2019.4.26発 GW特別版 ケニア・サファリ・ハイライト 10日間

今年最大の大型連休となったゴールデンウィークに『GW特別版ケニア・サファリ・ハイライト 10日間』のツアーに同行させていただきました。
半月前には現地ナイロビ駐在員から、雨期なのに雨が降っていないとの情報があり、埃っぽいかも?との連絡がありましたが、到着の数日前から雨も降りだしたようでアンボセリではスコールも体験しました。

今回はゴールデンウィーク特別版なので4WDのサファリカーを利用します。
今回はゴールデンウィーク特別版なので4WDのサファリカーを利用します。
ロッジ近くの湿地帯ではバッファローがのんびり草を食んでいます。
ロッジ近くの湿地帯ではバッファローがのんびり草を食んでいます。

ロッジに着いた後ランチを食べて、少し休んでから午後のゲームドライブに出かけます。

インパラやゾウなどを見学しながら進んでいくと...。(因みにゾウの向こうに見えるのが今回宿泊したオルトカイロッジです。)
インパラやゾウなどを見学しながら進んでいくと...。(因みにゾウの向こうに見えるのが今回宿泊したオルトカイロッジです。)
いきなりレアなサーバルキャットに遭遇しました。こちらを警戒しているのか目つきが悪いです。
いきなりレアなサーバルキャットに遭遇しました。こちらを警戒しているのか目つきが悪いです。

その後もレアなオオミミギツネやライオンの群れ、チーターなども見ることができました。初日からラッキーです。

オオミミギツネ
オオミミギツネ
ライオン
ライオン
チーター
チーター
翌朝は昨日の夜降った雨でキリマンジャロがうっすら雪を被っていました。
翌朝は昨日の夜降った雨でキリマンジャロがうっすら雪を被っていました。

アンボセリでは、オプションで近くのマサイの人々が住む村を訪問できます。まずは歌と踊りで出迎えてくれます。火を起こすには材料が湿っていたようで頑張っていました。最後には土産物販売もあります。

歌と踊りで出迎え
歌と踊りで出迎え
火起こし
火起こし
土産物販売中
土産物販売中

アンボセリを後にナクル湖へ北上します。

ナクル湖ではシロサイを見ることができました。これでBIG5達成まであと1歩です。
ナクル湖ではシロサイを見ることができました。これでBIG5達成まであと1歩です。
イボイノシシの親子も見られました。子供も親を真似てひざを折って草を食べていました。
イボイノシシの親子も見られました。子供も親を真似てひざを折って草を食べていました。

ナクルから南下してマサイマラを目指しますが、途中オプションでナイバシャ湖のボートサファリへ。

ボートサファリに出発
ボートサファリに出発
ボートサファリはバードウォッチングがメインですが、カバにも出会えました
ボートサファリはバードウォッチングがメインですが、カバにも出会えました
サンショクウミワシも2羽いました。
サンショクウミワシも2羽いました。

ボートサファリ後、ランチを食べてマサイマラへ向かいます。

ロッジに着く途中の夕焼けと動物の景色が感動的でした。
ロッジに着く途中の夕焼けと動物の景色が感動的でした。

翌日はほとんどの方がバルーンサファリに行き、残った方と朝のゲームドライブへ。途中上空にバルーンが見えてきました。

早朝出かけた方々はあのバルーンに乗っているのだろうか?
早朝出かけた方々はあのバルーンに乗っているのだろうか?

その後、トムソンガゼル、シマウマなどを見ながら進んでいくと

ハネムーン中のライオンに出会いました。
ハネムーン中のライオンに出会いました。

翌日は半日サファリでライオンのハンティングの後の捕食シーンを見ることができました。

ライオンの捕食シーン
ライオンの捕食シーン
こちらをじっと見ているマサイキリン達
こちらをじっと見ているマサイキリン達

その後、マラ川まで行き、レンジャーのご厚意でショートウォーキングサファリも体験

ウォーキングサファリ中
ウォーキングサファリ中

最後のゲームドライブでは、残念ながらヒョウを見ることはできませんでしたが、カバの群れで締めくくり。

カバの群れ
カバの群れ

ご参加の皆様ありがとうございました。
またツアーを検討中の皆様、弊社定番ツアーの「ケニア・サファリ・ハイライト10日間」は変化に富んでいてお勧めです。夏休みにも設定がありますので、ぜひご検討ください。
■ケニア・サファリ・ハイライト 10日間
■ケニアのツアー一覧はこちら
海野

