年末に、アフリカ中央部の国『コンゴ共和国』へ行ってきました。
ツアータイトルに『2つのコンゴ』とあるように、元々は隣り合う2つの国『コンゴ共和国(ブラザヴィル)』と、『コンゴ民主共和国(キンシャサ)』の2つの国を訪問し、それぞれの国に居る『サプール』と呼ばれる人々に会いに行くことを目的としたツアーでした。
ですが、年末に行われた『コンゴ民主共和国(キンシャサ)』の大統領選挙により入国が出来なくなってしまい、急遽『コンゴ共和国(ブラザヴィル)』1ケ国だけの訪問に内容を変更し、実施することになりました。
ブラザヴィル市内をローカル目線であちこち訪問しながらも、実は現地のガイドさんは常に方々に電話をかけ続け、ある情報収集をしていました。今回の旅の1番の目的『サプール』の人々に会うためです。2つのコンゴに居ると言われる熱帯のお洒落集団『サプール』。いったいどんな人たちなのか。。。そして、ようやくある『サプール』のグループが集まるという情報を入手!急いでその場所へと向かいます。
『サプール』とは『サップ(SAPE)を体現する人』のことです。サップ(SAPE)というのは、フランス語で<Société des ambianceurs et des personnes élégantes>の頭文字をとって『サップ』と呼びます。これを日本語に訳すと「エレガントにお洒落を楽しみ、優雅に遊び歩くことの好きな人々の集まり」とでもなるでしょうか。一年中、気温が30度を越す赤道直下のアフリカ中央部の街で、高級ブランドのスーツに身を包み、帽子と葉巻やパイプ、ステッキなどの小道具とともに街を練り歩く。サプールの理念は、「平和でなければお洒落はできない」ということから、暴力反対を唱え、今ではコンゴ共和国の平和の象徴として、人々にとっても憧れの存在となっています。赤道直下の熱帯の街で、なけなしのカネを叩いたり、どこからかカネをかき集めてきたりしてブランドものの洋服を買い、それを着て優雅に街を闊歩する。そこには、『合理的』とは全く言えない、”人の生き様”のようなものを感じます。そんな人々に会いに行こう!というのが今回の旅の目的でした。今回渡航が出来なかった『コンゴ民主共和国(キンシャサ)』には、また違ったスタイルの『サプール』が居ると言われています。次回こそは!
これにて「コンゴ共和国」の旅も終了。出発直前に渡航禁止を食らうなど、初っ端からガツンとお見舞いされ、道中もなかなか一筋縄では行かない旅でしたが、目的としていた『サプール』の人々は想像以上の伊達男集団でしたし、なかなか旅行先として行くことのない「コンゴ共和国」をじっくりと訪問できたことは収穫でした。まるでこのピリピリのように、一口かじれば激辛で目ん玉が飛び出そうになりますが、その後には爽やかな清涼感が口の中に広がる。痛い目にも遭うがやめられない魅力がある。そんな印象の国でした。今後も中央部アフリカの魅力を少しずつ開拓していきたいと思っています。
そして、大統領選挙も落ち着いた『コンゴ民主共和国(キンシャサ)』。次こそは、キンシャサのサプールの人々にも会えるはずです。今年もやります。乞うご期待!
◆2つの『コンゴ』 熱帯の街の紳士たち 8日間
生野