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2012.12.27発 ナチュラリスト加藤直邦さんと行くケニア 10日間

ジャンボー!サファリガイドの仕事に復活した加藤直邦です。
12月27日から1月5日までの年末年始を利用したケニア・キャンプサファリツアーに出かけてきましたので、そのレポートをいたします。
今回のお客様は、アフリカ旅行初めて方から、道祖神で何度も旅行しているリピーターさんまで幅広い層の方々が参加してくれました。
なかでも参加していただいた林弘道さんは、道祖神のサファリには欠かせなくなっている「動植物チェックリスト」の写真や情報を提供しているサファリのベテラン。今回は僕とのダブル・ガイドのような状況で、参加者の皆さんにとってはラッキーな境遇だったと思います。
最初に訪れたのはカカメガフォレスト国立保護区です。ここはウガンダに近いケニア西部に位置し、ケニア最大にして最後の熱帯雨林と呼ばれる貴重な地域になっています。そして私は去年まで青年海外協力隊として、ここで2年間ほど環境教育活動をしていたので、お客さんを一番案内したいところでした。
予定外だったのはナイロビからカカメガまでの移動時間で、早朝ナイロビを出発したのに保護区のキャンプサイトに着いたときは日が暮れていました。雨の中、ヘッドランプをつけてのテント設営に初日からちょっとハードな一日になってしまいました。
翌日からは、たっぷり水分を含んだ熱帯雨林の中を歩いて観察。
原生林に点在する巨木を巡りながら、頭上を飛び跳ねるサルや、恥ずかしがり屋の野鳥たちを観察しました。次の朝は早起きして丘を登り、森の向こうから顔を出す日の出を眺めました。強い日差しが森の樹木に当たると、水蒸気がモクモクと湧き上がり、私たちは雲海の上に立ったような気持ちいい光景を眺めました。森の新鮮な空気と、この壮大な景色を日本からのお客様に見せることができて、本当に良かったです。

次は南へ移動。私が5年間住んでいたマサイマラ国立保護区へ出発です。
道中では、ささやかに建てられている赤道直下の看板で記念写真を取ったり、道端で焼いているトウモロコシを食べたり、紅茶の産地であるケリチョーで「茶摘み」を眺めながらお弁当を食べたりしました。
そしてマサイマラへ入ると、すごい大雨で草原が湖のようになっていました。例年だと雨の少ない時期なのですが、ケニアも世界的な異常気象の影響を受けているようです。草原でのテント設営が心配でしたが、幸いステイ先のキャンプ場は大丈夫でした。ここはなだらかな丘の上に位置していて、水捌けが良いようです。

夜になると雨が降りますが、日中は気持ちの良いサファリ日和です。
3日間おこなったサファリドライブでは、大きな岩の上で休んでいるライオンファミリーや、一時間ねばって観察したチーターのハンティング。それに、日中堂々と草原を移動しているヒョウの親子を観察することができました。林さんの動物観察記録によると、今回のサファリツアー中に哺乳類は32種、鳥は約141種を観察できたとのこと。私たちが幸運だったこともありますが、マサイマラの生物多様性の高さに改めて感動しました。

さらに印象的だったのが、マサイ族と一緒に散策するネイチャーウォークです。
雨が効を奏して保護区の外にあるキャンプ場周辺は、草食動物の好む緑の草原となり、保護区以上にキリンやシマウマの群れが徘徊していました。自分の足で歩くと動物たちとの目線が一緒なので新鮮です。ヌーたちは出産シーズンが始まろうとしていて、数頭の赤ちゃんも観察することができました。それにシマウマの糞を懸命に転がしているフンコロガシの姿に笑みがこぼれます。これだけ草食動物が集まってきたら肉食動物もやってくるのではないかと思っていたら案の定、翌朝のサファリドライブでライオン親子をキャンプ場のすぐ側で発見しました。

今回のツアーでは、陸路で森深い熱帯雨林と、草原の広がるサバンナを訪れました。このように環境の異なる自然を同時に満喫できるケニアは、やっぱり何度訪問しても飽きない魅力的な国ですね。
加藤直邦

道祖神