大統領の任期は5年で、
2期まで継続可能なため、
現大統領の再選が濃厚と予想されていた。
しかし野党党首も年齢的に今回が最後のチャンスとあって、
ケニア国民に限らず注目を集めた大統領選となった。
長かった大統領選挙
夏から約4カ月(!)かかった大統領選挙。最高裁判所の異例の判決でまさか(!?)の選挙やり直し。裁判中には野党党首と最高裁判所の裁判官の長時間に渡る通話記録が噂され、裁判官は現政権からかなりの圧力がかかって、3回目の選挙をする判決を出したら政府に暗殺されるだろう…なんて噂まで飛び交っていた。
結局は2回目総選挙で、現職のウフル・ケニヤッタ大統領が圧勝。野党側は当然裁判所に異議申し立てをしたが、裁判所はこれを棄却。政治家たちはサポーターたちを炊き付け、スラムやキスムなどの地方でデモを繰り広げていたが、暴れて壊したり、火をつけたりしているのは、自分たちの住んでいる地元のエリアばかり。ただ暴れたいだけなんじゃないかと疑ってしまうほど。選挙の熱が冷めてきても、野党は未だに「大統領はおれだ!」と言い張っている。選挙で負けているのにどうやって大統領に就任するのか…。
選挙で投票する側もスムーズとは言えず、6時間並ばせられるのは当たり前。日が昇る前から投票所に並ぶ人も多くいた。動かない長蛇の列ができると、そこで飲み物や食べ物を売る商売が始まる。当然通常より料金は高い。それでも最初の選挙の投票率は70%を超えているのだから、ケニア人の政治への関心の高さが窺える。
多少の暴動はあったものの、アフリカの選挙は政(マツリゴト)、まさしくお祭り。2007年の選挙もそうだったが、羽目を外してしまいがちな人たちが出るのもご愛敬。投票権を持たない私にとっては、政権や大統領よりもジリジリ上がる物価や、いつまで経っても変わらない渋滞が悩みの種だ。渋滞といえば、交差点を信号機付きラウンドアバウトに作り直したまではいいが、そこには、いつも4-5人の警察官が信号無視の車を見張っている。それなら信号機を設置せずに、警察官が誘導すればいいのではないかと思ってしまうほどに張り付いているのだから、何のための信号機なのかわからない。
マサイマラのロッジ
そんな感じで、夏から長かった選挙戦もようやく終わりが近づいてきた。国際ニュースで恐ろしく書かれているような治安悪化も特になく、この秋はハネムーンのお客様がたくさんケニアを訪れてくださった。
この数カ月、私の住むナイロビは選挙一色だったので、気分転換も兼ねて(?)久しぶりにマサイマラ国立保護区に行き、以前から視察したかった多くのロッジを見てきた。残念ながら動物を探す時間はなかったが、サファリをせずとも、ナイロビを離れてフィールドに出るのは気持ちがリセットされる。
今回見てきたロッジの中で、私のお勧めはキリマ・キャンプ。西部のオロロロの丘に建つ見晴らしの良いロッジで、保護区の外に位置するため、乗馬サファリも楽しめる。自家栽培で無農薬野菜を育てているので、食事もばっちり。試していないが、スパからの眺めも素晴らしいという。長旅の疲れを癒してくれるだろうし、サファリをしていた大地を丘の上からゆっくり眺めて過ごす贅沢な時間になること間違いない。募集型ツアーでの設定はあまりないが、今年は40周年のツアーとしてキリマ・キャンプを利用する予定なので、ぜひご一考ください。