2019.3.1発 ベスト・シーズンのタンザニア 10日間

すこし前になってしまいましたが3月1日から10日間、弊社のサファリツアーの中でも最も『サファリ』に特化したものの一つ、「ベスト・シーズンのタンザニア 10日間」に同行させていただきました。
何が「ベスト・シーズン」なのか?個人的には、サバンナで見られる野生動物の多さ、種類に関しては、ガイドの腕と運によって大きく左右されると思いますし、乾季でも雨季でもその時期らしい風景、その時期ならではの野生動物に出会えると思っていますので、旅行時期で迷っていらっしゃるお客様には「行ける時がベスト・シーズンです!」とご案内しているのですが、この時期(2~3月)のタンザニアに関しては、南からヌーとシマウマの群れが徐々に北上を始め、群れはンゴロンゴロのンドゥトゥ地区やセレンゲティ南部の平原を埋め尽くすほどの数に膨れ上がります。また移動しつつ雨の到来の前に出産するため、多くの子供連れや、運が良ければ出産シーンもご覧いただける、かつこの時期はンゴロンゴロ~セレンゲティに生息する他の哺乳動物の8割以上の種が出産するため、ヌーやシマウマ以外にも多くの野生動物の子どもたちがご覧いただけます。そういった意味では盛りだくさんのサファリが期待でき、「ベスト・シーズン中のベスト・シーズン」と呼んでも差し支えない時期なのですが、群れの動きや出産は雨の到来に大きく左右されますので、この短い期間といえども若干の日にちのずれで当たりはずれが出てしまう、少々難しい時期でもあります。弊社では何年もこの時期のツアーを企画してきましたが、大当たりの年もあれば、残念ながら期待したほどの成果が得られなかった年もありました。結果から言えば、2019年は大当たりではないにしても、充分当たりの年になったのではないかと思います。

ンゴロンゴロでよく目にするエボシクマタカ
ンゴロンゴロでよく目にするエボシクマタカ
緑の柔らかい草を食みつつのんびり移動するヒョウモンリクガメ
緑の柔らかい草を食みつつのんびり移動するヒョウモンリクガメ
丈の高い草が巣穴を隠すからか、安心してこちらをうかがうリビアヤマネコ
丈の高い草が巣穴を隠すからか、安心してこちらをうかがうリビアヤマネコ
つがいか?きょうだいか?ゴールデン・ジャッカル
つがいか?きょうだいか?ゴールデン・ジャッカル
捕食対象が多いため、活性が上がっているブチハイエナ
捕食対象が多いため、活性が上がっているブチハイエナ
シマウマの子どもの足を咥えたブチハイエナ
シマウマの子どもの足を咥えたブチハイエナ
子どもの待つ巣穴に運ぶためか、肉を加えて全力疾走のブチハイエナ
子どもの待つ巣穴に運ぶためか、肉を加えて全力疾走のブチハイエナ
シャンパンの栓を開けるような鳴き声を上げるオスのセネガルショウノガン
シャンパンの栓を開けるような鳴き声を上げるオスのセネガルショウノガン
チーターの近くだろうが、悠然とサバンナを歩むヘビクイワシ
チーターの近くだろうが、悠然とサバンナを歩むヘビクイワシ
羽の模様が美しい、タンザニアアカノドシャコ
羽の模様が美しい、タンザニアアカノドシャコ
まだ体毛の色が明るい、ソウゲンワシの幼鳥
まだ体毛の色が明るい、ソウゲンワシの幼鳥
この時期、ンドゥトゥで良く見られるニシブッポウソウ
この時期、ンドゥトゥで良く見られるニシブッポウソウ
アカシアの上で休憩中のダルマワシ
アカシアの上で休憩中のダルマワシ
抜き足差し足で獲物を探すクラハシコウ
抜き足差し足で獲物を探すクラハシコウ
ピンクのアイシャドーを施している見えるクロワシミミズク
ピンクのアイシャドーを施している見えるクロワシミミズク
集団で草原を移動中のダチョウ
集団で草原を移動中のダチョウ
朝から晩までの長いサファリを終え、焚火の周りでサンセットを眺めながら一息
朝から晩までの長いサファリを終え、焚火の周りでサンセットを眺めながら一息
平原一面に広がるヌーの群れ
平原一面に広がるヌーの群れ
シマウマの群れもセレンゲティを少しずつ北上していきます
シマウマの群れもセレンゲティを少しずつ北上していきます
お互いの背に頭を預け休憩しつつ、それぞれの方向を警戒するシマウマたち
お互いの背に頭を預け休憩しつつ、それぞれの方向を警戒するシマウマたち
サバンナが緑でも乾燥していても変わらず健康的なトムソンガゼル
サバンナが緑でも乾燥していても変わらず健康的なトムソンガゼル
出産直後、やっと立ち上がったヌーの子どもと見守る母親
出産直後、やっと立ち上がったヌーの子どもと見守る母親
歩行もおぼつかない、まだへその緒が残ったヌーの子ども
歩行もおぼつかない、まだへその緒が残ったヌーの子ども
何かを思案しているようなシマウマの子ども
何かを思案しているようなシマウマの子ども
お乳を飲むライオンの子どもたち
お乳を飲むライオンの子どもたち
暑さでお疲れの様子のライオン親子
暑さでお疲れの様子のライオン親子
サーバルキャットのママさん、ベイビーキャリー中
サーバルキャットのママさん、ベイビーキャリー中
やんちゃ盛りのハイエナの子どもたち
やんちゃ盛りのハイエナの子どもたち
親に守られて道路を横断するホロホロ鳥の雛たち
親に守られて道路を横断するホロホロ鳥の雛たち
花畑に埋もれてくつろぐスティンボック
花畑に埋もれてくつろぐスティンボック
丈の高い草に埋もれて暑さをしのぐチーター
丈の高い草に埋もれて暑さをしのぐチーター
むっくりと立ち上がり・・・
むっくりと立ち上がり・・・
キャットウォークを歩くモデルのような足取りで行動開始
キャットウォークを歩くモデルのような足取りで行動開始

