2013.12.28発 ナミブ砂漠で初日の出 ナミビア・キャンプ 8日間

昨年(2013年)末、恐らくこの時期ではアフリカで最も暑い国の一つである、ナミビアに添乗で同行させていただきました。ナミビアは、アフリカ南部に位置する国で、国土面積は、日本の約2.1倍、人口は約228万人(おおよそ名古屋市の人口ぐらい)で、アフリカ一人口密度の低い国です。周囲を5か国と国境を接しています。
ナイジェリアの様に、カオスとも呼べるほどの人の数から生まれくるエネルギーも魅力的ですが、ここナミビアでは、一見荒涼とした大地にポツンと存在する生命から、厳しい自然に耐え得るための、そこはかとなくも、内なる強いエネルギーを感じ取る事ができます。
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ツアーの最初の行程は、スタートの都市、首都ウィントフックから北西に約200km移動したエロンゴ山塊です。ここでは、剥き出しの溶岩台地に覆われています。周囲が隆起した溶岩台地で覆われているために、少し隠れ家的な要素もあり、雰囲気は抜群。肉食動物はいないため、キャンプ周辺を歩き回っても問題ありません(ただし、迷子にならない程度にしましょう)。かわいらしいハイラックスもいますが、日本では見かける事のないこんな大きなヤスデも(特に触らなければ悪さはしません)!もちろん夜は、一面の星空がキャンプ地を彩ります。
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キャンプと言えば、肉!ここナミビアでは、キャンプの夕食にオリックスのステーキが出てきます。全くクセもなく美味しい!あと、牛肉もとても美味しいです(国外に輸出をせず、国内で需要に見合った供給が行われているため、ホルモン剤などを使っていない健康的な肉なんだそうです)。また、道祖神のナミビアキャンプツアーでは、キャンプ中の飲み物(ビール、ワイン、ソフトドリンク、水など)は飲み放題!ナミビアの乾燥した風土に、口当たりの軽いナミビアのビールは最高です!スパークリングワインもどうぞ。
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ここでは、はるか昔からこの場所に暮らすサンの人達の生活スタイルを垣間見る事もできます。彼らの狩りや火起こしのデモンストレーション、また動植物に対する知識は、この厳しい環境に適応し、生き抜いてきた彼らの英知の結晶です。
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次は、大きく南へと南下し、今回のツアーのハイライトであるナミブ砂漠へ向かいます。
北はアンゴラから南は南アフリカに至るまで、南北に千数百キロに及ぶ砂漠です。8000万年前にできたとされ、地球最古の砂漠と言われています。ナミブ砂漠の砂は、その中に鉄分を多く含み、酸化により赤く(杏子色に)色づきます。特に朝日などを浴びて色が変っていく様子には、思わず息を呑みます。
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ここは、砂漠観光のベースとなるキャンプサイトです。
ナミビアは、他のアフリカの国と比較して、キャンプ設備がかなり整っています(北部エリアでは一部設備の乏しい場所もありますが)。シャワー、水洗トイレはもちろんの事、場所によっては、プールやBARまであります。キャンプはちょっと・・、とお考えの方にも、何不自由なくお過ごしいただけます。テントの設営(撤収)も、基本的に、現地スタッフが全て行いますので、ご心配には及びません(もちろんお手伝いいただいても結構ですし、中にはご自分のテントを日本から持参される方も!)
