2025年8月3日出発「ガボン・エクスプローラー 13日間」にご参加された、神奈川のK夫妻様からのレポートです。
以前から行きたいと思っていたガボンのツアーが2025年8月初旬からの日程で発表されました。ガボンについては、元フランスの植民地ということで、英語が通用しない可能性が高く、また、サファリを楽しむには国内の長距離移動が必要だということで、これはツアーでの参加がよいだろうと考えていました。心躍らせて早いタイミングで申し込みました。最低6名、6名で満席という贅沢なツアー、無事催行され、参加しました。ツアー中に添乗員の佐藤さんから聞いたところ、10年ぶりのツアー催行とのことで、参加できて幸せでした。
今回の旅行の一番の目的はマンドリルの群れを観察することでした。ただ、容易に会えるとは考えていませんでした。数年前に、テレビで(2018年、日本のテレビが初めてロペに入った時の番組)ロペ国立公園をマンドリルの群れが駆けていくのを見て、「見たいけど、こんなところへは行けないだろうな」と思っていた、その場所へのツアー。行けるだけでラッキーと思って参加を決めましたが、さすがにゴリラほどきっちり観光化はされていないと考えていました。道祖神さんのパンフレットにも、ゴリラのような「遭遇率は90パーセント以上」という宣伝文句はなかったので、参加する側としても、声でも聴ければ幸せと考えていました。
今回のツアーは、ガボン国内の移動が、過酷に見えて面白さもあり、それを楽しむだけでも意味があると思っていました。アフリカで列車での移動、ボートで川やラグーンを5時間程度移動するなど、困難も予想されますがワクワクもありました。
まずは首都のリーブルビルへ向かいました。リーブルビルの空港は大きくはありませんが清潔な感じがありました。入国審査は、手際が良いとは思いませんでしたが、書類に不備がなければ問題なく入国できました。ただ、やはり言葉はフランス語のみなので、細かいことを聞かれるとちょっと困るところもありました。ただ、今回はツアーということで佐藤さんにお世話になりながら無事入国できました。現地ガイドのダバラさん(カメルーンから来ているそうです)と合流し、ホテルに向かいました。
リーブルビルのホテルはアメリカ大使館がすぐそこにある場所にあり、安全が確保されている感じがしました。部屋はツインですが2人で使うにはちょっと狭く感じました。全体の雰囲気は良いのですが、よくある話ですが、メンテナンスが行き届いていないため、残念なところもありました(廊下の床面が浮き上がっており、折角色を変えたりしているのにもったいない感じがしました)。食事はビュッフェでしたが、基本食べやすく、良かったと思います。



街の観光は、切手を買うために郵便局に寄っていただいたり、サンミッシェル教会を見学したり、1泊後の観光では海岸線に出たり、民芸品マーケットや一般のマーケットを見学したりしました。特に一般のマーケットの雰囲気は、人々の生活がはっきり感じられました。ガボンの治安の良さが感じられる観光でもありました。



お楽しみの鉄道での移動です。インターネットで調べた感じでは、大荷物は別の車両に載せられるということが書いてあったので、私たちのスーツケースがどうなるか心配でした。そこは添乗員付きのツアーであるということと、アフリカということ、現地旅行会社のガイドさんの働きで、なんとVIPサロンに入れてもらい、そこに大荷物を持っていき、自分たちの車両へ大荷物を載せることができました(狭いところに無理やり重ねて載せました)。鉄道には警察もいるのですが、現地ガイドさんが知り合いで、うまくやっていました。長距離列車なのでトイレもありました。ただ、あたりはずれがあって、写真のトイレは便座がありましたが、斜め向かいのトイレには便座がありませんでした。また、トイレ前の床は腐食して穴がありました。古い車両なのでしょうがないところです。