内容としては至ってシンプル。ンゴロンゴロのンドゥトゥ地区に3泊、セレンゲティに2泊、ンゴロンゴロに1泊の計6泊行ってサファリ三昧となりますが、ンゴロンゴロはあくまでも最後のオマケのようなもの。ンドゥトゥ地区ではヌーの群れとライオン、チーター、サーバル・キャットやカラカルなどのネコ科を狙い、セレンゲティのセロネラではンドゥトゥでは難しいヒョウを狙います。そして、この時期はその全てに子連れが期待できます。今回のツアーでも多くの子連れを見ました。ヌーに至っては出産シーンも。子供を咥えて運ぶサーバル・キャットのママさんや雛鳥を連れたホロホロ鳥など、ちょっと珍しいシーンもありました。

セロネラ地区の外れにあるアカシア・キャンプに宿泊
セロネラ地区の外れにあるアカシア・キャンプに宿泊
広々としたテント内
広々としたテント内
美しいグラデーションの草原を優雅に歩むキリン
美しいグラデーションの草原を優雅に歩むキリン
ハンティングの緊張感がみなぎる表情のメスライオン
ハンティングの緊張感がみなぎる表情のメスライオン
自らは逃しましたが、仲間がイボイノシシを仕留めました
自らは逃しましたが、仲間がイボイノシシを仕留めました
サファリカーのすぐ後ろを通って仲間の元に向かうメスライオン
サファリカーのすぐ後ろを通って仲間の元に向かうメスライオン
道路わきのブッシュの陰でくつろいでいたオスライオン
道路わきのブッシュの陰でくつろいでいたオスライオン
雨の後、身体の水分をお互いに舐めとる
雨の後、身体の水分をお互いに舐めとる
クリップスプリンガー。らしい場所で、らしい動物を発見
クリップスプリンガー。らしい場所で、らしい動物を発見
草を食みつつ悠々と草原を移動するオスゾウ
草を食みつつ悠々と草原を移動するオスゾウ
セロネラ地区で樹上で憩うヒョウと出会う
セロネラ地区で樹上で憩うヒョウと出会う
サバンナの生態系を底辺から支えるフンコロガシ
サバンナの生態系を底辺から支えるフンコロガシ

2020年のツアーは今年より数日遅らせた3月6日出発となります。すでにツアー代金も発表されていますので、少々ギャンブル性はあるものの、東アフリカで充実したサファリがしたい!という方、是非ご参加をご検討ください!
■ベスト・シーズンのタンザニア 10日間
■タンザニアのツアー一覧はこちら
羽鳥

