4/26(金)発「GW特別・タンザニア・サファリ・ハイライト11日間」に同行させていただきました。
雨期のタンザニア。車窓にうつる、白や黄色の花々が咲き誇る桃源郷のようなンゴロンゴロ、新緑のサバンナは、私たちの目を楽しませ、どこか動物たちも喜んでいるようでした。「運が良い」という言葉を何度も口にするほど、感動的な出会いが多く、心配していた雨に打たれることもなく、最終日、空港到着後、私たちの帰りを惜しむかのように降り出したスコールがどこか、この旅行を祝福してくれているようでした。
ツアー初日に訪れるのは、タンザニアサファリの起点になるアルーシャの街から約3時間のマニャラ湖。マニャラは、マサイ語で、サボテンの一種、エマニャラ(ミドリサンゴ)が由来。昔、マサイの人々がこの地へ移動してきた時、動物達が嫌がる毒性の液体を出すこの植物が、大切な家畜を天敵であるライオンから守ってくれたという事から、湖の名前が付いたそうです。
この日は日曜日。マニャラ湖手前の小さな町ムトワンブは、朝の教会へ向かう人々の姿も。
巨大なクレーターが有名な、ンゴロンゴロ自然保護区。数百年前の大噴火と地殻変動によってできた巨大なカルデラ内では、約2万5000頭もの野生動物たちが生息しています。地球の割れ目とも言われる大地溝帯に位置し、断層からは数百万年前もの人類の化石や足跡などが発見され、人類発祥の地「オルドバイ峡谷」も見どころの一つ。放牧、居住が許された自然保護区内はマサイの人々が暮らしており、動物の楽園だけではなく、太古から人間と動物が共に暮らしていたことが窺われます。
ンゴロンゴロでは、マサイの村も訪れました。時間帯が夕方だったという事もあり、放牧に出かけていた牛たちが戻ってきて、これから、牛を寝床(敷地の真ん中にある牛小屋)に入れると少し忙しそうなマサイの方々でした。
この名前、正しくは、「オルト“パイ”」という名前という事はご存知ですか??この地を訪れたドイツ人生物学者が、自生するサイザル(マサイ語でオルトパイ)を聞き間違ってオルドバイと呼んでしまったため、オルドバイになったそうです。
200万年も前の地層の周りでは、マサイの人々が牛を負い、サルの親子が毛繕いをし、人も動物も変わらぬ日常を送っていました。この地から旅に出た私たちの祖先たちも、きっと太古の時代も同じように、家族と共に暮らしていたのでしょうね。
そして、いよいよ“果てしない草原”セレンゲティへ。
1年のサイクルで移動を繰り返すヌーの大群。今回は、ミネラル豊富な草木が生えるセレンゲティとンゴロンゴロの境界線沿い、そしてセレンゲティの中央部に多くのヌーやシマウマの群れが集まってきており、2月頃に産まれたばかりの子どもたちの姿も多く観察することができました。
特にセレンゲティでのサファリで、想い出深い出来事の一つは、チーターの親子との出会いです。セレンゲティを南から北に通る一本道をロッジに向かって進んでいた時のこと、道路を横切ろうとするチーターが目の前に。
そして、産まれる・生きる命があれば、生きながらえる命との出会いも。セレンゲティ2日目は、特に自然の摂理を感じずにはいられませんでした。サファリの途中に出会った群れから遅れてしまったシマウマ。口からは粟を噴き、顔の周りにはハエがたかり、明らかに衰弱しているのが分かりました。ガイドのキサモによると、恐らく、高齢による衰弱で、ハイエナ達にいずれ狙われるだろうと。
数百メートル先の群れを弱弱しく見つめるシマウマの表情が脳裏に残りながら、サファリを進めると、その先には、泥沼に足を取られ横たわるヌーの姿が。若干、耳が動き、まだ息はあるも、足も折れているようで自力で這い上がることは不可能。あの場で倒れ込むことしか出来ない彼もまた、シマウマと同じように、ゆくゆくは捕食者の格好の標的になってしまいます。
そんなこの日は、最後にクライマックスが。ヒポプールで、夕日とカバを眺めていた時に起こりました。
存分に、カバ観察を楽しみ、岸の反対側にいるヌーの群れを眺め終え、車に戻ろうとした時でした。向こう岸で川を渡るヌーの群れが!
予想外の展開に、渡り終えた後は、皆さんでジャンボブワナを合唱!川渡りといえばマラ川が有名ですが、こういったいくつもの川を越え、1年をかけて3,000㎞もの距離を移動するヌーたちの群れを、来年も無事に戻ってくるよう祈りを込めて眺めていました。
セレンゲティでは有難いことに毎日のようにヒョウを見ることができました。
ツアーの最後は、フォトジェニックなバオバブの木で有名なタランギレ国立公園へ。
宿泊したロッジは、公園が一望できる眺めの良いテント型ロッジ。公園内にあるため、敷地内は常に動物たちが行き来をしています。テントを出るとウォーターバックが!という事も。
タランギレ宿泊の日は新月ということもあって、夜には満点の星空。星たちが輝く中、動物の鳴き声を聞きながら眠りにつくという、サファリの醍醐味も味わうことができました。
あそこで、カバをゆっくり見ていなければ、あそこで、ガイドのキサモが反対岸ヌーの姿を発見していなければ、ヌーの川渡りは見ることができなかった。野生動物、自然の中に、私たちがお邪魔させていただくからこそ、一緒に過ごさせていただいたお客様の動物愛、ガイドの頑張りが全ての「ラッキー」を引き寄せていたのだと思います。
どんな動物に出会えるかだけではなく、どんな「景色・ストーリー」に出会えるか、それこそタンザニア・サファリの楽しみではないかと感じた11日間でした。
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根本