今までのアフリカでの経験、パンフレットやしおりに書かれている文言(「ロペ国立公園への到着は遅れることが想定されます」と書かれていました)から、出発の遅れや到着の遅れは覚悟していた訳ですが、なんと定刻20時にリーブルビルを出発しました。が、驚いたのは、列車の走る音。日本ではまず考えられない、引っかかるような音で、カーブでは寝ることが難しいような音がしました。座席はしっかりしていますが、リクライニングはなく、夜行列車としてはちょっと残念な仕様でしたが、予定の5時間、それぞれの過ごし方で移動するという感じでした。これもインターネットで事前に知っていた情報でしたが、冷房がきついということでした。その通りで、寝るにはダウンが必要な寒さでした。上にフリース足元にダウンというスタイルで寝ている人もいました。この日は急行としての運行日で、5時間でロペにつくはずでしたが、途中駅についたのが5時ごろでした。やはり予定通りにはいきません。結局ロペに着いたのは、明け方の4時頃でした。体力的にはつらかったですが、これくらいで驚いていていてはいけません。ハプニングを楽しまなければ。到着した世界遺産最寄り駅、ロペ駅にはプラットホームもあるのですが、ほんの一部しかなく、我々の1等車前は単なる線路わきの道でした。皆で、この段差を、スーツケースを持って降りました。スーツケースが荷物専用の車両に積まれていたら大変だったと思います。列車を降りても我々の迎えの車は来ていませんでした。真っ暗な中、心配にはなりましたが、30分位待ったでしょうか、迎えが来てロッヂに到着しました。駅からロッヂはすぐ近くでした。ただ、部屋に入れたのは明け方の5時近く。ただ、ここまで来たのにサファリをしないわけにはいきません。全員で、朝8時集合でサファリに出かけます。


ロペ最初のサファリは、ウォーキングサファリです。しかし、サファリカーが来ない。軍の行事のために駆り出されたようです。1時間以上待ちました。スペイン人のご家族と我々グループで出かけました。熱帯雨林までのドライブ中、ブッシュバックのメスを見ることができました。

さあ、ウォーキングです。国立公園のガイドを先頭に、帯状の熱帯雨林に入りました。この雰囲気だけでもなかなか楽しいものです。ただ、足元には軍隊アリもいるので、トレッキングシューズよりも長靴の方が良かったと思います。下が暗いので、軍隊アリに気づかず、踏んだ人もいました。1時間半~2時間程度のウォーキングで確認できたのは、クロコロブスとブルーダイカでしたが、アフリカの熱帯雨林を歩けるだけでも素敵なことだと思います。写真撮影は、暗いうえに枝や葉が邪魔をしてなかなか良いものは撮れませんでしたが、600mm程度の望遠をつけたカメラを持っていけば証拠写真程度は撮れるでしょう。撮影は苦労する局面も多かったと思います。時にはマニュアルフォーカスも駆使しての撮影となりました。クロコロブスは表情も分かる位には撮れましたが、ブルーダイカは厳しかったです。
午後のサファリは、サファリカーでのサファリでしたが、なかなか動物には会えませんでした。フォレストバッファローはロッヂ前に普通にいたので、拍子抜けしてしまいましたが、マルミミゾウの方はなかなか出会えませんでした。ロペのサバンナについては、なかなか動物を見るのは大変だと感じました。ただ、最後にマルミミゾウをガイドが見つけ、見やすいところに行くためにサバンナを歩いて移動しました。これはこれで心に残る体験でした。皆で岩に上ってしばらくの間マルミミゾウを眺めました。




ただ、よく考えてみると、この時点で、国際自然保護連合(IUCN)絶滅危惧種レッドリストのうち「深刻な危機CR」にあたるマルミミゾウと「危急VU」にあたるクロコロブスに会えているのですから、なかなかな成果ではあります。
今回の旅で一番の目的、マンドリルトラッキングです。マンドリルも「危急VU」にあたります。今回、パンフレットには書かれていなかったのですが、旅のしおりに「3名ずつ、午前と午後に分かれてグループでマンドリルを探しに行きます」と書いてありました。しおりを見て、本格的にマンドリルを見に行くんだと心から楽しみにしていました。道祖神さんでさえガボンは10年ぶりの催行です。それも10年前はロペには来ていないそうなので、日本人が行くツアーとしてはマンドリルトラッキングについてはほとんど情報がありませんでした。ただ、たまたま旅行直前、野生動物の写真展をのぞいた時に、マンドリルの写真を展示していた写真家さんと話すことができました。写真家さんが言うには、ロペのマンドリルは人づけされていないので撮影は難しいという話を聞いていました。「GPSも故障していることがあるから」と言っていたので、不安もありました。
結論的には、午前・午後ともマンドリルの群れに会うことができました。ただ、片方のグループの観察時は比較的群れの動きが小さかったので観察しやすかったようですが、もう一つのグループの観察時は群れの動きが大きくて観察に苦労をしたようです。