2019.4.26発 エチオピア歴史街道ダイジェスト 11日間

旅行期間が長すぎて日本人のお客様には合わない、といわれることもありますが、弊社のこだわりが最も表れているツアーでもあるため、変わらず企画し続けている「エチオピアの大自然と民俗、世界遺産、ゆったり・たっぷり 15日間」。今年のGWは10連休ということで、この日程に合わせて金曜夜出発の11日間特別短縮版を企画・催行し、添乗員として同行させていただきました。
15日間との相違点は、前半のアディスアベバからラリベラまで、後半のバハール・ダールからアディスアベバへのそれぞれの陸路移動を日数短縮のために空路移動に変え(この変更で、バティとサンバティ2か所の定期市訪問がカットされるため、生活文化的な見どころが減ります)、世界自然遺産のシミエン国立公園訪問をカットし(この変更で、より歴史・宗教面へのフォーカスが強くなります)、代わって有名なラリベラの岩窟教会よりも古い時代、6世紀にティグレ州のあちこちに築かれた岩窟教会への訪問を組み込み、更に歴史と宗教面の見どころを強化した内容になりました。
見どころの1つは超有名な世界文化遺産のラリベラの岩窟教会群。12世紀、ザグウェ王朝の王ラリベラ(のちに聖人として聖列)の指示で、イスラム教徒に奪われたエルサレムに代わる第二のエルサレムとして築かれた11の教会です。教会の多くは固い花崗岩の上に載った、削りやすい凝灰岩を彫って築かれましたが、モノリシック(底部のみ天然の岩盤と繋がった、完全な一枚岩のもの)とセミモノリシック(底面と天井部など、複数の面が岩盤と繋がったもの)の2種類があり、それぞれ正確な数学的計算・設計の上に、当時の石工の技術の粋を集めて作られています。エジプトのピラミッドほどではありませんが、メディアへの露出が多いため、ご覧になる前から見たような気分になってしまう方も多いかもしれませんが、実際に目の当たりにすると迫力が段違いです。添乗員としても個人的にも何度も足を運んでいますが、あかり取りの窓の周辺に施された彫刻など、見るたびに感慨を新たにする素晴らしいものです。

ラリベラの教会群で最古と推定されている聖マリア教会
ラリベラの教会群で最古と推定されている聖マリア教会
天然の岩を刻んで造形したとは到底思えない教会内部
天然の岩を刻んで造形したとは到底思えない教会内部
色も鮮やかに残る天井装飾
色も鮮やかに残る天井装飾
巧みなノミ捌きで刻まれたあかりとりの窓の軽やかな装飾
巧みなノミ捌きで刻まれたあかりとりの窓の軽やかな装飾
女人禁制の聖ゴルゴダ教会内部、ラリベラ王の墓所はこの部屋の奥にあります
女人禁制の聖ゴルゴダ教会内部、ラリベラ王の墓所はこの部屋の奥にあります
傑作建築の一つ、聖エマニュエル教会
傑作建築の一つ、聖エマニュエル教会
アッバ(神父)の服装と儀礼用の十字架も、教会によって一つ一つ形状が異なります
アッバ(神父)の服装と儀礼用の十字架も、教会によって一つ一つ形状が異なります
ラリベラにある11の教会中の最高傑作、聖ギオルギス教会
ラリベラにある11の教会中の最高傑作、聖ギオルギス教会
水平は完璧に出していますが、上への線は垂直ではなく上に行くにしたがって内側に絞られています
水平は完璧に出していますが、上への線は垂直ではなく上に行くにしたがって内側に絞られています
光の入り具合も計算されている至聖所前の祭壇
光の入り具合も計算されている至聖所前の祭壇
丸顔にアーモンド形の目を描くエチオピアスタイルは変わりませんが、歴史を感じさせる内壁の絵
丸顔にアーモンド形の目を描くエチオピアスタイルは変わりませんが、歴史を感じさせる内壁の絵

西洋のイースター(復活祭)は、今年は4月21日の日曜日でしたが、異なるカレンダーとそれに合わせた祭礼を行うエチオピアでは、今年はラリベラ滞在中の4月28日がイースターでした。ということで、街でもあちこちに緑の草を敷き詰め(場を清浄化するため)、人々は同じ草を鉢巻のように頭に巻き、この日から遡ること2カ月前から始めた断食(イスラムと異なり、断つのは肉や魚などで、牛乳や卵の入らないパン、野菜とマメのシチュー、サラダなどは食べてよい)の明けとキリストの復活を祝います。私たちが宿泊していたホテルでも、従業員の方々がコーヒーセレモニーで祝っていたのですが、たまたまホテルに居合わせた私たちもご相伴に預かりました。このイースターが過ぎると、少しずつ雨が降り始め、6~8月のエチオピア北部の雨季到来の雰囲気が濃くなっていきますが、ツアー中に雨に降られることはほとんどなく、高原の国エチオピアとは思えないような暑い日が続きました。

