昨年に続き、6月催行となった本ツアー。乾季で過ごしやすく、旅をするにはとても良い時期と言えるかと思います。さらに、独立記念日が間もなくという事もあってか、町では催し物等も行われており、いつも以上に活気が感じられます。ツリビヒナ川での船旅、世界遺産ツィンギー、バオバブの並木道、キツネザル等々…。マダガスカルが誇る見所満載のツアーです。
マダガスカルの首都、アンタナナリボに到着すると、すぐにマダガスカル第三の都市、アンチラベへの移動を開始します。アンタナナリボの街中は渋滞もあり賑やかですが、少し離れれば田園風景が続きます。途中でトイレ休憩に数回止まりますが、掘っ立て小屋で売っていたコーヒーがまさに絶品。日が暮れると、辺りは閑散としていきますが、道路脇には食堂が立ち並ぶエリアもあり、観光客を温かく迎えてくれます。時間がないので飲んだり食べたりはできませんでしたが、地元民に混ざってローカル食堂で夕食を取るのも一興かもしれません。
この日はアンチラベの市内観光から1日がスタート。名物のプスプスに乗って市内を回ります。その後、今度は徒歩に切り替え、歩いてローカル市場を散策します。お腹が空いてきた所で、レストランにて昼食。ゆっくり腹ごしらえをした後は、船旅の拠点となるミアンドリバゾまで、一気に車で移動します。そして道中、一日の終わりに、美しい夕日を見ることができました。真っ赤に燃える太陽が、丘の向こうへ消えていきます。
いよいよ、今回のツアーの前半の目玉である、船旅が始まります。川岸にはお見送りに(遊びに?)沢山の子供達が来てくれました。船はゆっくりと時間をかけながら、ツリビヒナ川を下っていきます。途中、砂金採掘場に立ち寄ったり、木で休むクロコダイルを観察したり…。船が導くかがまま、観光を続けます。食事は船上で、マダガスカルの大自然がもたらす恵みを美味しくいただきます。宿泊は川岸にキャンプを設営します。
昨日に引き続き、船はゆっくりとツリビヒナ川を下っていきます。偶然通りかかった漁師から、獲れたてのエビを購入。また、木が生い茂る場所を見つけたので、船員が川岸に上がり、薪を調達します。そして、この日の午前中のメインイベントは、滝の訪問です。滝壺は澄んだ青色の水を湛え、水浴びには最適です。午後は川岸の町を訪問し、商店や市場、学校を見学しました。夜は満天の星空の下、テント泊。南十字星が綺麗に見えました。
朝、近くの村に買い出しに行くというので、希望者はついて行くことに。操舵士ベナが普段暮らす村ということで、お母さんや娘さんが挨拶に来てくれました。ついでにマダガスカルのライスケーキ、ムカリを食べさせてもらったり、ラム酒を購入したり…。旅程表にはない訪問でしたが、良い経験をすることができました。午前中はまた別の村に寄り、日本人シスター2名が建立したという学校を訪問しました。かなりの僻地ですが、ここで何十年間も継続して支援活動を行っていらっしゃったそうです。本当に感服です。その他にも、この日は市場にカニを買いに行ったり、川でクロコダイルを見たり、バオバブがたくさん立つエリアに上陸し、バオバブ見学を行ったりと、盛り沢山な一日でした。
3泊4日の船旅もこの日が最終日。名残惜しいですが、船の乗組員やシェフ達ともお別れです。我々は車に乗り換え、ツィンギーへの玄関口とも言うべきベコパカに向かいます。途中、ぬかるみにタイヤを取られスタックしてしまうという事態も…。しかし、地元の人々の協力を得て、何とか脱出。無事、ロッジに到着です。
遂に、マダガスカルが誇る世界遺産ツィンギーに到着です。まずは森でのハイキングからスタートですが、早速アカビタイキツネザルとデッケンシファカを見つけました。その後、洞窟を抜け、切り立った崖を越え、吊り橋を渡って、ツィンギーの景色を堪能します。体力に不安があったり、高所が苦手だったり、ツィンギー訪問を心配していた方々もいらっしゃいましたが、参加された方は全員無事、踏破することができました。
この日は一気にキリンディまで車両で移動します。一昨日スタックした所を再度通過しますが、この日も何台もの車両が立ち往生していました。しかし、前回の経験もあり、こちらは大きくスタックすることはなく、無事切り抜けました。夕方はキリンディでのナイトウォークです。夜行性のネズミキツネザルとアカオイタチキツネザル、それからフォッサとカメレオンを発見し、写真撮影を行いました。
午前中は、昨日ナイトウォークをしたキリンディを再訪します。この時は、睡眠中のアカオイタチキツネザルや、アカビタイキツネザルとヴェローシファカの群れを観察することができました。また、この辺りは立派なバオバブが見られるエリアとして有名です。まずは、地元の人々からも崇められているという、聖なるバオバブを見学します。次に、南下して、愛し合うバオバブの訪問です。そして最後は、旅のクライマックスである、バオバブの並木道です。まるで異世界にいる様な、不思議な光景を目の当たりにすると同時に、我々の旅も終わりに向かいます。
思い起こせば、ツリビヒナ川の船旅から始まり、世界遺産ツィンギーの訪問や、可愛らしいキツネザルとの遭遇、人懐っこいマダガスカルの人々との出会いなど、沢山の経験が詰まった旅だったかと思います。アフリカの中でも、大陸諸国とはまた違った魅力を持つマダガスカル。その良さを十二分に感じることができる旅になりました。参加者の皆様も、きっと多くの方がマダガスカルファンになられたかと思います。