私たちのグループのトラッキングについて紹介します。まずは車で小高い丘まで移動し、アンテナで電波を探します。電波発信機とGPSの両方を使っているようでした。その後、熱帯雨林の帯まで車で近づき、またアンテナを立てて方向を確認していました。ただ、熱帯雨林を目の前にすると、すでに森に吠える声が響いてきて、期待が高まってきました。ガイドを先頭に熱帯雨林に入りました。吠え声が大きくなってきました。がさがさという音も聞こえます。ガイドが指さす方向に、マンドリルが飛んでいます。ゴリラトラッキングよりも早く、かつ平地で楽にマンドリルを見つけることができました。ただ、木々が生い茂り、そのためちょっと暗いため、またそれなりに距離があるため、なかなかはっきりとマンドリルを捕捉するのは難しかったです。それでも望遠レンズや双眼鏡で観察できました。ただ、ボス格のオスはなかなか前に出てこないため、より観察が難しかったと思います。実際に遭遇する前は、以前にテレビで見たロペの野生のマンドリルの様子が全てでした。ボス格のオスを中心に地面を走っていく姿がそれです。しかし、実際に見たマンドリルの群れは、高い木の上を枝伝いに動きまわっており、過去に熱帯雨林で見てきたサルたちと変わらない生態だと感じました。また、地面にも降りてきて動いている姿も見られました。特に、ボス格のオスは茂みの奥の地面近くにいました。だから余計に撮影は難しかったです。
1時間程度少しずつ動きながら観察できました。親子のマンドリル、まだ成熟途中のオス、メスも、結構な規模の群れを観察しました。今回、パートナーが動画を撮りました。動画も相当苦戦していましたが、動いているマンドリルを何とか捉えることができていました。
どちらのグループも、マンドリルを無事見ることができました。写真やビデオ撮影もとりあえず証拠にはなる程度撮れて良かったと思います。





ロペは、国立のロッヂということで、サファリに関してはまだこれからという印象はありました。3名ずつ別れた時のマンドリルの観察がないグループのサファリは、あまり充実したものとは言えませんでした。ただ、この環境とマンドリルに会えるかもしれないという魅力があるので、足を運ぶ意味は大いにあると思いました。
ロペ2.5泊(明け方着だったので)の後は、移動です。まずは赤い土の道路をランクルで走ります。それも改造ランクルで、前向きの座席ではなく軍隊の様に向い合せ横向きで座る席です。座席よりも、かたくなにエアコンを入れないドライバーと土埃に悩まされました。マスクをつけていても鼻の中が赤くなりました。3時間程度走り、途中の街でランチ。そこからは、舗装道路で3時間。この舗装道路が曲者で、舗装しているにもかかわらず穴だらけで、まっすぐ走れない。ランチ後は別のドライバーだったのですが、このドライバーがこの穴ぼこをスピードを緩めずハンドリングで回避する。上手いのですが、狭い車に乗っている私たちにはなかなかきつい運転でした。私は酔いました。夕方には無事ランバレネに着き、シュバイツァー博士の記念館の見学をしました。貴重な展示物がたくさんありましたが、保存状態が良くないものもあり、今後の保存活動も必要かと感じました。できれば英語の解説もあると良いと思いました。ランバレネのホテルは広くて快適でした。



ランバレネ1泊後、今度はボートで移動です。10年前のツアーでは、屋根のあるボートだったようですが、今回は高速モーターボートでの移動となりました。前日の車移動よりは圧倒的に気持ち良かったと思います。写真のボートに10名と荷物で、飛ばしていきます。しおりにはオンブエまで5時間と書いてありました。当日の案内は高速モーターボートだから3時間程度と言われました。しかし、結局5時間かかりました。ただ、気持ちは良かったです。途中トイレ休憩は無人島に上陸してブッシュトイレ、その後また走り続けます。上空を鳥たちが飛び、時々カバが登場し、ちょっとしたボートサファリでした。途中、ラグーンに映るマングローブを含む熱帯雨林が美しかったです。