イースターということもあってホテルではコーヒーセレモニーに招かれました
イースターということもあってホテルではコーヒーセレモニーに招かれました
生豆を炒って挽き、ジャバナと呼ばれるポットの中で煮立てたものが供されるコーヒー
生豆を炒って挽き、ジャバナと呼ばれるポットの中で煮立てたものが供されるコーヒー
雨季前で、降雨があった場所では緑が美しい土地が広がります
雨季前で、降雨があった場所では緑が美しい土地が広がります

そしてもう1つの見どころは、日本からのツアー客がほとんど訪れない担当者である私イチ押しの場所、ティグレ州の岩窟教会群です。ラリベラの教会群建造から600年ほど遡った6世紀に、それまでの弾圧からキリスト教が公認、国教化されたローマ領のあちこち(アンティオキア、アレキサンドリア、コンスタンティノープルなど)からエチオピアにやってきた9人の聖職者(9聖人)によって築かれたとされる教会・修道院の他、彼らが持ち込んだ修道という修行の形態を実現するために、険しい山の上や人跡未踏の岩壁に横穴を穿って築かれたよりシンプルな構造の穴倉のような教会が、140カ所を超える数存在しています。まだ世界遺産登録はされていませんが、近いうちに間違いなく登録されるだろうこれらの教会への訪問を難しくしているのは、その立地する場所の険しさです。今回訪問を選択したいくつかの教会・修道院の中には、ほとんどロッククライミングのようなスタイルで岩を登り、やっと到達できたものもありました。少々ハードで、麓の村人たちがサポートしてくれるとはいえそれなりのリスクもありますが、訪問できてよかったとご参加者の皆さんからも感想をいただけました。

ティグレ州の岩窟教会を代表するアブーナ・イェマタへの山道
ティグレ州の岩窟教会を代表するアブーナ・イェマタへの山道
教会の入り口は登り口から約300mの位置にあるため、上からの眺めは抜群
教会の入り口は登り口から約300mの位置にあるため、上からの眺めは抜群
半ばロッククライミングのような登りを慎重に続けて到達します
半ばロッククライミングのような登りを慎重に続けて到達します
壁画が美しい、アブーナ・イェマタ修道院の内部
壁画が美しい、アブーナ・イェマタ修道院の内部
アブーナ(教父)・イェマタ以下、シリアからエチオピアに到来した9聖人の絵
アブーナ(教父)・イェマタ以下、シリアからエチオピアに到来した9聖人の絵
至聖所への入り口には、守りとして天使ガブリエルとラファエルの絵が
至聖所への入り口には、守りとして天使ガブリエルとラファエルの絵が
修道士はこのキャンドルに火をともして毎日の勤行を行います
修道士はこのキャンドルに火をともして毎日の勤行を行います
アブーナ・イェマタ入り口への細い道、右手は崖ですっぱり切れ落ちています
アブーナ・イェマタ入り口への細い道、右手は崖ですっぱり切れ落ちています
時たま里に下りるものの、修道士は多くの時間をここで祈りに費やします
時たま里に下りるものの、修道士は多くの時間をここで祈りに費やします
現存するエチオピア最古の教会の一つ、4世紀創建のアブレハ・ワ・アツベハ教会
現存するエチオピア最古の教会の一つ、4世紀創建のアブレハ・ワ・アツベハ教会
ユダヤ教徒の女王グディトによる焼き討ちの跡が残る天井
ユダヤ教徒の女王グディトによる焼き討ちの跡が残る天井
ポルトガル絵画の影響を受けたといわれる聖母子像
ポルトガル絵画の影響を受けたといわれる聖母子像

そして後半戦は、エチオピア最古の都アクスム、次いで16世紀に都があったゴンダールへと続いていきます。アクスムではおなじみのステッレ(アクスム王国時代に建てられたオベリスク)やシェバの女王の宮殿といわれる遺構、そしてモーゼがシナイ山で神から受け取った十戒の石板を収めたアーク(聖櫃)が安置されているとされるシオンの聖マリア教会の礼拝堂などを見学。アクスムは地中に埋もれているだろうと想定される遺構の9割は未発掘で残されているとされており、これからの発掘と発見が楽しみな場所でもあります。

どのような手法で運ばれ、建てられたかわからない、アクスムの巨大なステッレ
どのような手法で運ばれ、建てられたかわからない、アクスムの巨大なステッレ
「失われたアーク」が安置されているといわれる、シオンの聖マリア教会の礼拝堂
「失われたアーク」が安置されているといわれる、シオンの聖マリア教会の礼拝堂
シオンの聖マリア教会内、ファシリダス帝によって築かれた女人禁制の修道院内部
シオンの聖マリア教会内、ファシリダス帝によって築かれた女人禁制の修道院内部
シェバ王国時代の宮殿跡と推測されている遺構
シェバ王国時代の宮殿跡と推測されている遺構

