2022年末、長かったコロナ禍の終わりが見え始め、ようやく海外に目が向き始めた頃、日本を出ればマスクをしている人がほとんどおらず、海外に取り残されているような印象を受けました。5月現在では日本もコロナの規制が撤廃され、多くの諸外国と足並みがそろってきましたので、砂漠の中をラクダと一緒に歩く、一風変わった道祖神らしさが味わえるツアーはお薦めです!
ツアーの内容はラクダと砂漠を歩く。これに尽きます。チュニス郊外の観光も含まれていますが、やはり砂漠を歩くのがメインとなります。全行程でおおよそ100㎞を歩きますので、ある程度の体力は必要となりますが、荷物は全部ラクダが運んでくれるので、自分で運ぶのは水とカメラと歩くのに必要なものだけ。
景色の変わらない砂漠をただ歩いて何が面白いのかと思う方も多いかと思いますが、砂漠といっても景色は少しずつ移り変わり、360度見渡す限り人工物が一切ない砂漠を己の足で歩くという体験は何事にも代えがたく、聞こえる音は風と自分の歩く音のみという世界に没頭できます。
景色が少しずつ変わるとは言っても我々には目印になるようなものが一切見当たらない世界で、迷いなく足を進めるラクダ引きの後に続いてひたすら歩きます。彼らは我々に合わせてゆっくりと歩いてくれていますが、それでもペースは早めで、ピッタリと追いかけることが難しく、サラサラの砂の上を歩き続けるので、舗装された道とは比べ物にならないくらい疲れますが、一日を歩き終えた後に焚き火を囲んで食べる夕食は体に染み渡るような美味しさでついつい食べ過ぎてしまうほど。毎日クタクタになるまで歩きますのであまり夜更かしは出来ませんが、満天の星空を眺めながらボーっとする時間は非常に贅沢です。
明け方にはテントに霜がおりて白くなってしまうほど冷え込み、日中も気温はさほど上がらず、とはいっても日差しは強烈で日焼け止めは必須。
ゴールとなるクサールギレンが見えてくると、体は悲鳴をあげていますが「やっと着いた」、という気持ちより「もう終わってしまうのか」という気持ちになると同時に、オアシスと砂丘の風景を見たときの達成感は100㎞を歩ききった人でなければ分からないと思います。
我々が体に鞭打って5日間で100㎞を歩き通し、オアシスに到着して達成感に包まれながらもぐったりとしていると、ラクダ引き達は我々と別れた後、すぐに来た道を引き返して2日で100㎞を歩くという衝撃的な話を聞き、砂漠の民の体力に驚かされました。
ちょっと変わった砂漠のツアーに参加してみたい、達成感を味わえるツアーに参加したい、とにかく砂漠を歩きたい、そんな方にお薦めのこのツアー、是非ご検討ください!