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この時期の一番のネックは暑さです(南半球のため、日本とは季節が逆)。日中、気温はゆうに40℃を超えます。暑くなければ、アフリカじゃない!というような方には構わない状況かもしれませんが、それでも暑い。ただし、空気が乾燥しているので、日蔭に入ると思ったよりも過ごしやすいのです。そして、何より、暑い時は、冷たいビールが美味しい!ビール党の方には、堪らない環境かもしれません。
暑さが駄目な方は、是非、日本の夏の時期にお越しください(日中の日差しは変わらず強いですが、気温は低めで、特に砂漠の夜は、氷点下になる事もあるほど冷える事もあります)。
早朝に起床して、ナミブ砂漠の深部へと向かいます。
途中、有名な砂丘「DUNE45」で朝日を観賞。砂丘の上まで登るのは一仕事です。
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その後、さらに奥へと進みます。途中からは、深い砂地になるため、4駆に乗り換えて、移動です。「ソーサスフライ」(現地の言葉で『行き止まりの干上がった水場』の意味)と「デッドフライ」(『死の水場』)を徒歩で観光します。砂漠は裸足で歩くと気持ちの良いイメージがありますが、トゲのするどい植物などもあるので、しっかりした靴が良いでしょう。
デッドフライでは、立ち枯れしたアカシアの木(キャメルソーン)と砂丘がとても絵になります。デッドフライは、大昔にソーサスフライの中に砂丘が形成され分断されてしまったために、ナフクルフト山などからセスリエム峡谷を通って流れ込むはずの水が到達できずに、完全に干上がってしまったそうです(今から900年前頃に起こったと推定されている)。
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砂丘の淵にある複数の小さな点、なんだかお分かりでしょうか?これは、人です。世界でも最大級の高さを誇る、通称ビッグダディ(・・・笑)に登っている観光客の姿です。高さ300m超にもなるこの砂丘に登る事もできますが、ここから頂上までは、片道2~3時間となかなかにハードです(2枚目の写真、分かりづらいですが、正面の砂丘のトップに人が何人も登っています)。
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砂漠は、その特異な環境ゆえ、そこに住む生き物や植物もユニークです。この「ゴミムシダマシ」もその一つ。海から霧が発生し(時期にもよりますが、10日に1回程度発生するそう)砂漠を覆うと、向かって逆立ちをして、霧をキャッチします。そうして少しずつ貯まった水滴が体を伝って口元に流れてきて、水分を補給します。一滴飲むと人間に換算すると20Lもの水を飲んだ事になるそうです。
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こちらは、カナヘビの一種。砂に潜りやすいように、顔の先が尖っています。日中の暑い時には、足が焼けないように交互に足を上げる、ユニークな動作をするそうです。
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砂漠観光を終えて戻ってくると、オプショナルで遊覧飛行(シーニックフライト)に参加する事もできます。先ほど見てきた砂漠地帯を上空から眺めます。大よそ40分ほどの大パノラマビューです。
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ナミブ砂漠の七不思議の一つ、フェアリーサークルも見えます。(最新の調査では、シロアリがこの植物の根を食べて、枯れたために円形ができたというのが有力説だそうです)。
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キャンプ地近くの峡谷も訪問します。峡谷内に降りる事ができ、巣を作っている鳥類等を観察する事ができます(バブーンが居る事もあるのだそう)。今回は、ガイドが砂漠に住むサバクキンモグラの死骸を発見。恐らく早朝に、猛禽類が捕まえてきて、誤って落としてしまったのだろうとの事でしたが、モグラ全般、日中地上に姿を現す事は無く、まずお目にかかる事ができません。またこのキンモグラは生息数もあまり多くないようで、とてもレアとの事でした(ガイドも人生で見たのはこれで2回目との事。ちなみにこのモグラは環境対応のための退化で目がありません。)
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翌朝は、2014年初日の出。日出づる国の民とする日本人だけの感覚かもしれませんが、やはり灌漑深いものがあります。砂に書かれたメッセージで、新年のご挨拶。
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砂漠を後にし、一路東へと進みます。
ナミビアは砂漠のイメージが強く、雨が全く降らないようなイメージがありますが、雨期には雨も降り、場所によっては洪水も起こります。北部に位置するアンゴラ平原から流れ込む水によって大洪水になる事もあり、洪水対策用のダム作られているほどです(09年~11年にかけては、砂漠地帯にまで多量の水が押し寄せました)。
砂漠エリアを抜けると景色は一変し、緑の多いエリアで動物サファリを楽しむ事もできます。緑に囲まれると旅の疲れも癒されます。こちらのロッジでは、到着すると敷地内で飼われている可愛らしいイボイノシシとインパラの子供がお出迎えしてくれました。
ここで、日本までのロングフライトに備えるための英気を養います。
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またね!と、皆さんガイドに別れを告げて、窓から見える眺めを最後、思い出のポケットに詰めつつナミビアを後にします。
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(※文中の写真は、同ツアーご参加にいただいた、大塚様、岡田様、開地様よりご提供いただきました。)
ナミビアは、剥き出しの自然を、整った環境で快適に訪問できる最たる国の一つです。
2014年GW、夏のナミビアも、豊富なラインナップで皆さまをお待ちしております。
荒木