ゴンダールではこちらも多くの方がご存知であろう、ゴンダール朝のファシリダス帝以下6人の皇帝・皇妃によって築かれた、交渉のあった様々な国の建築様式が融合したゴンダール様式の城跡と、イスラム教徒勢の焼き討ちを生き延びた奇跡の教会「デブレ・ブレハン・セラシー教会」を見学しました。堂内の天井には有名な天使の絵が描かれています。

16世紀当時の都だった、ゴンダールに築かれたファシリダス帝の城
16世紀当時の都だった、ゴンダールに築かれたファシリダス帝の城
ヨハンネス1世、イヤス1世、ダウィト3世、バカッファ帝、メントゥワブ妃の5人によって築かれた城や建造物が点在しています
ヨハンネス1世、イヤス1世、ダウィト3世、バカッファ帝、メントゥワブ妃の5人によって築かれた城や建造物が点在しています
ティムカット祭ではハイライトの聖水浴びが行われるファシリダス帝のプール
ティムカット祭ではハイライトの聖水浴びが行われるファシリダス帝のプール
イスラム教徒勢の焼き討ちから、ミツバチの群れによって守られたといわれる奇跡の教会、デブレ・ブレハン・セラシー教会
イスラム教徒勢の焼き討ちから、ミツバチの群れによって守られたといわれる奇跡の教会、デブレ・ブレハン・セラシー教会
有名な天使の天井画
有名な天使の天井画
毛皮の衣服をまとってライオンとヒョウを従えた聖ゲブラ・マンファス・ケッドゥスと片足を失った代わりに6枚の翼を背に得た聖テクレ・ハイマノウトの壁画
毛皮の衣服をまとってライオンとヒョウを従えた聖ゲブラ・マンファス・ケッドゥスと片足を失った代わりに6枚の翼を背に得た聖テクレ・ハイマノウトの壁画

そして、首都アディスアベバを除いた最後の訪問地、タナ湖畔のバハール・ダールへ。水量は少ないものの、それなりに迫力のある青ナイル滝と、エチオピア最大の湖で、青ナイルの源流の一つでもあるタナ湖上をボートで遊覧、ゼゲ半島に位置する修道院を訪問しました。修道院があるウラ村と「聖母マリアの契約の赦し」という名前を冠したウラ・キダネ・メレット修道院を訪ね、文盲の信者にキリストの物語や教えを語るために描かれた、新しいものではありますが見事な壁画が楽しめます。

水量は少ないものの、迫力ある青ナイル滝
水量は少ないものの、迫力ある青ナイル滝
国民食インジェラを焼くデモンストレーションを見せてくれた村人
国民食インジェラを焼くデモンストレーションを見せてくれた村人
タナ湖をボートで遊覧し、ゼゲ半島の修道院へ
タナ湖をボートで遊覧し、ゼゲ半島の修道院へ
至聖所は二人の熾天使の絵によって守られています
至聖所は二人の熾天使の絵によって守られています
戴冠する聖母マリア
戴冠する聖母マリア
磔刑に処されたイエスと、12使徒の殉教を描いた壁画
磔刑に処されたイエスと、12使徒の殉教を描いた壁画

この後、アディスアベバへ空路移動し、国立博物館や名産のコーヒーなどを目当てのショッピングを済ませ、ツアーは帰路につきました。久々に同行させていただいて改めて実感したのは、やはりエチオピア北部を巡る際に、旧約・新約双方の聖書の知識があるのとないのとでは、ずいぶん楽しみの深さが異なるという点です。歴史についてはガイドからの説明で何となくお分かりいただけるのですが(スーダンやエジプト、ローマと絡むので、そちらの歴史をご存知であればなお楽しめます)、宗教面については知らない物語をベースに説明を聞いてもいまいちピンとこないことが多いだろうと思います。まだ未訪問の方で、これから北部エチオピアを訪問してみようとお考えの方は、聖書を読むまではいかずとも、映画等でイエスの一生やそのエピソードを知っておくことをお勧めします。
■エチオピアのツアー一覧はこちら
羽鳥

