先日、アフリカ最西端の国、カーボ・ヴェルデ共和国を訪問するツアーに同行させていただきました。
弊社のアフリカ好きのお客様の中でも、どこにある国だ??と思われる方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明させて頂きますと、カーボ・ヴェルデ共和国は、アフリカ大陸の西端の国セネガルの沖合い600kmほどの所にある、大小18の島(有人島はその内8つないし9つ)からなる国です。
人口の過半数以上のクレオール(白人と黒人の混血の人達)と30%のアフリカン(セネガル人、ギニア人など)、数%のヨーロピアンで構成されています。公用語はポルトガル語(一般的には、ポルトガル・クレオールが話されています)です。
大航海時代(15世紀中頃)にポルトガルの冒険家が発見するまでは無人島で、以後、ヨーロッパとアメリカ大陸を結ぶ航路の重要な拠点、また奴隷貿易の拠点として、ポルトガルによって植民地化、発展を遂げました。進化論で有名な、かのチャールズ・ダーウィンも、イギリスから南米へと向かうビーグル号の航海の途中で寄港しています。
1975年には、ポルトガルから独立し、1991年には、アフリカの歴史上初めて、民主的な「選挙」によって政権、大統領が交代した国でもあります。国土のほぼ全域が火山島群のため十分な資源は無く、そのため食糧や生活用品等の多くを輸入し、また海外からの援助、また海外移住者(国の人口が約53万人に対して、海外移住者は、70万人とも言われる)からの送金に頼る部分も大きく、貧困層が多いのは事実ですが、概して治安が良く、第3次産業(観光業)が国の収入の基盤となっています。
この国を訪問するにあたって一つ大変なのは、日本からのアクセスです。アフリカ最西端の国という事で、日本からは、最も遠いアフリカの国になります。日本からの一般的な飛行ルートは、日本⇒ドバイもしくはドーハ⇒カサブランカ(モロッコ)⇒プライア(カーボ・ヴェルデ)になります。
今回は、運悪く、カサブランカからの直行便がフライトキャンセルになってしまったために、カサブランカ⇒リスボン(ポルトガル)⇒プライアと移動する事に。
また、カーボ・ヴェルデは、島国のために、国内の移動も、国内線もしくはフェリーとなります。今回は、10日間のツアーで、国際・国内線合わせて9本という、飛行機がお好きな方には、これ以上ないオススメの日程になりました!
と、いきなりマイナス面をお伝えしましたが、この国の魅力は、多様です。
火山島としてのユニークな風景(今回訪問したフォゴ島、サント・アンタン島を筆頭に)、綺麗なビーチリゾート(サル島)、新鮮で美味しいシーフード(どこのレストランでも!)、クローグと呼ばれる伝統のラム酒やワインも美味しい物が手に入ります。哀愁漂う伝統音楽(モルナ)も外せません。
◎フォゴ島
◎サント・アンタン島
降水量が極めて少ないカーボ・ヴェルデの中で、最も湿潤な島です。豊かな緑は、やはりほっとします。8月~9月が雨季で、1年間のほとんどの雨が、この時期に降ります。
※トレッキングルートは、ご参加の時期やその他条件等により毎回異なります。今回ご紹介のルートではない可能性もございますので、ご了承ください。
この島は、クローグ(ラム酒)が有名です。ラム酒の原材料はサトウキビで、栽培地でしか行えないアグリコール製法、そして昔ながらのトラピチェ式(牛を使って絞り機を回す)が行われている所もあります。
◎サン・ヴィンセンテ島
今も、国内の島々へのハブポートとなっていて、フェリーの他、タンカーや漁船も行き交う。港街は、パステルカラーでコロニアルな雰囲気が漂います。
◎サン・ティアゴ島
人口の約半数が居住し、首都プライアを擁するメインランド。
この国唯一の世界遺産(2009年登録)、シダーデ・ヴェーリャがあります。奴隷貿易の拠点という重い歴史を抱えていますが、現在は、観光地としてにぎわいを見せます。開拓当時の住居や、海賊また他国の侵略を防ぐための要塞、侵略者に破壊されてしまった教会跡などが残ります。
しかし何と言っても、この国の最大の魅力は、人の良さにつきます。
ガイド、ホテルのスタッフはもちろんの事、街行く子供たちから、マーケットで袖振り合うおばちゃんまで、とにかく皆、大らかで優しい。カメラを向けると自然な笑顔が返ってきます。
多くのアフリカンに特有の底抜けの明るさというよりは、実直で親切という部分が印象的でした。日本から遠いアフリカの国で、「おもてなし」を受けること請け合いです。
荒木