オンブエに着き、船着き場の目の前のホテルにチェックイン。スイートの広い部屋で、連泊しても良いかと思うような部屋でした。ただ、食事が出てくるのがのんびりとしていて、結構待たされることが多かったです。これもアフリカ時間。ただ、食事の質は良く、おいしく食べられました。ロアンゴへの移動は明日なので、この日の午後は近くのゴリラ保護施設やエッフェル設計のサン・アン教会(このような辺鄙なところに、エッフェルの設計した教会があるというのも、もとフランス領というところでしょうか)をボートで訪問しました。ゴリラの保護施設は、現在新たなプログラムを検討中だということで、今回はその新しいプログラムを体験させてもらいました。現在直径3kmほどの島に8頭のゴリラを自然に近い形で保護しており、その島のゴリラを船の上から見学するというプログラムです。事前の案内では、島に上陸し施設内、檻越しにゴリラを見学する予定でしたが、船で待機しゴリラが岸に出てくるのを待ちます。あらかじめ、別のスタッフがゴリラをできる範囲で誘導し、ゴリラが見えるようにしていました。今回は、立派なオスのゴリラ1頭が水辺に出てきました。保護施設とはいえ、檻に閉じ込められていないゴリラが海に入ってくる姿は、なかなか不思議な感じがしました。これはこれで、興味深い体験でした。話によると、ここを運営している団体は、密猟にあったゴリラを保護しているそうですが、現地の市場では信じられないくらいの安値で取引されているようです。ローランドゴリラも、レッドリストの「深刻な危機CR」に当たるので、保護施設とはいえ自然に近い形で会うことができて良かったと思います。その後、船でサン・アン教会のある島へ行き見学をしました。エッフェル塔のギュスターブ・エッフェルさん設計だそうです。鉄骨に鉄板をリベット留めした教会は世界中探してもあまりないと思います。補修ができていない箇所があったのでもったいないと思いました。フランスで設計し、フランスで部品を作り現地に送って組み立てたそうです。なかなか行ける場所ではないですが、建築好きにもお勧めの教会です。ホテルに戻る途中、ボートが何度か故障し、ラグーンの上でとうとう本格的に修理する状態に。波に揺られながら少しずつ染まっていく夕方の空を眺めていました。青空に生える白い雲がだんだんと赤く染まっていくのを皆で眺めて過ごしました。これはこれで素敵でした。修理にそこそこ時間がかかりましたが、サンセット直後にはホテルに戻ることができました。






オンブエ一泊後、ロアンゴへ出発です。が、朝食の準備ができていない上に車が来ない。予定した車種で2台来るはずが、残念な車(エアコンもなくあまりきれいではない)が来たので、また再手配。これもアフリカです。

落ち着いて読書をしたり、散歩したり。私たちは鳥を追いかけたり、隣の教会の讃美歌がだんだんとパーカッションが入ってアフリカンゴスペルに変化する様子を聞いたりして時間を過ごしました。1時間は遅れたでしょうか。2台の上等なピックアップトラックでロアンゴに向かいました。途中まで舗装道路、そこからオフロードで揺られ振られてンドラロッヂに渡る船着きがある村まで行きました。そこからボートで国立公園の事務所に行き、入園手続きをして船でンドラのロッヂに向かいました。「ロアンゴはちゃんとしてます」という佐藤さんの言葉通り、ンドラロッヂは立派で、そこでのランチもおいしかったです。

そこから、アカカロッヂまでボートで行きました。ロアンゴでの最初のサファリです。ボートサファリです。野鳥を追い、陸上の動物を探す感じでした。アフリカンスキマーやヤシハゲワシ、ジャイアントキングフィッシャーなどを見ながら進みました。途中、ホソクチワニを見つけました。これはレッドリストの「深刻な危機CR」にあたる希少種になります。ラッキーでした。そして、お待ちかねのマルミミゾウの姿が見られるようになりました。ガイドさんは、遠いものや見にくい位置のゾウは流して先にボートを進めます。ロアンゴは、マルミミゾウが観察しやすいところにたくさんいるようです。ガイドさんがボートを岸に向けました。すぐ近くにマルミミゾウがいました。ガイドさんがまるでゾウと対話をしているような動きをして、私たちに見やすいようゾウを動かそうとしてくれました。その後も、ロッヂまでの間に多くのマルミミゾウを見ることができました。夕日に照らされ、ゆったりと動くゾウの姿が感動的でした。ロッヂに向かう時、ボートがスピードを出して行きましたが、その時は風が冷たく、フリースとウインドブレーカーが必要なくらい寒かったです。