2019.4.27発 GWスペシャル ボツワナ・セントラル・カラハリ動物保護区でキャンプ 9日間

今年は10連休となったGWに、ボツワナのキャンプツアーに同行させていただきました。
ボツワナは言わずとしれたサファリ大国ですが、その中でも特にオカバンゴ、チョベ国立公園が有名かもしれません。今回は、その2か所のエリアではなく、ナイパン国立公園とセントラルカラハリ動物保護区にキャンプ泊をしながら、動物サファリを行いました。
今回訪れたエリアは、ボツワナの国土の大部分を占め、西はナミビア、南は南アフリカまで広がる広大なカラハリ砂漠の中央部分に当たります。北東部のオカバンゴやチョベ国立公園などの湿潤なエリアと比較すると、非常に乾燥しており、野生動物にはとても厳しい環境が広がっています。訪れた4月後半は、3月頃まで降っていた雨も完全に干上がり、数少ない水場(ウォーターホール)にのみ水が残されているのみです。そんな中でも力強く生きている野生動物の姿を観察することが出来ました。

初めに訪れたナイパン国立公園。野生動物の他に大きなバオバブの木
初めに訪れたナイパン国立公園。野生動物の他に大きなバオバブの木
ミネラル豊富な土壌のおかげでりっぱな牙とトランクを持つゾウが多いようです
ミネラル豊富な土壌のおかげでりっぱな牙とトランクを持つゾウが多いようです
年老いて群れを離れた雄の個体
年老いて群れを離れた雄の個体
水を求めてウォーターホールには動物が集まります
水を求めてウォーターホールには動物が集まります
サファリではお馴染みのホロホロ鳥
サファリではお馴染みのホロホロ鳥
大きなバオバブの横でティーブレイク
大きなバオバブの横でティーブレイク
迫力のあるベインズバオバブ
迫力のあるベインズバオバブ
乾燥した環境に強いオリックス
乾燥した環境に強いオリックス
たてがみがようやく伸び始めた若いオスライオン1
たてがみがようやく伸び始めた若いオスライオン1
たてがみがようやく伸び始めた若いオスライオン2
たてがみがようやく伸び始めた若いオスライオン2
アフリカで見る夕日はいつも美しいです
アフリカで見る夕日はいつも美しいです
移動してセントラルカラハリ国立公園に滞在
移動してセントラルカラハリ国立公園に滞在
りっぱな体躯をした雄のカラハリライオン
りっぱな体躯をした雄のカラハリライオン
リカオンのパックにも遭遇しました
リカオンのパックにも遭遇しました
夕暮れ時に獲物を探しながら移動中
夕暮れ時に獲物を探しながら移動中
重厚な角を持つレッドハーテビースト
重厚な角を持つレッドハーテビースト
とてもシャイなためなかなか正面からじっくり姿を見る機会が少ないスティンボック
とてもシャイなためなかなか正面からじっくり姿を見る機会が少ないスティンボック
ミーアキャットのように立ち姿が愛らしいジリス
ミーアキャットのように立ち姿が愛らしいジリス
生後数か月のオリックスの子ども
生後数か月のオリックスの子ども
夜行性で警戒心が強いため日中はまず見られないブラウンハイエナにも運良く遭遇
夜行性で警戒心が強いため日中はまず見られないブラウンハイエナにも運良く遭遇
夕暮れ時は美しい光に包まれます1
夕暮れ時は美しい光に包まれます1
動物たちも綺麗な色に染まります2
動物たちも綺麗な色に染まります2
動物たちも綺麗な色に染まります3
動物たちも綺麗な色に染まります3
動物たちも綺麗な色に染まります4
動物たちも綺麗な色に染まります4

ボツワナのキャンプの特徴は、野生動物が暮らしているフィールドにそっとお邪魔させて貰うスタンスです。そのため、キャンプサイトとは言っても、人工的な設備は何もなく(一部のサイトにはシャワー設備を備えているところもあります)、そこにテントを張り、大自然の真っ只中で過ごします。もちろんサイトに野生動物が挨拶に来ることもありますが、彼らへの敬意と適切な距離を保っていただければ問題になることはありません。夜は、降ってくるような満天の星空の下で、耳触りの良い動物たちの鳴き声をバックミュージックに眠りにつきます。

