2019.12.28発 年末スペシャル カラハリ・トランスフロンティア公園でサファリ 9日間

2019.12.28発 年末スペシャル カラハリ・トランスフロンティア公園でサファリ 9日間

ここ数年毎年企画・催行されている、南アフリカとボツワナの国境地帯にまたがって設置されているカラハリ・トランスフロンティア・パークのツアーに同行させていただきました。2018-2019年の南部アフリカは記録的な旱魃に見舞われ、特にナミビアでは100年に一度もといわれる大旱魃を経験した年となりましたが、二十数年ぶりに再訪したカラハリは、滞在中少々季節外れの遅めの雨に降られることもあり、砂地に灌木が点在する原野は緑に変わり、花々に彩られて瑞々しさを見せていました。日中は雨雲と空のコントラストや雲が多い空ならではの夕日の照り返しなどの美しい風景も堪能、遠くに煌めく夜の稲光を眺め、遠雷の音を聞く、カラハリらしい夜を過ごすことができました。反面、水が多いということはそれだけ野生動物が散ってしまうこともあり、例年に比較して野生動物の数が少なめで、少し寂しいサファリとなったのは否めません(乾いていれば水場近くに多く集まって見やすくなる)。雨のおかげで通常よりは少し涼しかったですが、それでもサファリ中は暑かったです。

カラハリの空~快晴の青空
カラハリの空~快晴の青空
カラハリの空~夕立ち前の曇天
カラハリの空~夕立ち前の曇天
カラハリの空~黄金のサンセット
カラハリの空~黄金のサンセット
夕立ちの名残の水たまり
夕立ちの名残の水たまり
根に毒があるネリネリリー
根に毒があるネリネリリー

毎日気温が高くなり、熱せられた地面は上昇気流を生んで、午後には空のあちこちに積乱雲ができ、園内のそこかしこで雷雨が降るという毎日でしたが、滞在中半分ずつで宿泊予定だった園内の南北に離れて位置する2カ所のロッジのうち、北側のポレンツァの部屋が強風を伴った雷雨で破壊されてしまい、何とか部屋を用意してもらって1泊はできましたが、その他の滞在は全て南部のルーイポッツへの宿泊に変更となり、どちらかというと南部中心のゲームドライブとなりました。印象としては猛禽類が異常に多く、そのせいかジリスやミーアキャット、マングースなどの小型の哺乳動物をほとんど見かけることはありませんでした。ここでは頻繁に見られるはずのオオミミギツネが少なかったのも、それが理由かもしれません。それでも、立派な体躯とオスの黒いタテガミが有名なカラハリライオンや、チーター、リビアヤマネコ、ブチ&チャイロハイエナ、珍しいところでは夜行性のアードウルフも見ることができ、総合的にみればまずまずのサファリだったのではないかと思います。