アカカロッヂについては、電気の供給も時間制限あり、基本水シャワーとパンフレットやしおりに書かれていました。実際に行ってみると、電気もある程度の時間は使え(夜10時から朝6時までは使えませんでした)、シャワーもお湯が出ました。離れたところにある小さなロッヂにしては快適でした。給湯器(?)は薪で、薪が燃えている間はお湯が出るというなかなかクラシックなシステムでしたが、シャワーを浴びる時間さえ間違わなければ温かいお湯でシャワーを浴びられました。シンプルなテントロッヂですが、スタッフが作る食事はすべておいしく、満足できるものでした。




ただ、この乾季のみ営業のアカカロッヂのサファリはボートとボートを降りてのウォーキングサファリのみでした。パンフレットやしおりには車でのサファリがあると書かれていたので、残念に思った人もいると思います。3泊の間に移動の1回を含め5回のサファリを行いましたが、ウォーキングサファリを1回した以外はすべてボートサファリでした。オカバンゴの水辺のロッヂのサファリに近いと思いました。
ロアンゴは、マルミミゾウは本当に近い距離でたくさんの個体と遭遇することができる場所でした。テントのデッキからもマルミミゾウが食事をしている姿を眺めることができました。夜はロッヂのある島にもマルミミゾウが来るそうですし、一度メインロッヂのデッキで居ながらサファリをしていた時、デッキの近くの入り江から水に入っていき渡河をするゾウを見ることができました。



ウォーキングサファリでは、たくさんの動物の気配を感じることができました。サルたちが木の枝を伝っている音と姿、イノシシが群れで動く影、マルミミゾウの痕跡、飛び立つ鳥。熱帯雨林の中、時には泥濘に足を取られながら、動物たちを探して歩くだけでも気持ちの良いものでした。ボートに戻って一休み、ドリンクサービスがあり、のどを潤してからロッヂに戻りました。




ボートサファリでは、たくさんの野鳥とマルミミゾウを見ることができました。細かく数えてはいませんが、多くの野鳥と出会いました。撮影したかったルリハシグロカワセミやバライロハチクイ以外にも、親子のカンムリカワセミやヒメショウビン、カンムリエボシドリなどの美しい野鳥の写真を撮ることができました。カンムリエボシドリは、ウガンダだと街中にもいますが、海辺近くの熱帯雨林の森を飛ぶカンムリエボシドリの方がより美しさを感じました。絶滅危惧種でいうと、上空には普通にヨウムが飛んでいました。



マルミミゾウは色々な姿が見られました。子連れや群れ、川を渡る姿。以前コンゴ共和国で見た時よりも、近くで生き生きとした姿が観察できました。サルも数種類見ることができました。アカカ周辺では、なかなかローランドゴリラやチンパンジーは観察できないと思いました。ただ、レッドリスト「危機EN」にあたるシロエリマンガベイを観察することができました。ボートサファリだとゾウ以外の大型の哺乳類はなかなか見つけられませんでした。ただ、シタツンガは皆が見たいと思っていました。現地のガイドには最後の午後はロッヂでゆっくりするのが普通だと言われましたが、我々日本人は短い夏休みを使って遠くから来ているので、最後もサファリに出かけました。その最後のボートサファリで、ペアのシタツンガと子供のシタツンガを見つけることができました。シタツンガは湿地に特化しているイメージがあり、軽やかに湿地を駆けていくイメージでしたが、私たちから逃げていくときにバタバタ水たまりを駆けていくので、思ったほど格好よくはなく、コミカルでした。最後のサファリの帰路、ボートから陸に上がって、サンダウナーを楽しみました。スタッフ総出で準備をして待っていてくれました。ガボンでの最後のサファリの時間を、皆さんと気持ちよく過ごすことができました。