サファリフィールドに溶け込むキャンプサイト1
サファリフィールドに溶け込むキャンプサイト1
サファリフィールドに溶け込むキャンプサイト2
サファリフィールドに溶け込むキャンプサイト2
食事テーブルもしっかりとセッティングしてくれます
食事テーブルもしっかりとセッティングしてくれます
毎回美味しい料理をキッチンスペースで作ってくれるコックさん
毎回美味しい料理をキッチンスペースで作ってくれるコックさん
ダッチオーブンでパンを始め様々な料理を作ってくれました1
ダッチオーブンでパンを始め様々な料理を作ってくれました1
ダッチオーブンでパンを始め様々な料理を作ってくれました2
ダッチオーブンでパンを始め様々な料理を作ってくれました2
ご参加者の皆さまにも大変好評でした
ご参加者の皆さまにも大変好評でした
毎晩星が降る様な夜空の下で静かで贅沢な時間を過ごしました1
毎晩星が降る様な夜空の下で静かで贅沢な時間を過ごしました1
毎晩星が降る様な夜空の下で静かで贅沢な時間を過ごしました2
毎晩星が降る様な夜空の下で静かで贅沢な時間を過ごしました2

ボツワナのキャンプは、キャンプ未経験の方やキャンプを始めてみたい方にこそお勧めさせていただきます。多少の不便を補って余りある贅沢な自然体験は、これ以上ないきっかけになるかもしれません。
来年も春から夏にかけて、キャンプツアーをいくつか設定しますので、是非ご参加ください。
■ボツワナのツアー一覧はこちら
荒木

2019.4.27発 GWスペシャル レソト・ホース&岩絵トレッキング 9日間

10連休のGWですが、レソトにて乗馬と岩絵トレッキングに同行してきました。出発の羽田空港は大混雑でしたが、アフリカについてしまえばそこは喧噪とは全く無縁の世界。香港・ヨハネスブルグで乗り継ぎ、やっと到着です。ここはダーバン・キング・シャカ空港。

ダーバンは海の近くで標高が低いので暑いです
ダーバンは海の近くで標高が低いので暑いです

南アフリカ側のベースになるのは、このダーバン空港から約3時間走り続けて到着するアンダーベルグの町から近いサニ・ロッジ。南アフリカはちょうど秋口にあたり、途中の道路ではセイヨウカエデが綺麗に色づいていました。また、ロッジのカフェ兼レストランもお洒落な外観です。

ここはヨーロッパではございません
ここはヨーロッパではございません
カフェの名はジャイアントカップカフェ!
カフェの名はジャイアントカップカフェ!

翌日は南アフリカ国境を越え、

両脇に山々が迫ってくる南ア国境
両脇に山々が迫ってくる南ア国境

そして九十九折りの急坂を登っていると、展望の良いところで一休憩。左の岩壁は「十二使徒」と呼ばれています。

本当に大きいのです。写真だと分かり辛いでしょうか
本当に大きいのです。写真だと分かり辛いでしょうか

登り切ったところは「サニ・パス」です。ここにレソト側の国境があります。パスポートにハンコを貰ったあとは歩いて国境を渡ります。

ここは標高2,873m。空がとっても青いです!
ここは標高2,873m。空がとっても青いです!

乗馬トレッキングの始まるモルモン村はまだまだ先。その途中にはレソトの道路の最高地点を通りますが、なんと標高は3,240m!見事なまでの空の青さです。人物は気にしないでください。

レソト最高地点。キリマンジャロ登山と同様に顔が膨れます…
レソト最高地点。キリマンジャロ登山と同様に顔が膨れます…

いよいよ乗馬スタート。が、乗馬中はなかなか写真を撮るのが難しく…それでもどのような雰囲気か分かっていただけると嬉しいです。

全員が跨るまでじっとしている大人しい馬たちです
全員が跨るまでじっとしている大人しい馬たちです
3日目のマルベルブ村では、みんな堂々としています
3日目のマルベルブ村では、みんな堂々としています

レソトの乗馬が終わり、今度は南アフリカ側で岩絵のトレッキングに出発です。トレッキングは結構ハードなコース。標高差は750mほどですが、管理されていない道ですのでトレッキングシューズは必須です。そんな道を約3時間程登ると大きな巨岩に到着です。岩絵はこのような巨岩のオーバーハングしている部分に数多く描かれています。

世界遺産の岩絵前でランチなんて、日本ではなかなかできません
世界遺産の岩絵前でランチなんて、日本ではなかなかできません

ゆっくりランチを摂ったあとはのんびり下山です。ジャイアントカップの由来となった、標高3,251のホジソンズピークが見えるところで一休止。

右上に見える双耳峰がホジソンズピーク北峰・南峰
右上に見える双耳峰がホジソンズピーク北峰・南峰

サファリとは全く反対側に位置するようなツアーですが、純粋に「絶景を見てみたい」「岩絵のロマンに浸る」「村で出迎えてくれる子供たちの笑顔」はこの旅行の素晴らしいポイントだと感じました。
■レソトのツアー一覧はこちら
久世