アフリカオオコノハズク
アフリカオオコノハズク
クロワシミミズク
クロワシミミズク
アフリカワシミミズク
アフリカワシミミズク
メンフクロウ、フクロウ&ミミズクの類はあちこちで見かけました
メンフクロウ、フクロウ&ミミズクの類はあちこちで見かけました
そしてワシタカ類、他の地域ではちょっと珍しい種も、ここではどこにでもいる感覚です。これはゴマバラワシの幼鳥
そしてワシタカ類、他の地域ではちょっと珍しい種も、ここではどこにでもいる感覚です。これはゴマバラワシの幼鳥
ゴマバラワシの成鳥
ゴマバラワシの成鳥
ソウゲンワシ
ソウゲンワシ
ダルマワシのカップル
ダルマワシのカップル
チャイロチュウヒワシ
チャイロチュウヒワシ
ラナーハヤブサ
ラナーハヤブサ
もちろん一般の鳥も。これはナマクア・ダヴ、和名シッポウバト
もちろん一般の鳥も。これはナマクア・ダヴ、和名シッポウバト
ハジロアカハラヤブモズ
ハジロアカハラヤブモズ
アフリカオオノガン
アフリカオオノガン
木陰で休み、口を開けて体温調節するメスのダチョウたち
木陰で休み、口を開けて体温調節するメスのダチョウたち
そして哺乳類、凛々しく佇むオリックス
そして哺乳類、凛々しく佇むオリックス
カラハリではキリンはあまり見かけません
カラハリではキリンはあまり見かけません
ヌーの群れ
ヌーの群れ
南部アフリカに生息するレイヨウ類の中で、トップクラスのスピードを誇るレッド・ハーテビースト
南部アフリカに生息するレイヨウ類の中で、トップクラスのスピードを誇るレッド・ハーテビースト
荒野を一人歩むチーター
荒野を一人歩むチーター
暑い日中は木陰で一休み
暑い日中は木陰で一休み
チャイロハイエナが比較的見やすい公園です
チャイロハイエナが比較的見やすい公園です
顔をアップで見るとなかなか凛々しいセグロジャッカル
顔をアップで見るとなかなか凛々しいセグロジャッカル
ライオンの姉妹?従妹?
ライオンの姉妹?従妹?
立派な体躯に黒いタテガミで知られるカラハリのオスライオン
立派な体躯に黒いタテガミで知られるカラハリのオスライオン
同じくここでは比較的見やすいリビアヤマネコ
同じくここでは比較的見やすいリビアヤマネコ
全身を見ると、明らかにイエネコとは異なることがわかります。深い草の中で活動するため足も胴も長く、しなやかそうな身体
全身を見ると、明らかにイエネコとは異なることがわかります。深い草の中で活動するため足も胴も長く、しなやかそうな身体
巣穴があるため、極めて珍しく日中に見られたアードウルフ。ハイエナの近縁種です。
巣穴があるため、極めて珍しく日中に見られたアードウルフ。ハイエナの近縁種です。
夕日の照り返しで美しく染まるスプリングボックの群れ
夕日の照り返しで美しく染まるスプリングボックの群れ
夕日をバックに絵になるシルエットを浮かび上がらせるスプリングボック
夕日をバックに絵になるシルエットを浮かび上がらせるスプリングボック
最後に爬虫類、金運が上がりそうな黄金色のケープコブラ(のしっぽ、頭を入れて全身を撮るのは難しいです)
最後に爬虫類、金運が上がりそうな黄金色のケープコブラ(のしっぽ、頭を入れて全身を撮るのは難しいです)
乾燥地に好んで生息するクサリヘビの一種、パファダー
乾燥地に好んで生息するクサリヘビの一種、パファダー
ヒョウモンリクガメのオスメス(大きい方がメスです)、一緒にいるのはカップルだからなのか?オスがさかってメスに惹きつけられているだけなのか?よくわからない2匹でした。
ヒョウモンリクガメのオスメス(大きい方がメスです)、一緒にいるのはカップルだからなのか?オスがさかってメスに惹きつけられているだけなのか?よくわからない2匹でした。

カラハリは東アフリカのサバンナのように見渡せばあちらこちらに動物が眺められる、というような場所ではありません。何時間も何も見かけない砂の道を走り続けることもあります。そのため野生動物に、特にお目当ての野生動物に出会えた時の感動は大きく、動物の方も厳しい環境の中で「研ぎ澄まされた生」を生きているからか、どれもこれも美しく見えます。彼らが纏う張り詰めた緊張感のようなものがそう感じさせるのかもしれません。確かに他の地域では見られないような少しユニークな野生動物に出会える場所で、そういった目的で訪問する方が多い公園ではありますが、日々を生き延びることが楽ではない環境に暮らす、野生動物の持つ美しさや輝きのようなものを見るというのも、ここに足を運ぶ大きな理由になるのではないかと思います。今回ご参加いただいた7名様のうち、4回目がお一人、3回目がお一人、2回目が4名様いらっしゃいました。皆さんサファリ目的でアフリカに何度も足を運ばれている方々ですが、そういった方々を惹きつける魅力は、やはりそういった部分なのかもしれません。

■カラハリ・トランスフロンティア公園でサファリ 9日間

羽鳥