またインド洋の国のツアーレポートになりますが、マダガスカルを北から南へ縦断する24日間のツアーに同行させていただきました。マダガスカルは世界第4位の面積を誇る島で、南北に直線距離で約1600kmあります。この島を、陸路で約3200km陸路で走破してきました。
まず、首都アンタナナリボから国内線で、北部の町ディエゴスアレス(アンツィラナナ)へ。
ディエゴスアレスは、日本人にも縁のある町です。
1942年の第2次世界大戦時、ディエゴスアレスを占領し、駐留していた連合国の英国艦隊に対して、日本の特殊潜航艇が出撃して大きな成果を挙げました。
その際に戦死した方を弔う慰霊碑が、日本の有志により建てられ、今も海の見える丘の上にあります(今回は残念ながら時間の関係で立ち寄れませんでしたが)。
ツアーの前半は、この町をベースにして、周辺を観光します。
まずは、アンバー山国立公園へ。
アンバー山国立公園は、独立前の1958年に国立公園に指定され、
7種のレムール(昼行性2種、夜行性5種)や多数の爬虫類などが生息しています。
入園手続きをして、ローカルガイドと一緒に、森の中を散策します。世界最小クラスのカメレオン(ミクロヒメカメレオン)をガイドが発見。カンムリキツネザルの群れも観察することが出来ました。
変色して完全に周りに溶け込んだカメレオンも瞬時に見つけ、爪の先ほどのカメレオンも探し出す目の良さには感嘆しました。
植物も多様性があります。希少なパリサンドラ(黒檀)、多種のランや、香水にも使われるイランイランの木、絞め殺しの木など。
近くの学校も訪問。生徒たちが楽しそうに遊んでいました。
その後、町を一望できるフランス山へ。標高426mの山で、ローカルガイドを付けて、頂上までハイキングすることが出来ます。
体力に応じて、途中まで登ることも出来ますし、また、麓には、ディエゴスアレス周辺にしか生息していない、T字の形をしたバオバブ(Suarezensis)や、お土産物を売る子ども達もいるので、登らずとも楽しむ事が出来ます。
翌日は、場所を移動して、奇景観、レッドツィンギーへ。
ツィンギーは、昔は海の底であった石灰質が含まれた地層が隆起し、風や雨で浸食されて出来たもの。ここは、鉄分も多く含まれているために赤い色をしている。現在、浸食が進んでいるところも目の前で見られて興味深いものでした。
翌日は、ベマラハに次ぐ規模を誇るツィンギーのあるアンカラナ国立公園へ。今回は展望台から見学するのみのショートウォーキングのコースでした。途中、ブラウンキツネザルと夜行性のイタチキツネザルに遭遇。時間があれば、長いウォーキングルートで洞窟を訪問することも可能です。
ツアーは南下を続けます。カカオ農園があるアンバンジャ、アンツォヒヒを経て、アンカラファンツィカ国立公園へ。
こちらの公園は、8種類のレムールや100種類以上の鳥類、40種以上の爬虫類など、たくさんの生き物が生息する豊かな森です。また、80%近くが固有種と言われる豊かな植物相も魅力的です。
残念ながら、今回は、乾季の終わりということもあり、その豊かさを十分に感じることは出来ませんでしたが、宿泊エリア内にも、レムールがいて、のんびりと過ごす事が出来ました。
翌日は、一気にアンタナナリボへ。中央高地帯の見晴らしの良い道を走り抜けます。
まだまだ続く旅に備えて、アンタナナリボでゆったりと過ごします。ちょうどこの日(9月1日)は日食にあたりました。
平日でしたが、何と、朝一のテレビやラジオで、「急遽本日は休みにします」というアナウンスが流れたようで、学校や会社が休みになったとのこと。ガイド曰く、日食は不吉なものとされていて、誰も外に出たがらないので、仕方なく休みにしたのだとか。
ただ、日食眼鏡を持って観察している人達も多く見かけたので、地方でそういう考え方が残っているのかもしれません。
午前中はホテルでのんびりと、午後からは、世界遺産、アンブヒマンガの丘の王領地を訪問。
ここは、16~19世紀にかけて、マダガスカルで最大の勢力を誇ったメリナ王国の王宮の跡地になります。
宮殿内を見学した後は、裏手の丘へ。アンタナナリボの町が一望できる気持ちの良い場所でした。
気持ちもリフレッシュして、いよいよツアーのハイライト、マダガスカルの南西部へと進んでいきます。