毎年恒例となっている2月のボツワナ、緑の季節のマシャトゥ動物保護区自然写真撮影ツアー、今年は1日〜9日の日程での開催となった。去年のボツワナは大旱魃で大きな被害が出ていたが、今年の雨季は一転、かつてないほどの大雨が降り続いたおかげでマシャトゥ全域は緑で溢れ、普段は枯れている川も水で一杯だった。
雨季は単に雨が降るだけではなく、水が突然増えることによる環境の激変が起きる時期だ。最初の大雨直後であればハマビシの黄色い花が辺り一面咲き乱れていたはずなのだが、今回はタイミングが2週間ほど遅かった。その代わりバッタなどの昆虫が大発生したタイミングだったため、それらを狙って数多くの鳥たちがやってきていた。特にシュバシコウ、アオハシコウ、アフリカハゲコウといったコウノトリ類が物凄い数いたし、アシナガワシのような比較的珍しい猛禽も撮ることができた。いずれも渡り鳥なので、乾季にマシャトゥで彼らを見ることはない。
緑が多いということは草食獣たちにとっては子育てをするのに絶好の条件なわけで、インパラやヌーの多くが生まれて間もない赤子を連れていた。そして肉食獣にとっては捕らえやすい獲物が突然増えることを意味する。普段ライオンやチーターのおこぼれを狙うか、小鳥や爬虫類などを捕らえているセグロジャッカルまでもがインパラの子を追いかけていた。彼らがあのように本気で走る姿を見たのは初めてだった。
マシャトゥは大型肉食獣の数が多いことでも知られており、今回もライオン、ヒョウ、チーター、ブチハイエナは問題なく撮ることができた。特にヒョウに関しては、誰がどこに縄張りを作っているかまで常時把握されているので、毎回複数の個体に出会うことができる(今回は4頭だった)。マシャトゥに通い始めて今年で15年目になるが、ヒョウに出会えなかったことは一度もない。一方チーターはテリトリーではなくホームレンジと呼ばれる広大なエリア内を放浪しながら暮らすのでいつも出会えるわけではないが、首尾良く4頭の子を含むチーター家族に、それも美しい光の中で遭遇した。
マシャトゥはいつ行っても実に楽しい場所だが、特に雨季は動物たちのコンディションが良く、活性の高さも際立っているので撮影条件は非常によいと常々感じている。