ガボンは一日中湿度が高く、早朝のアカカロッヂのテラスから見える景色は霧につつまれます。時間が進むにつれて少しずつ遠くまで見えるようになってきます。ロアンゴ出発の日は、朝が早く、薄く霧がかかる中をボートで移動しました。赤道直下というのに、風が冷たかったです。公園事務所までボートに乗って2時間程度で移動し、ロッヂのスタッフとはお別れです。ここからはオンブエを抜けてポート・ジェンティまで車移動です。オンブエの近くから舗装道路になりましたが、オンブエを抜けてしばらくすると幹線道路が工事中となり、また赤土のがたがた道になりました。ポート・ジェンティは油田近くの商業都市の様で、空港も設備が整っているようでした。昼食はカフェスタンドのサンドイッチでした。旧フランス植民地あるあるですが、パンがおいしい。結構なボリュームでしたが食べきることができました。空港外側のオープンなカフェで安心してランチがとれるというだけで、ガボンの治安の良さが分かります。ただ、トイレは、便座がなかったり、使えない個室もあったりと、なかなか一筋縄ではいきません。フライトはあっという間で、無事リーブルビルに到着。入国時と同じホテルに宿泊しました。


一泊後の最終日は、ポストカードを出すために、中央郵便局まで車を出してもらいました。海外に出るとポストカードを出すことにしているため、切手も買ってハガキも完成させていたのですが、「空港で出すと日本に着くまでに時間がかかるから、中央郵便局までいきましょう」とガイドさんに言われて行きました。旅のしおりには「郵便事情は劣悪で」と書かれており、「届かない場合もあり、所要日数も2週間から1か月」と書いてありました。これを書いている旅行から約1か月後にまだどこにもハガキは着いていません(別の話になりますが、前年にヨハネスブルクの空港から出したハガキは、配達された時期がばらばらで、早いものは一か月、半年程度である程度届き、1年かけて最近届いたハガキもありました)。入国初日に切手を購入した郵便局まで行きました。以前ガボン共和国のブラザビルでも、中央郵便局からハガキを投函しました。その時のポストと同じで、投函口に「フランス」や「パリ」の表記がありました。
ホテルに戻り、ホテルをチェックアウトしました。空港近くのスーパーで買い物をし、空港に向かいました。あっという間に空港に着き、ガイドのダバラさんとお別れです。

充実した13日間の旅でした。今回の旅のメンバーの中で、私たちが一番アフリカ経験が少ないよう感じました。それでもある程度旅を重ねてきたからこそ感じられるものがある旅だったと思います。
今回の旅で、ガボンに行くときにおさえておくと良い点をいくつか感じたので書いておきます。
まずは、日本ほど時間に正確さを求める国はないということです。いろいろなことがゆっくり動く時があります。ツアーならばちゃんと調整してもらえるので安心です。
英語がほとんど通じません。街の入り口の検問所の警察は「私はフランス語しか話さない」と言いました。ホテルのレセプションでも、空港でも英語は使えませんでした。ロアンゴのロッジのガイドさんが一番英語が通用したと思います。
車や鉄道は冷房がきついので、防寒具を手荷物に用意すると良いです。特に鉄道は夜行ということもあり、防寒着なしで寝るのはきついと思います。
乾季の虫対策でいえば、ロペはそれほど気にならなかったですが、ロアンゴはツエツエバエがいました。肌の露出を避けることが一番です。ボートサファリはツエツエ対策で長靴を履きました。結局、首や手をかまれましたが。
小さくたためる丈の長い長靴があると、ロペのマンドリルトラッキング(川もあります)、ロアンゴのウォーキングサファリ(ぐちゃっとした泥道もあります)が楽になります。
赤道直下ではありますが、朝晩の高速ボートは寒くなります。これも防寒着が必須です。また、ボートは濡れることを考えておいた方が良いです。
出会える動物の種類はそこまで多くはありません。また、ほとんど何も見えない時もあります。それでも、ここに行く価値はありました。ここでしか見られない、会えないものがありました。乾季とはいえ、水が豊富にあるアフリカの熱帯雨林を感じられる旅としてお勧めできます。