タンザニアは3月半ばから5月一杯まで、大雨季と呼ばれる季節を迎えます。サファリには不向きと思われがちですが、実は緑豊かな美しい時期でもあります。一方、大移動するヌーの大群も、セレンゲティを移動している頃。そんな時期を狙って、サファリを企画しました。セレンゲティはどんな表情を見せてくれるのでしょうか?狙い通りヌーの大群を見ることはできるのでしょうか?
サファリ初日、セレンゲティへ
早朝、頑張って早起きをして、アルーシャを出発します。やはり天気は少し心配でしたが、遠くに雲は見えるものの、アルーシャは晴れで、メルー山が見られました。そういえば、昨日キリマンジャロ空港からアルーシャに向かう途中も、日中にも関わらず、珍しくキリマンジャロが顔を出しており、幸運にもアフリカ最高峰を拝むことができました。今回のサファリ、まず天気は期待できそうです。


ンゴロンゴロではクレーターの絶景を楽しみ、その後オルドバイ渓谷へ。人類発祥の地と呼ばれるこの場所で、人類の進化を学びます。そして昼食を終え、セレンゲティへと歩みを進めると、少しずつ動物たちが見え始めます。まずはトムソンガゼル。かなりの数を見ることができました。


セレンゲティに入ると、ずっと動物相が豊かになります。ゾウやグラントガゼルを横目に走ります。暫くすると、ヌーの群れと遭遇。数千頭はいるでしょうか、大きなヌーの群れです。ケニアに向かって移動中の様で、付近には、旅の友であるシマウマも見ることができました。


そして、夕方ロッジに向かって走っていると、なんと早速ヒョウと遭遇することができました。仕留めたヌーを木に上げ、食事をしているヒョウの親子でした。少し距離があり、また辺りはすでに薄暗くなっていたので、残念ながら写真には上手に収められませんでした。しかし、初日から良いサファリをすることができました。そして、セレンゲティの大地にまん丸の夕日が沈んでいきます。


セレンゲティでのゲームドライブ 2日目
翌朝、セレンゲティには綺麗な朝日が昇ります。ロッジで朝食後、サファリに出発します。まずは昨日観察したヒョウの所へ。やはり子供の姿はなく、母親が食事を続けていました。残念ながら、今度は逆光でやはり写真撮影に苦戦します。これがサファリの難しい所です。


この日もまた、ヌーとシマウマの大群を見ることができました。まさに、どこまでも続くヌーの群れです。たくましいインパラのオスを見つつ、大物を探してサファリを続けます。すると、サバンナの草陰にサーバルを発見。なんと、ジャンプするサーバルをお客様が見つけてくれました。ガイドも驚く大手柄です。ただ、こちらも距離があり、写真には綺麗に収まりませんでした。


サファリを続けると、ようやくライオンのグループと遭遇。メス数頭と子供を見た後、ハンサムなオスも見ることができました。そして、足を進めると、今度は水浴び中のハイエナや岩場で休むハイエナの群れを発見。さらには、草陰で隠れる様に休む1頭のチーターまで。




そして、この日の夕方、セレンゲティの過酷な現実を目の当たりにすることとなりました。ロッジに帰る途中、木の上で休むヒョウと遭遇しました。しかし、傍らには無残にもヒョウに殺されてしまったチーターの子供の姿。そして、その50m程先には、もう1つチーターの子供の死骸があり、その隣には、我が子2頭を同時に失ってしまったであろうメスのチーターの姿がありました。残酷なサバンナでの生活を垣間見た瞬間です。



セレンゲティでのゲームドライブ 3日目
この日はまだ暗い内に朝食のお弁当を持ってサファリに出発します。動物たちが活発に活動する時間を狙ってのサファリです。キリンやインパラを見ながら進み、サバンナでの日の出を眺めます。そして、辺りが完全に明るくなった頃、なんと行く手には1頭のメスライオンと6頭の子供のライオンの姿がありました。本当に早起きした甲斐があったというものです。




その後も、数千頭にもなろうかというヌーとシマウマの大群を掻き分けながらサファリを続けます。カバやゾウのファミリーを至近距離で撮影することもでき、良いモーニングサファリとなりました。そして、近くのピクニックエリアに向かいます。セレンゲティの果てしないサバンナを前に朝食です。



朝食後もサファリを続けます。残念ながらヒョウ探しは不発でした。しかし、1列になって走るヌーに向かって狩りを仕掛ける1頭のメスライオンを目撃しました。さらに、轍に沿って歩く2頭のメスライオンも発見。暫く並走して一緒に進み、その後ロッジに帰還しました。


この日の午後は、サファリロッジで少し休憩。お部屋で休むのも自由、見晴らしのいい展望スペースから、外を行く野生動物を眺めるのも自由。リラックスした贅沢な時間を過ごすことができました。

夕方は、気温が下がり、動物たちの活気が再び上がってくるタイミングでサファリに出発します。ロッジから北上すると、まもなくチーター親子の姿が。子供は1頭だけで、こちらを気にしているのか、足早に走り去ってしまいました。昨日、チーターの悲しい姿を見たので、少しだけ気分が晴れた気がします。元気に育ってほしいものです。


セレンゲティからンゴロンゴロへ
早朝、セレンゲティを出発します。天蓋は閉め、サファリではなく、基本的にはンゴロンゴロへの移動となります。セレンゲティのサファリも終わってしまったなぁ、等と考えていると向こうからオスのライオン2頭が歩いてくるではありませんか。こちらが停車すると車の真横を通っていきました。まさに迫力満点の一瞬です。ライオン達が「また来いよ」とお見送りしてくれているかの様でした。

ンゴロンゴロでの主役は何と言ってもサイ。クレーターでのゲームドライブ中、なんと合計9頭のサイを見ることができました。いずれも距離は遠かったのですが、人慣れしておらず、保護区の管理がしっかりできていることの証と言えるのかもしれません。その他、バッファローを近くで見ることができましたし、セレンゲティでは一切出会えなかったフラミンゴも観察することができました。ビッグ5を達成し、ヌーの大移動も間近に観察することができ、大成功のサファリだったのではないでしょうか。タンザニアの動物保護区は奥が深いので、今後もサファリの時期や場所を吟味した上で、テーマのあるツアーを企画していきたいと考えています。

