2020.10.20発 マタギの文化とブナ林の自然に触れる、白神山地の森歩き2泊3日~秋~

新型コロナウイルスの流行により海外旅行ができなくなっている状況を踏まえて、弊社スタッフそれぞれが、それぞれの個性を前面に出す形で考案・企画した「道祖神的日本国内の旅」シリーズ。

そのうち秋田と青森にまたがり、ユネスコ世界自然遺産でもある“白神山地”を、古くからこの山々を生活の場としてきた青森県西目屋のマタギの方々に案内していただく森歩きツアーに、企画者自ら添乗員として同行させていただきました。

 

森歩きのベースとなった、伝統的なマタギ小屋
マタギ小屋の外には炊事場とダイニング
小屋は小さいので、ご参加の皆さんはテントに宿泊
様々な説明を聞きながらマタギ道を歩く

ご参加4名様と添乗員という少人数で密を避けつつ、体調管理にも気を付けて催行させていただきましたが、国内とはいえ私自身久々に遠くまで旅し、森を歩くことができるということの爽快感と楽しさを心から味わうことができ、ご参加者の皆様も同じような感想を持たれたことと思います。一般的に白神山地観光と言うと、青森側の十二湖や白神岳登山、あるいは青森側の暗門の滝や通称マザー・ツリーと呼ばれるブナの大木を訪問するものが一般的ですが、私自身白神山地を何度か歩いた経験から、山地に詳しいマタギの方に案内いただいて、何の変哲もない森を歩く方がより深く森を知ることができ、内容的にも面白いものになると考えており、今回はマタギの狩猟キャンプであるマタギ小屋をベースキャンプに、彼らの猟場でもある森を歩く内容で企画しました。10月下旬からが紅葉の最盛期ということもあり、赤~オレンジ~黄色に色づく木々を愛でつつ、キノコや木の実などの森の恵みも味わうこともできました。

白神の森の代名詞であるブナの他、ミズナラ、カツラ、トチ、アカマツなど、植生も豊か
山の斜面を彩る見事な紅葉
紅葉も、視点によって様々な見る楽しみがあります
豊かに育ったキノコ、食用に適さないものももちろんあります
カラフルな森の果実たち
山でとれたものがそのまま並ぶことも多い食卓

野生動物や鳥は、やはり見るのはなかなか難しかったですが、それでもニホンザルの群れや小型のキツツキであるコゲラなどは見ることができましたし、クマの痕跡を見ながらマタギのクマ猟の臨場感あふれる話を聞くことができ、またシベリアから秋田や新潟に渡っていく途上の白鳥の鳴き声を聞くなど、自然の営みの一端にリアルに触れることができたのではないかと思います。

紅葉が美しい津軽湯ノ沢を歩く
蕗の葉で拵えた柄杓
固いブナの樹皮につけられたクマの爪痕
ニホンザルの群れに遭遇しました

このツアーはもう一本、時期を冬にかえ、風景もガラッと異なる雪の中を歩くものを2月に企画していますが、そちらもありがたいことに満員御礼となっています。

海外旅行解禁となれば、専門であるアフリカの旅に集中することになるとは思いますが、こういった足元の自然と古来受け継がれてきた文化を知る旅の企画も続けていけたらと考えています。

道祖神 羽鳥

道祖神