ナイロビ市といってもそれなりの広さがある。中でも中心にあるオフィス街は「タウン」と呼ばれている。道祖神ナイロビオフィスもタウンにあるので、今回はそんなタウンでの日々をご紹介したいと思う。
厳格なセキュリティ
タウンには様々な人がいる。ストリートチルドレンから1,000万円以上するような高級車を転がす人まで、本当にいろいろな人がいるからこそ、タウンは特にセキュリティが厳しい。スーパーだろうがオフィスビルだろうが、必ず金属探知機で身体と荷物を調べられる。警察官もそこら中にいるので、タウンで写真を撮ろうとカメラを構えた途端に飛んでくる。そこらに生えている木を撮ろうが、地面を撮ろうがお構いなしに「セキュリティが~」と言ってやってくる。それでもタウンで自撮りをしている女性ケニア人に対しては何も言わないのだから不思議で仕方がない。
雨のタウン
この「DODO WORLD NEWS」が発行される頃、ケニアは雨季の真っ最中だろうが、4月半ばの今でも時折雨がザーっと降る。
雨が降るとタウンはどうなるのか。そこら中に大きな水たまりができ、信号が消える。そして雨が弱い間は警察官が車を誘導するが、雨が激しくなると警察官がどこかへ行ってしまう。警察官がいなくなってしまった後の交差点は、人が通れないほどに車が密集しゴチャゴチャになる。思わず「どうしてこうなった…」と言いたくなるような渋滞がおこる。基本的にケニア人は時間にルーズな人が多いが、車に乗ると人が変わったように飛ばす。車間もガンガン詰めるし、ウィンカーを出さずに進路変更し、前へ前へと突き進む。「そんなに急いでどこに行くんだ」と不思議でならないが、それが原因で交通事故も多いし、事故による渋滞も多々ある。「もう少し落ち着いて運転すればいいのに」と思うばかりだ。
強いものには逆らえない
タウンには私服警察官を含む警察官が多く、彼らに逆らうことは基本的にできないし、彼らに何かを言われたら、笑顔で冗談が言えるくらいでないといけない。怒ってしまうと逆効果で、相手の警察官も売り言葉に買い言葉でヒートアップしてしまう。挙句の果てには警察署に連れていかれてしまうので注意が必要だ。
先日お客様のお出迎えで空港に行った際、道路に等間隔で警察官が並んでいた。嫌な予感しかしなかったが、案の定、後ろから猛スピードで走ってくるバイクと車。真っ黒でピカピカな車を見ると、日本人的感覚では「危ない人が乗っているのではないか」と思ってしまうが、政府関係の偉い人を乗せた車だと思われる。偉い人を乗せた車がそんなスピードで走って危なくないのかと疑問に思うが、車を端に寄せてやり過ごす。そこから空港までも警察官が等間隔で並んでいた。偉い人もどうやら空港へ行ったようだった。その後が大変で、なんと空港の入り口が封鎖されていた。防犯上のことなのだろうが、飛行機に乗り遅れてしまったらどう責任を取るのだろうか。数十分後には開放されたが、「これが権力か…」と呟かずにはいられない出来事だった。
ナイロビ郊外
タウンから少し離れれば渋滞はほとんど解消されるし、ごみごみした環境からも解放される。30分も走ればナイロビ国立公園だし、ジラフセンターやシェルドリック動物孤児院で動物に触れあう機会もある。この環境はケニアだからこそで、日本では手に入らない。ナイロビでの生活は日本とは違ったことで困ることが多々あるが、それでも草原に佇む動物たちや大自然を見ると、そんなことはどうでもよくなってしまうほど心を癒されるから堪らない。