2016.8.24発 NORTH to SOUTH 縦断マダガスカル 24日間(前半)

またインド洋の国のツアーレポートになりますが、マダガスカルを北から南へ縦断する24日間のツアーに同行させていただきました。マダガスカルは世界第4位の面積を誇る島で、南北に直線距離で約1600kmあります。この島を、陸路で約3200km陸路で走破してきました。
まず、首都アンタナナリボから国内線で、北部の町ディエゴスアレス(アンツィラナナ)へ。

マダガスカルの国内線。基本的に飛行機までは歩きです
中央高地が眼下に広がります
中央高地が眼下に広がります2

ディエゴスアレスは、日本人にも縁のある町です。
1942年の第2次世界大戦時、ディエゴスアレスを占領し、駐留していた連合国の英国艦隊に対して、日本の特殊潜航艇が出撃して大きな成果を挙げました。
その際に戦死した方を弔う慰霊碑が、日本の有志により建てられ、今も海の見える丘の上にあります(今回は残念ながら時間の関係で立ち寄れませんでしたが)。

市内のレストラン&バー
オーナーは日本に住んでいたこともあるそうで、スペシャルワサビソースの料理を出してくれました


ツアーの前半は、この町をベースにして、周辺を観光します。
まずは、アンバー山国立公園へ。
アンバー山国立公園は、独立前の1958年に国立公園に指定され、
7種のレムール(昼行性2種、夜行性5種)や多数の爬虫類などが生息しています。
入園手続きをして、ローカルガイドと一緒に、森の中を散策します。世界最小クラスのカメレオン(ミクロヒメカメレオン)をガイドが発見。カンムリキツネザルの群れも観察することが出来ました。
変色して完全に周りに溶け込んだカメレオンも瞬時に見つけ、爪の先ほどのカメレオンも探し出す目の良さには感嘆しました。
植物も多様性があります。希少なパリサンドラ(黒檀)、多種のランや、香水にも使われるイランイランの木、絞め殺しの木など。

アンバー山国立公園を散策2
アンバー山国立公園を散策2
アンバー山国立公園を散策3
カメレオンは至るところで見かけます
言われなければ素通りするところです
世界最小クラスのミクロヒメカメレオン
比較的雨の多いエリアなので、乾季でも水が豊富です

近くの学校も訪問。生徒たちが楽しそうに遊んでいました。

元気いっぱいに遊んでいた子ども達1
元気いっぱいに遊んでいた子ども達2

その後、町を一望できるフランス山へ。標高426mの山で、ローカルガイドを付けて、頂上までハイキングすることが出来ます。
体力に応じて、途中まで登ることも出来ますし、また、麓には、ディエゴスアレス周辺にしか生息していない、T字の形をしたバオバブ(Suarezensis)や、お土産物を売る子ども達もいるので、登らずとも楽しむ事が出来ます。

北部にしかないT字のバオバブ(スアレゼンシス)
フランス山からの展望、湾に浮かぶ三角の小島は、宗教的な理由から外国人は入れないのだとか
気持ちのよいハイキング

翌日は、場所を移動して、奇景観、レッドツィンギーへ。
ツィンギーは、昔は海の底であった石灰質が含まれた地層が隆起し、風や雨で浸食されて出来たもの。ここは、鉄分も多く含まれているために赤い色をしている。現在、浸食が進んでいるところも目の前で見られて興味深いものでした。

未舗装路を進んでいきます
レッドツウィンギーのある谷へ降りていきます
目の前に広がる奇景観
赤く少し丸みを帯びたフォルムが特徴のレッドツィンギー
ゲートの入り口で遊んでいた、可愛らしい子ども達1
ゲートの入り口で遊んでいた、可愛らしい子ども達2

翌日は、ベマラハに次ぐ規模を誇るツィンギーのあるアンカラナ国立公園へ。今回は展望台から見学するのみのショートウォーキングのコースでした。途中、ブラウンキツネザルと夜行性のイタチキツネザルに遭遇。時間があれば、長いウォーキングルートで洞窟を訪問することも可能です。

動植物を観察しながら歩きます1
動植物を観察しながら歩きます2
動植物を観察しながら歩きます3
動植物を観察しながら歩きます4
見渡す限り剣山のような風景が広がります
3方向から水が流れ込んで巨大な穴が開いている場所。雨季には地上10mくらいまでの水位のある川に

ツアーは南下を続けます。カカオ農園があるアンバンジャ、アンツォヒヒを経て、アンカラファンツィカ国立公園へ。

希少なクリオロ種のカカオ

こちらの公園は、8種類のレムールや100種類以上の鳥類、40種以上の爬虫類など、たくさんの生き物が生息する豊かな森です。また、80%近くが固有種と言われる豊かな植物相も魅力的です。
残念ながら、今回は、乾季の終わりということもあり、その豊かさを十分に感じることは出来ませんでしたが、宿泊エリア内にも、レムールがいて、のんびりと過ごす事が出来ました。

ホウシャリクガメの保護も行われている
13500ヘクタールもの広大な敷地には、いくつものウォーキングルートがあります
気持ちの良い敷地内でキャンプ泊


湖畔で遊ぶ地元の子ども達(近くの立て看板にはワニ注意の文字)

翌日は、一気にアンタナナリボへ。中央高地帯の見晴らしの良い道を走り抜けます。



まだまだ続く旅に備えて、アンタナナリボでゆったりと過ごします。ちょうどこの日(9月1日)は日食にあたりました。

レストランで日食を観察
日食で半円形になった木の陰

平日でしたが、何と、朝一のテレビやラジオで、「急遽本日は休みにします」というアナウンスが流れたようで、学校や会社が休みになったとのこと。ガイド曰く、日食は不吉なものとされていて、誰も外に出たがらないので、仕方なく休みにしたのだとか。
ただ、日食眼鏡を持って観察している人達も多く見かけたので、地方でそういう考え方が残っているのかもしれません。
午前中はホテルでのんびりと、午後からは、世界遺産、アンブヒマンガの丘の王領地を訪問。
ここは、16~19世紀にかけて、マダガスカルで最大の勢力を誇ったメリナ王国の王宮の跡地になります。
宮殿内を見学した後は、裏手の丘へ。アンタナナリボの町が一望できる気持ちの良い場所でした。

世界遺産、「美しい丘」を意味するアンブヒマンガの丘の王領地
長きに渡り儀礼が執り行われてきた広場、今も地元の人達にとって神聖な場所
外敵を防いでいた王宮の外門
パリサンドラの木で作られた王宮
メリナ王国の王墓(遺体は別の場所に安置されている)
アンタナナリボに遷都後、女王が住んでいた別荘を復元した建物
首都アンタナナリボが一望できる見晴らしの良い丘

気持ちもリフレッシュして、いよいよツアーのハイライト、マダガスカルの南西部へと進んでいきます。

道祖神