アフリカ中央部には、南米アマゾンに次ぐ世界で2番目の規模の森林が広がっています。そこには植物・生物ともに豊かな自然が残っていますが、近年、森林伐採業の影響で深い森にも人間の手が入り込み、環境が大きく変わってきています。しかし、コンゴ共和国の北部、カメルーンと中央アフリカと国境を接するヌアバレ・ンドキ国立公園は、周りを流れる河川のおかげか、人類の影響が及んでいない「地球最後の楽園」とも言われています。
道祖神では数年ぶりとなるヌアバレ・ンドキ国立公園訪問。地元の人々には悪霊の住む森(=ンドキの意)と呼ばれるこの森が、果たして天国となるのか、地獄となるのか!?パリを経由し、出発地となるカメルーンのヤウンデに私たちは降りたちました。
どんよりとした空の下、ヤウンデの交通渋滞を抜け、カメルーン南東部の森林地帯を行く。肌を通りぬけていく風はさわやかで、夏の日本からの訪問者にとっては避暑地のように心地良い。バカの人々の村やカカオ畑を眺めながら、深い森の中に伸びる赤土の道を行く。この赤土の道は一度雨が降り出すと極悪路へと変わる。帰り道ではどしゃ降りの雨に会い、地元のトラックがスタックしている場面も見た。私たちの車はランドクルーザーなので、安心。しかし、これを書いている私は、過去個人旅行でこの辺りをオートバイで走っていた際、大雨に遭い、ヒドイ思いをした経験があるので、お客様は皆さん悪路を楽しんでいらっしゃったが、添乗員は一人過去のことが思い出され、ずっと気が重かったのである・・・。この道は森林伐採業者が切り開いた道で、地図には載っていない。よくもまあこんなところに道を切り開いたものだ。果てしない人間のエネルギー。
ヌアバレ・ンドキ国立公園へのボートが出るリボンゴへ。この小さな町も森林伐採の拠点とするために作られた町で、木材加工工場が見える。
待っていたボートはとてつもなく大きな木をくり抜いた大型のピローグ。椅子は備え付けられていないので、キャンプ用の折りたたみ椅子に座り、いよいよサンガ河を下っていく。地元の漁師や小さな村の人々に手を振りながら、クルージングを楽しんでいると、前方に真っ黒な雲。と思った瞬間バタバタと大粒の雨に降られ、急いでカッパを着る。仕方がないので景色を楽しむことなく一行はずっと頭を伏せ、船底を眺めながらヌアバレ・ンドキ国立公園の入口でありメインキャンプとなる、ボマサへ向かったのであった。
日本からカメルーンへ飛行機で2日間、そして4輪駆動車でさらに2日間。揺られに揺られ続け、ようやく我々一行は、ボマサに到着したのであった。
その2につづく
佐藤