界文化遺産に登録されましたね。
おめでとうございます!
ところで、“無形文化遺産”というものをご存じでしょうか。世界遺産と同じくユネスコの事業ですが、世界遺産が建築物などの有形の文化財の保護と継承を目的としているのに対し、風習や口承伝統などの無形のものを保護することを目指したものです。アフリカの世界遺産はいくつか思い浮かんでも無形文化遺産はなかなか思い浮かばないのではないでしょうか。
無形文化遺産は無形なだけに世界遺産のようにいつでもお目にかかれるものではありません。祭礼や儀礼であればその日に合せて現地を訪れることになります。さらに割礼や成人式、婚礼、葬儀などの場面に催されるものであれば、それが必ずしも旅行者にオープンなものであるとは限りません。
お目にかかりにくいから見やすいようにしてほしいと頑張ってしまうと、それは単に観光用のショーに成り下がってしまい、本来の意義が失われてしまう危機に見舞われることになります。