プライベートでアフリカに旅行へ行くと、ついつい探してしまうものがあります。それは、現地のレコード屋さん。
最近のアフリカ諸国では音楽を聴く手段として、もっぱらCD(海賊版)や、都市部ではダウンロードしてスマホで聴くという手段が殆どですが、人知れず古いレコード盤や、カセットテープをまだ守り続けている人もいます。見つけてしまうと、つい手に取らずにはいられません。音楽へのアクセスが手軽になった現代では、こういう古い媒体はむしろ贅沢なものになりつつありますが、私がナイロビ駐在時代に通っていた一軒のレコード屋と、そこの名物オヤジをご紹介します。
場所はナイロビにある地元の人向けの市場、ケニヤッタ・マーケット。一般の観光客の方が訪れる機会があるところではないですが、いつ行っても地元の人達で賑わっているローカル・マーケットです。
様々な店が雑然と並ぶ正面入り口を抜けてすぐ左手へ。牛や羊の肉が天井からぶら下がるニャマチョマ(焼肉)屋通りを抜けたところにひっそりとMRジミーという男の経営する一軒の古い店があります。


このMRジミーさんは、中部~東部アフリカにかけて長年積み上げた独自のネットワークを持つ生粋の『レコード発掘屋(digger)』で、わずか3畳くらいの彼の店には、長年収集してきた大量のレコードが整然と並べられています。往年のキンシャサ発リンガラミュージック、ケニアの古き良きベンガと呼ばれるスタイルの音楽、稀にエチオ・ジャズの貴重盤も紛れていたり、勿論ケニア人が大好きなジャマイカの古いレゲエのレコードもずらり。


やはり、ケニアならではの掘り出し物と言えば、かつてナイロビでプレスされていたベンガ・ミュージックの7インチ・ドーナツ盤でしょうか。スワヒリ語、キクユ語、ルオ語などケニアの各地で歌われていた当時の録音1点ものばかり。
ベテランのレコード・コレクター、MRジミーが掘り出してきた音源はどれも間違いないものが揃っているのですが、希少なものも多く、まとめ買いできるほど値段が安いわけでもありません。
フレンドリーなMRジミーのアフリカ音楽講座に花を咲かせながら、これぞという1枚を耳で探し当てるのは至福のひと時。ついつい時間を忘れて長居してしまう事もしばしばでした。


またいつか、ジミーさんと一杯やりながら、ゆっくりレコードを聴き比べしたいなあ、と思う今日この頃です。
by 生野

道祖神